『かもめ☆チャンス』全20巻のネタバレ感想。作者は玉井雪雄。ビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載されてたロードレース漫画。

あらすじ

かもめ☆チャンス1
(1巻)
シングルファーザーの営業マンがひょんなことからロードレース用の自転車にハマって、ツール・ド・フランスまで目指しちゃおうか…みたいな漫画。

かもめ☆チャンス14/空気が硬い
(14巻)
この漫画の大部分が自転車レースで占められてる。その描写自体には迫力があって、見所はあると言えばある。画像は選手に当たってくる空気・風の硬さを表現してる場面。他にも自転車が勢い良く走る「滑走感」もシャッシャッという線の描写で表現されてる。

ストーリーの軸が不明

ただ色んなエピソードを盛り込みすぎてて、全体的には「話の軸」が見えてこない。妻が事故で死亡、その原因が主人公?、娘も小さくやかましいだけで邪魔、営業という仕事は大変、それでもフランスを目指します、etc。そのエピソード自体もストーリー性がなく、例えば妻が死んだのではお涙頂戴の展開が待ってるわけでもなく、その設定には意味自体持たない。

しかも最終的にそのほとんどが目的を達成できずに終わって、回収しきれてない。オチとしては「次世代に全てを託すんだ!」とそれっぽく終わるんですが、「いやまだまだお前若いやん」と主人公にツッコミたくもなるし、次世代と言っても自分の子供は女の子。これが男の子なら10年後20年後も想像できるが的外れもいいとこ。

レースに関しても、いまいち動機や目的が分からないので感情移入しにくい。例えば、高校野球の漫画であれば地方大会の準決勝なら「次は決勝…そしてそこで勝てば全国大会の甲子園!」と想像もつく。でも描写されてるレースの大会が、具体的にどうツール・ド・フランスに繋がってるのか分からない。結局何のために走ってるのか物語性がない。

総合評価

かもめ☆チャンス9巻
(9巻)
全てにおいてどっちらけ。主人公が9巻で「全てを取り戻す」と意気込むんですが、娘を捨ててレースに邁進するかと思いきや、「娘も取る!レースも取る!」というまさかの二足のわらじを選択。結果やはり何も実らず終わるので、読後感は決していいものではない。じゃあ「子供って大好き・素敵」という展開になるのかと思いきや、それもあまりない。むしろ「子供はお荷物」という印象しか与えない。

シングルファーザーに夢や勇気を与えるわけでもなく、子育ての楽しさを教える内容にもなっておらず、最終的に何を描きたかったのかが分からない漫画。

かもめ☆チャンス4/娘のふく
(4巻)
また、この娘が不思議ちゃんで意味不明な内容ばかりを話す。それも若干狙いすぎててキャラクターとして魅力に欠ける。主人公の父親よろしく鬱陶しいとしか思えない。普通の可愛らしい女の子を描いて、それに応援してもらってツール・ド・フランスで初めて日本人が(それもしがない元営業マン)優勝するというシンプルな展開で良かったんじゃないかと思う。

そういうゴチャツキが全体を通しての読みづらさに繋がってる。レースの描写も主人公の主観的なセリフよりも周囲からの解説が多く、描写の割に迫力にも欠けた。





◯展開…★2◯テンポ…★3
◯キャラ…★2.5◯画力…★4
◯全巻大人買い…★2.5
◯おすすめ度…68点!!!!