『進撃の巨人』22巻のネタバレ感想。作者は諫山創。掲載誌は別冊少年マガジン。出版社は講談社。ジャンルは少年コミックのバトル漫画。AmazonのKindleや楽天などでも試し読み・立ち読みが可能です。

『進撃の巨人』に上位に設定したガチで面白いおすすめ漫画ランキングが未完成のままで悪いんですが、いずれ人気おすすめバトルマンガランキング(ドル漫)も執筆したいと思います。とりあえず22巻をざっくりレビュー。


進撃の巨人22巻までのあらまし


『進撃の巨人』22巻までの展開をざっくり説明すると、エレンたちが父・グリシャが地下室に残した日記を読んで、外の世界を知る。いわゆる過去編であり、『進撃の巨人』という世界の根幹が22巻で明らかになる。

グリシャはエルディア人と呼ばれる、かつて巨人の力で世界を支配したエルディア人の末裔。ただ1700年に渡る支配は内紛を生み、マーレ国が再興する。つまりはエルディア人というだけで、グリシャたちは不当な差別や弾圧を受けるハメになる。

結果、グリシャは再びエルディア人の国を作ろうと決意。地下組織「エルディア復権派」の一部に入り、マーレ政府内に潜むスパイ(フクロウ)の手助けもあり、次第に勢力を拡大。グリシャの息子であるジークをスパイに仕立て上げようと決意。

鍵を握るのが、エルディア人の始祖である「ユミル・フリッツ」。このユミルが巨人の全てを操る「始祖の巨人」を持つ。この力はユミルの血を引くエルディア人に代々受け継がれることで、エルディア人は安定的に世界を支配した。

ただ145代目王は戦うことを支配することを放棄し、パラディ島に一部の市民を引き連れて、そこに三十の壁を築いて街を築きあげてしまう。つまり、パラディ島がウォール・マリアやウォール・シーナがある主人公・エレンたちが住む世界。

説明が長くなったのでサクッと言うと、パラディ島に「始祖の巨人」の力がある。この力を巡って、ユミルを信奉するエルディア復権派とマーレたちが奪いに来ようとしてる。マーレはエルディア人の中から「マーレの戦士」を選んで、パラディ島に送り込んできたのがベルトルトやライナー。

ただ、この計画そのものは数十年前から進んでた。でも、エルディア復権派は子供時代のジークの裏切りによって失敗してしまう。同じグリシャの息子であるはずの、ジークとエレンの年齢差が親子ほど離れていることからも分かるはず。

そしてグリシャは反逆罪でパラディ島に送り込まれてしまう…というのが22巻までの流れ。


パラディ島は流刑の島


前述のようにパラディ島は「始祖の力」が眠っている場所。

進撃の巨人22巻 パラディ島の端っこ
(進撃の巨人 22巻)
ただマーレは流刑の島としてエルディア人の罪人を送り込み、罰として巨人化させていた。つまり壁外をうろついていた巨人たちは、全てマーレから島流しにあったエルディア人。

進撃の巨人22巻 エルディア人の巨人
(進撃の巨人 22巻)
だから見覚えがある巨人も登場。

このマーレの軍人がいろいろとヒドい。グリシャの妹を犬に食わせた男なんですが、グリシャが心は痛まないのかと責めるものの、「もし息子が同じ目に遭ったらと思うと胸が締め付けられる。その子が何か悪いことをしたわけでもなかったのにな…エルディア人でさえなければ」。グリシャのエルディア復権の野望も含めて、まさに復讐の連鎖。


ダイナはエレンの母親を食べた巨人


グリシャの息子・ジークの裏切りで、エルディア復権派のメンバーはほとんどパラディ島送りになる。

進撃の巨人22巻 ダイナとグリシャ1
(進撃の巨人 22巻)
そこにはグリシャの妻であり、ジークの母でもあるダイナの姿もあった。ダイナは王族の血を引く重要人物だったわけですが、最後に残した言葉が「私はどんな姿になってもアナタを探し出すから」。

進撃の巨人22巻 ダイナとグリシャ2
(進撃の巨人 22巻)
でも巨人化したダイナは、まさかの例の巨人。『進撃の巨人』1巻を読んだ人なら誰もが覚えている、エレンの母親を食べてしまった巨人。

言うまでもなく、グリシャは壁内で新たに家族を作ってエレンを儲けたわけですが、まさにちょっとした女の私怨。もし巨人が喋れたら「なに私のダンナを取ってるのよ」って感じでしょうか。これはこれでちょっとした復讐の連鎖(笑)


お前が始めた物語だろ


とはいえグリシャは絶体絶命のピンチ。このまま巨人にされてしまったら、そのままパラディ島内をひたすら歩き回るだけ。壁内で家族を築き、エレンを儲けるには至らない。

進撃の巨人22巻 グリシャとフクロウ1
(進撃の巨人 22巻)
ただマーレに潜伏していたフクロウが一緒に来ており、同時に巨人化の力を所有していた。デケェ。大型巨人の半分ぐらいあるんじゃね?結果的にグリシャだけが救出され、前述の軍人も裏切られて死亡。正直ご都合主義的な展開と思わなくはなかったですが、これには秘密がある。

進撃の巨人22巻 グリシャとフクロウ2
(進撃の巨人 22巻)
何故なら巨人の力を継承した人間は13年で死んでしまうから。このフクロウの寿命がそこまで迫っていた。ちなみに、この13年という期間は初代ユミルが力を目覚めてから死ぬまでの期間。最初から「大地の悪魔」と契約内容に含まれていたのでしょう。

フクロウは「始祖の力」を奪還し、再びエルディアの自由と尊厳を取り戻すように頼むものの、既に復讐の炎は消え去り、復讐の連鎖に嫌気を差したグリシャは断る。ただフクロウは続ける。「お前は壁の外に出た。自由を求めた結果の代償は同胞が支払った。そのツケを支払うのは、お前が死んでも死んだ後も進み続けるだけ」。

進撃の巨人22巻 グリシャとフクロウ3
(進撃の巨人 22巻)
これはお前が始めた物語だろ」。グリシャはゆっくりとだが、立ち上がる。そしてフクロウは続ける。「お前へと継承される巨人にも名前がある。その巨人はいかなる時代においても自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は【進撃の巨人】」。

つまりは『進撃の巨人』とはグリシャのことであり、エレンのことそのもの。そして自由を求める人間に受け継がれられるべくして受け継がれた。以上がグリシャが体験した全て、エレンに継承された全てだった。

ちなみに進撃の巨人以外の「九つの巨人」については既にまとめてあるので、『進撃の巨人』の考察の参考に使ってください。


壁の外はありふれた自由か、新たな地獄か


そしてストーリーは現在。再びエレンたちの場面に戻ります。クリスタがユミルからの手紙を読むクダリがあったりするんですが、そういえばいつユミルにライナーの仲間・マルセルが食われたんでしょうか?

ユミルはパラディ島に島送りにされた後に巨人化された。マーレの戦士としてパラディ島に送り込まれたライナーたちは、それなりに訓練を受けていたはずですから簡単に食われる?後々描かれると思いますが。

進撃の巨人22巻 敵はマーレ
(進撃の巨人 22巻)
とりあえず壁内の過去や歴史が全て明らかになった。つまり、エレンたちが相手にしていた敵は「全世界(マーレが収める国)」であることが同時に判明。

何故なら、悪魔の末裔・ユミルの民を殲滅するのがマーレの目的。厳密には「始祖の力」を手に入れることで、エルディア人は全て根絶やしにされるか軍事転用されるかのどちらかの道しか残されてない。

じゃあ「始祖の力」が今どこにあるかというと、それは主人公・エレンの中。ただ王家の血は流れてないので始祖の力は扱えない。でも一度エレンが始祖の力を使えたときがあった。

進撃の巨人22巻 ダイナとエレン
(進撃の巨人 22巻)
それが前述の王家の血を引く巨人化したダイナを殴ったとき。つまり「王家の巨人」と接触すればエレンでも無垢の巨人を扱える。ただダイナは既に無垢の巨人に食われていないので、その役割はヒストリア。

そして、壁内の住民に全てをありのまま公表した。人々はそれを受け入れ、しばらくするとトロスト区に響いていた巨人を潰す槌の音は消えた。超大型巨人の襲来から6年目。一年をかけてほぼ無垢の巨人を淘汰してしまった。あくまで犯罪者としてマーレから送り込まれたエルディア人のみだったので、数は無限ではなく有限。

そして調査兵団たちは再び壁外調査を行ったときには、エレンたちはグリシャが進撃の巨人の力を継承し、エルディア人たちが次々と無垢の巨人化された海岸まで到達することに成功した。そこには水平線いっぱいの海原があった。アルミンは涙を流す。

ただエレンは「向こうにいる敵を全部ころせば自由になるのか?」と水平線を指差す。

進撃の巨人22巻 グリシャの妹 外の世界は自由か
(進撃の巨人 22巻)
何故なら、エレンの脳内にはグリシャの妹が犬に食われた映像が焼き付いていた。

防波堤となる無数の巨人たちは全て駆逐してしまった以上、もうエレンたちは前へ進撃する以外にない。果たしてエレンが進む先に待っているのは地獄か天国か。どちらが死滅するまで地獄は終わらないのか?

『進撃の巨人』の物語は次の舞台へ続く…とのこと。どうやらまだまだ最終回は先の模様。


進撃の巨人22巻の総括


以上、『進撃の巨人』22巻のネタバレ感想でした。やや説明臭かった印象がありますが、この22巻で『進撃の巨人』の伏線や謎がほぼ回収されたと言っても良さそう。

ただ考えてみると、謎も多い。遁走したジークやライナーたちはどこにいるのか。また王はエルディア人だけを引き連れてパラディ島にこもったはずなのに、何故壁内に東洋人のような「外国人」が含まれているのかも不自然。

進撃の巨人22巻 フクロウの記憶 ミカサ アルミン
(進撃の巨人 22巻)
あと新たな伏線も勃発。フクロウがグリシャを説得してる場面で、「ミカサやアルミン、みんなを救いたいなら使命を全うしろ」と言う。ただグリシャも、このセリフを吐いたフクロウ自身も誰か分かってない。

元は人間であるにも関わらず、巨人化したエルディア人は二度と死なないことなど、『進撃の巨人』のラストは夢オチなど割りと現実的にあり得るのではないか。同じ歴史や同じ過ちを繰り返すなといったセリフなども、夢オチにありがちな無限ループの前フリっぽく聞こえなくありません。

ちなみにマンガ「進撃の巨人」が面白いのかという考察記事は既に執筆済みですが、いずれこれも「ドル漫」に移動させる予定。意外とこういう作業めんどっちぃね。