『キングダム』45巻のネタバレ感想。作者は原泰久。掲載誌はヤングジャンプ(集英社)。AmazonのKindleや楽天などでも試し読み・立ち読みが可能です。『キングダム』43巻44巻のネタバレ感想は別の漫画ブログでレビュー済み。桓騎や信たち秦軍が黒羊丘を舞台として趙軍と衝突し、無事勝利を収めた続きになります。
(キングダム 45巻)
簡単に45巻のネタバレしてしまうと、画像の蒙恬が話しているように「文官(政治家など)同士の戦い」が始まります。これまでは兵士同士が散々血みどろの戦いを行ってきたわけですが、この45巻では後の始皇帝となる嬴政が外交の舞台でバチバチし合う。
結論から書くと、嬴政は誰と外交面でやりあうのか。
(キングダム 45巻)
結論からさっさと書くと、その相手が「王建王」という斉の王様。かつては秦国と並んで強国と畏れられた大国。
ちなみに一見するとビーフジャーキーみたいなんを口にくわえてますが、王建王の口から飛び出てるのはまさかのヘビ。せめてグロテスクな舌であってほしいんですが、何故ヘビを口の中で飼っているかは終始不明。めっちゃ喋りにくくないんかって話ですが、とにかく深くは考えないでください(笑)
主人公・信や桓騎たちが黒羊丘で戦っている間、秦国の最高外交官・蔡沢が王建王と密談していた。しかも秦国の最大の敵である趙国の李牧の姿も、そこにはあった。何故なら、地理的に斉王が秦国にやって来るには途中で趙国を通らなければいけなかったから。
(キングダム 45巻)
じゃあ蔡沢が何故王建王と密談していたのか?この理由は嬴政が中華統一を果たすにあたって斉王・王建王の協力を取り付ける必要があると考えたから。地政学的に斉国の動向は重要。そして蔡沢は王建王を咸陽に連れてきて、嬴政と面と向かってお互いの理念をぶつけ合わせる。
果たして、いかにもクセしかない王建王を嬴政は説き伏せることができるのか?
嬴政は中華統一を果たすにあたって、これから各国を結果的に滅ぼす必要がある。当然、自分たちの母国が滅ぼされた側は秦国に憎悪を抱く。まさに「見るに耐えぬ汚濁」が待ち構えてるのは火を見るより明らか。
(キングダム 45巻)
「中華統一が汚濁ではないと否定してみせろ」と王建王は嬴政に要求してくる。国が滅ぼされただけではなく、いきなり秦人として生きろと言われても誰がおいそれと納得するのか。それに納得しない人間をチカラで従わせるのか。まさに汚濁の極み。
しかし嬴政は問題はないと一蹴。
(キングダム 45巻)
何故なら、大中華を支配するのは一人の国王ではなく「法律」が支配するから。あくまで嬴政は征服戦争ではなく、新国建国のための戦争にすぎないと主張。つまり嬴政は「平等な法治国家の樹立」を宣言してみせた。
そして斉王・王建王が出した答えは「完全降伏」。もし嬴政が今言い放った理念さえ変わらなかったら斉国は武力で秦国に対抗せず、そのまま中華統一を成し遂げるため取り込まれることを王建王は暗に伝えた。要は、嬴政の外交勝利。血を流さずに6国の中の1国を既に制覇した。まさに蔡沢の成果の賜物と言えましょう。
(キングダム 45巻)
ちなみに蔡沢のお爺ちゃんは嬴政 vs 王建王の戦いを見届けると座ったまま眠るように死亡。さすがに「えぇぇぇ!!今のタイミングでぇぇぇぇ!!」と心の中で思わずツッコミを入れてしまいました。おそらく、この場面は史実ではないと思われます。
ただ嬴政が中華統一を成し遂げるには、まだまだ障害が残っている。それが王建王と共に秦国・咸陽にやって来た趙国宰相の李牧。秦国と趙国は仲が悪い。ただ嬴政は王建王と謁見するため、わざわざ李牧との会談を飲む羽目になる。
(キングダム 45巻)
そこで李牧は「中華統一を諦めろ」と要求。そして「七国同盟を結ぶことで中華の恒久平和を実現させよう」という代案を嬴政に突き付けてきた。
言うまでもなく、李牧の案は理にかなってる。秦や趙といった大国七国は「他国との戦争を一切禁ず」という、ただ一点の盟約を守りさえすればいい。もし国境を侵す国があれば、残りの六国でその国を攻め滅ぼす仕組みがあることで、それが楔として戦争の抑止力として働く。他国に干渉さえしなければ文字通り戦争は起きない。
しかしながら嬴政は再び一蹴。何故なら100年後も七国同盟が守られている保証がどこにも存在しないから。あくまで中華という大地を統一するには「一国」でなければいけない。この恒久平和を実現するのは「法律」でしか成し遂げられない。国を人間が統治すれば同盟が破られ再び衝突も起きる。
そして嬴政は「秦国は武力をもって趙国を含む六国全てを攻め滅ぼして中華を統一する!!」と、李牧の前で高らかに宣言してみせた。つまりは実質的な宣戦布告。もはや七国同盟という幻想が木っ端微塵に破壊された瞬間だった。
もちろんそれを聞いた李牧も黙っていない。「今いる秦将軍全員がまとめてかかってきてもこの李牧の相手ではない!最初に滅びるのは秦国であると覚えておけ!」と秦国の兵士たちを喝破。つまり秦国と趙国との後戻りできない全面戦争の火蓋が切られたに等しかった。
(キングダム 45巻)
もちろん現時点ではお互いの事情もあってまだ開戦しないものの、前述の王建王も李牧に対して「秦国が想定しているよりもはるかに強い」と評価。合従軍との戦いではまだ本気を出していなかったことを意味してるのでしょう。
(キングダム 45巻)
また李牧は李牧で、秦国の最強将軍・桓騎の弱点も黒羊丘の戦いで既に見抜いている様子。果たして嬴政(秦国) vs 李牧(趙国)の戦いの結末はいかに!?
(キングダム 45巻)
『キングダム』46巻では蒼源という弓の達人の息子たちが、新たに信チーム・飛信隊に入隊するクダリから始まります。着々と戦力強化されていってる模様。ヤングジャンプをリアルで読んでないので知りませんが、きっと桓騎軍から抜けた那貴ともども次の戦いでさっそく活躍するのでしょう。
ちなみに【おすすめ考察】キングダムが面白いは既に記事化済みなので、あとで良かったらどうぞ御覧ください。
(キングダム 45巻)
簡単に45巻のネタバレしてしまうと、画像の蒙恬が話しているように「文官(政治家など)同士の戦い」が始まります。これまでは兵士同士が散々血みどろの戦いを行ってきたわけですが、この45巻では後の始皇帝となる嬴政が外交の舞台でバチバチし合う。
斉王・王建王、突然の訪問のワケ
結論から書くと、嬴政は誰と外交面でやりあうのか。
(キングダム 45巻)
結論からさっさと書くと、その相手が「王建王」という斉の王様。かつては秦国と並んで強国と畏れられた大国。
ちなみに一見するとビーフジャーキーみたいなんを口にくわえてますが、王建王の口から飛び出てるのはまさかのヘビ。せめてグロテスクな舌であってほしいんですが、何故ヘビを口の中で飼っているかは終始不明。めっちゃ喋りにくくないんかって話ですが、とにかく深くは考えないでください(笑)
主人公・信や桓騎たちが黒羊丘で戦っている間、秦国の最高外交官・蔡沢が王建王と密談していた。しかも秦国の最大の敵である趙国の李牧の姿も、そこにはあった。何故なら、地理的に斉王が秦国にやって来るには途中で趙国を通らなければいけなかったから。
(キングダム 45巻)
じゃあ蔡沢が何故王建王と密談していたのか?この理由は嬴政が中華統一を果たすにあたって斉王・王建王の協力を取り付ける必要があると考えたから。地政学的に斉国の動向は重要。そして蔡沢は王建王を咸陽に連れてきて、嬴政と面と向かってお互いの理念をぶつけ合わせる。
果たして、いかにもクセしかない王建王を嬴政は説き伏せることができるのか?
民を支配するのは王ではなく「法」
嬴政は中華統一を果たすにあたって、これから各国を結果的に滅ぼす必要がある。当然、自分たちの母国が滅ぼされた側は秦国に憎悪を抱く。まさに「見るに耐えぬ汚濁」が待ち構えてるのは火を見るより明らか。
(キングダム 45巻)
「中華統一が汚濁ではないと否定してみせろ」と王建王は嬴政に要求してくる。国が滅ぼされただけではなく、いきなり秦人として生きろと言われても誰がおいそれと納得するのか。それに納得しない人間をチカラで従わせるのか。まさに汚濁の極み。
しかし嬴政は問題はないと一蹴。
(キングダム 45巻)
何故なら、大中華を支配するのは一人の国王ではなく「法律」が支配するから。あくまで嬴政は征服戦争ではなく、新国建国のための戦争にすぎないと主張。つまり嬴政は「平等な法治国家の樹立」を宣言してみせた。
そして斉王・王建王が出した答えは「完全降伏」。もし嬴政が今言い放った理念さえ変わらなかったら斉国は武力で秦国に対抗せず、そのまま中華統一を成し遂げるため取り込まれることを王建王は暗に伝えた。要は、嬴政の外交勝利。血を流さずに6国の中の1国を既に制覇した。まさに蔡沢の成果の賜物と言えましょう。
(キングダム 45巻)
ちなみに蔡沢のお爺ちゃんは嬴政 vs 王建王の戦いを見届けると座ったまま眠るように死亡。さすがに「えぇぇぇ!!今のタイミングでぇぇぇぇ!!」と心の中で思わずツッコミを入れてしまいました。おそらく、この場面は史実ではないと思われます。
中華統一か?七国同盟か?
ただ嬴政が中華統一を成し遂げるには、まだまだ障害が残っている。それが王建王と共に秦国・咸陽にやって来た趙国宰相の李牧。秦国と趙国は仲が悪い。ただ嬴政は王建王と謁見するため、わざわざ李牧との会談を飲む羽目になる。
(キングダム 45巻)
そこで李牧は「中華統一を諦めろ」と要求。そして「七国同盟を結ぶことで中華の恒久平和を実現させよう」という代案を嬴政に突き付けてきた。
言うまでもなく、李牧の案は理にかなってる。秦や趙といった大国七国は「他国との戦争を一切禁ず」という、ただ一点の盟約を守りさえすればいい。もし国境を侵す国があれば、残りの六国でその国を攻め滅ぼす仕組みがあることで、それが楔として戦争の抑止力として働く。他国に干渉さえしなければ文字通り戦争は起きない。
しかしながら嬴政は再び一蹴。何故なら100年後も七国同盟が守られている保証がどこにも存在しないから。あくまで中華という大地を統一するには「一国」でなければいけない。この恒久平和を実現するのは「法律」でしか成し遂げられない。国を人間が統治すれば同盟が破られ再び衝突も起きる。
そして嬴政は「秦国は武力をもって趙国を含む六国全てを攻め滅ぼして中華を統一する!!」と、李牧の前で高らかに宣言してみせた。つまりは実質的な宣戦布告。もはや七国同盟という幻想が木っ端微塵に破壊された瞬間だった。
もちろんそれを聞いた李牧も黙っていない。「今いる秦将軍全員がまとめてかかってきてもこの李牧の相手ではない!最初に滅びるのは秦国であると覚えておけ!」と秦国の兵士たちを喝破。つまり秦国と趙国との後戻りできない全面戦争の火蓋が切られたに等しかった。
(キングダム 45巻)
もちろん現時点ではお互いの事情もあってまだ開戦しないものの、前述の王建王も李牧に対して「秦国が想定しているよりもはるかに強い」と評価。合従軍との戦いではまだ本気を出していなかったことを意味してるのでしょう。
(キングダム 45巻)
また李牧は李牧で、秦国の最強将軍・桓騎の弱点も黒羊丘の戦いで既に見抜いている様子。果たして嬴政(秦国) vs 李牧(趙国)の戦いの結末はいかに!?
キングダム-KINGDOM-45巻の感想総括
この『キングダム』45巻は「嬴政 vs 呂不韋」の対決を再び彷彿とさせる内容でした。アクション以外でも見せる作者・原泰久の底力が垣間見えました。きっと涙しながら描写したに違いありません。
(キングダム 45巻)
『キングダム』46巻では蒼源という弓の達人の息子たちが、新たに信チーム・飛信隊に入隊するクダリから始まります。着々と戦力強化されていってる模様。ヤングジャンプをリアルで読んでないので知りませんが、きっと桓騎軍から抜けた那貴ともども次の戦いでさっそく活躍するのでしょう。
ちなみに【おすすめ考察】キングダムが面白いは既に記事化済みなので、あとで良かったらどうぞ御覧ください。
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