面白いガチなおすすめ漫画ランキングもかつて作ったこともありますが、面白いと笑えるは若干違います。おすすめギャグ漫画ランキングもいずれ執筆する予定ですが、笑える漫画といえばやはりギャグ漫画。奇抜なキャラクター、奇想天外の展開、勢いのある怒涛のボケが特徴のジャンル。

でもギャグ漫画は頭が空っぽで読めるからこそ、ギャグ漫画家も大して何も考えてないのかなーと読者目線ではつい思ってしまいます。ギャグ漫画家だけじゃなく、ボケ担当のお笑い芸人も具体例こそ出しませんがオツムがパッパラパー…もしくは最低限明るい性格なのかなーと思ってる人も多そう。

ただテレビの中では明るいお笑い芸人も、プライベートの性格はネクラと言われがち。もしくは笑えるギャグ展開とは真逆で糞真面目。実はギャグ漫画家も同じ。

そのことが分かるギャグ漫画家の割りとシビアな名言を今回は取り上げたいと思います。後半にはギャグ漫画制作に役立つ名言もまとめたのでテキトーにチェックしてみて下さい。


つの丸の名言がとりわけ厳しい


今回紹介する名言は赤塚賞の審査員がギャグ漫画家志望のアマチュアに宛てたアドバイスからかいつまんでます。

ということで、まずは昨年の赤塚賞を担当したギャグ漫画家の名言を見たいと思います。最初は『マキバオーシリーズ』のつの丸の名言から紹介。ちなみに最近少年ジャンプで復活した漫☆画太郎が描いたマキバオーも良かったら後で参照して下さい。

つの丸 ジャンプギャグ漫画家の名言
(少年ジャンプ 集英社)
絵には自信があるんだけどストーリー思いつかないからギャグでごまかしといた。みたいなのやめてね。【面白くないけど画力はある】なんてのは評価しませんから。【画力はないけど超面白い】てのは評価するし大歓迎」。

初っぱなからのダメ出し。確かにギャグ漫画にストーリー性や画力は必要ないっちゃない。その点では名言ではあるものの、この全体から漂う高圧感。マキバオーが笑顔なだけに余計に怖い。言ってしまえば漂うインテリヤクザ臭。

そういえば同時期で少年ジャンプで連載してた『幕張』や現在は『喧嘩稼業』の作者・木多康昭がつの丸でディスってたのを思い出したのは自分だけか。この温かいけど厳しくもある名言を見る限りは、確かに結構性格がアレなギャグ漫画家なんだろうなーと。ちなみにギャグ漫画とは関係ないですが、【格闘マンガ】喧嘩稼業の強さ最強ランキングも執筆済みなのでお暇な時にでもどうぞ。

逆にギャグ漫画家・増田こうすけの名言は「既存の作品に似すぎてないかだけ気にしてのびのびと描いていただきたいです。型破りな作品でも、うまくまとまった作品でも面白い作品はあっさり受賞しますし、面白くなくても審査員が何かいいところが無いか目を光らせています」と比較的つの丸と比較すると優しめ。

ギャグ漫画は「唯一無二の個性」が一番重要だと分かる名言。それが絵柄であったり設定であったり、敢えて他のギャグ作品と似せる必要はむしろない。だから「こんなんウケるかな?」とかは深く考えなくていいのかも。

つの丸 ギャグ漫画家 名言 少年ジャンプ41号1
(少年ジャンプ41号 集英社)
たださすがに昨年2016年のコメントはシビア過ぎると感じたのか、今年2017年の赤塚賞のつの丸のコメントは「キミもレジェンドの仲間入りしてみないか?みんなここからスタートしたんだぜ」と差し障りねーーーという内容。もしかすると周りの親しい誰かに注意されたのかも。でもあんだけ手厳しい名言を吐いたギャグ漫画家が急に優しくなったら、逆に恐怖感しか覚えない。


ギャグマンガ家はやたらと高いボールを投げてくるから気を付けろ!


他のギャグ漫画家も意外とシビア。

うすた京介 ギャグ漫画家 名言 少年ジャンプ41号
(少年ジャンプ41号 集英社)
例えば『セクシーコマンドー外伝マサルさん』や『ピューと吹くジャガー』のギャグ漫画家・うすた京介も意外と冷たい。

審査する上で僕がまず見てるのは作品に対する姿勢です。少しでも面白いことを人と違うことをしようとしているのか。そういう作者の姿勢というか気概のようなものは必ず作品から伝わってきます。【コイツ適当に描いてんな】というのがバレないようにせめて頑張ってる姿勢を見せましょう」。

確かにごもっともな名言。ギャグマンガに限らず、手を抜いてる抜いてないということは意外と周りにバレてる。ギャグ漫画は勢いが必要なため、その気概が作品のクオリティにも無意識的に作用しているのかも知れません。

ただそれでも「せめて頑張ってる姿勢」という表現からは、やんやりと見下してる感じがヒシヒシと伝わってきます。中学校の教師がダラしない男子生徒を叱ってるような口ぶり。

ちなみに増田こうすけは「こんなギャグ漫画読んだことないって思うような面白い漫画、インパクトのある漫画に出会いたいです。いつも面白い漫画に出会うことを期待して最終審査に参加させていただいてますが、個人的には佳作か選外か、というところで悩んでばかりな気がします。是非面白いギャグ漫画を描いで応募してみて下さい」と…うん…あれ?先程の名言は優しかった覚えがありますが、色々とハードル上げすぎじゃね?

だから他のギャグ漫画家のコメントには名言も多いものの、やたらと高いボールをアマチュアの新人に要求してくる。もはや、そんなボール取れねーよレベルの高さ。

大石浩二 ジャンプギャグ漫画家の名言 ハードル高い
(少年ジャンプ 集英社)
例えば『いぬまるだしっ』の大石浩二だと「実際の芸人に負けない、ありえない、面白いやつが見たいです」と、それこそギャグ漫画家なら笑いのハードルを上げるのはタブーだろと言いたくなるぐらいハッキリと「面白いもの」を要求してますからね。それで笑いが取れたらまさに天才ギャグ漫画家でしょう。

麻生周一 ギャグ漫画家 名言 少年ジャンプ41号1
(少年ジャンプ41号 集英社)
そこで麻生周一の赤塚賞のコメントを読むと「今ギャグ漫画界は結構ピンチです。多分ストーリー漫画より年々描く人が減ってるんじゃないかと感じてます」って、そらでしょうね!としか言いようがないぐらいギャグ漫画家たちの新人潰しとも思える名言の数々でした。

実際ギャグ漫画家は掲載されるページ数が少ないため、その分だけ原稿料が少ない。当然コミックの発行ペースも遅いため、経済的には他の漫画家よりもギャグはとりわけ厳しいという、いかんともしがたい圧倒的な現実が最大の要因だと思いますが…。


心にしみるかも知れない結構役立つギャグマンガ家の名言


とここで終わってもギャグ漫画家の地位や名誉を更に押し下げるだけですので、ここからは一応役立つ名言の数々を紹介したいと思います。

大石浩二 ジャンプギャグ漫画家の名言 ハードル高い
(少年ジャンプ 集英社)
まずは『いぬまるだしっ』のギャグ漫画家・大石浩二から。

先程のハードルを上げまくりのコメントからですが、「最近の投稿作には、漫画ならではの笑いが少なく感じます。面白いですが、芸人さんが言うようなギャグが多い。漫画の強みは芸人自体を作れるところ」とよく読めば名言が散りばめられています。

確かにおっしゃる通りの名言。いくら面白い台本を作れたとしても、それを演じる漫才師が結局全ての笑いを握ってる。例えば中川家の漫才を同じシロートがやったからといって、おそらく同じように受けるのは難しい。それはギャグ漫画でも同じ。つまりギャグ漫画はキャラクター(主人公)がとりわけ重要

大石浩二 ギャグ漫画家 役立つ名言 少年ジャンプ41号
(少年ジャンプ41号 集英社)
続いても同じくギャグ漫画家・大石浩二からの名言。

才能ではなく努力で身につく基礎的なテクニックは確かに存在します。ベタをやらなくてもいいですが、古典的な笑いの中にある笑いの成分や構成を知っておくことは非常に大事」。

他のギャグ漫画家も含めて、「ギャグ漫画は姿勢や気概がまずは大事」「画力はなくても大丈夫」と言ってみたり、おそらく大半の赤塚賞応募者は混乱するだけだと思いますが、笑いやギャグ漫画にもセオリーは存在する。少なくともセンスがなく受賞せずにくすぶっている応募者は、既存のギャグ漫画を分析するなりして「基礎」を身に付けるだけでも意味がある…という名言。


元祖ギャグ漫画家・小林よしのりの名言


最後は少年ジャンプで連載デビューしたギャグ漫画家(今現在の肩書はいまいち不明)の小林よしのりの名言で終わりたいと思います。割りと色んな方面からツッコミがありそうな人ではありますが、ギャグ漫画家としての小林よしのりの名言が意外に深かった件。ギャグに限らず、漫画制作に全般に役立つはず。

現在小林よしのりはFLASH(光文社)で「よしりん辻説法」という漫画を連載中。小林よしのりが現在開催中の少年ジャンプ展に足を運び、『こち亀』の秋本治などと再会した回から名言を一部拝借したいと思います。

ギャグ漫画家 小林よしのり 名言 FLASH9月26日号4
(FLASH9月26日号)
まずは新人漫画家に対する名言。小林よしのりは当初絵が日本一ヘタと言われていたものの、それでもがむしゃらにギャグ漫画を描き続けた。そういった自分の過去を振り返って述懐して出たセリフが名言。

大事なのは新人の活気である。パンチ力である。破天荒さである。それが少年たちの心をつかんだのだ」と、まさに新人漫画家に必要な心得が分かる名言。新人やアマチュアは絵がヘタで当然。でも連載していけば自然と画力は上がっていく。

じゃあ画力がなくても新人だからこそ勝負できる。それが心意気であったり、ヤル気であったり、闘争心であったり。ギャグ漫画で言うなら、前述の名言も合わせると恥ずかしがってやられてもサブいだけ。そういう意味では「無意味な自信」をもってた方が面白いギャグ漫画を描けるのかも知れない。

ギャグ漫画家 小林よしのり 名言 FLASH9月26日号8
(FLASH9月26日号)
続いては「子供はヘタでもグロテスクでも【美しい絵】が分かる」。厳密には「美しいとキレイとは違う」という岡本太郎の名言を引用してるものの、最近の漫画…少年ジャンプの絵柄の良し悪しについて語ってる名言。要するに絵柄の美しさありきになってないか…という指摘。

確かに絵柄がイマイチでも人気マンガ作品は多い。少年ジャンプが取り逃がした『進撃の巨人』を筆頭に、少年ジャンプだと『鬼滅の刃』は絵柄こそクセがあるものの内容は面白い。漫画に重要な部分はそんな表面的な部分ではないという名言。

ちなみに【考察】進撃の巨人が面白い【考察】鬼滅の刃が面白い【考察】暗殺教室が面白い【全巻まとめレビュー】といった記事もあとで良かったら御覧ください。

ギャグ漫画家 小林よしのり 名言 FLASH9月26日号9
(FLASH9月26日号)
最後の小林よしのりの名言は本質をついた震える名言。

ギャグだろうとストーリー漫画だろうと、基本は【キャラ立ち】なんだよね。キャラが立っていないとストーリーだけになるから、途中から読者が入ってこれない」。

まさに言い得て妙。連載漫画の場合は致し方ない部分が強いものの、それでも先週先々週の話しを読んでないと今の展開が理解できない or 面白くないのは致命的。もちろんストーリーこそが面白さの根源ではあるのかも知れませんが、ストーリーを展開させるのはキャラクター。逆にキャラさえ立っていたら、ストーリーの途中からでも新規の読者が参加(獲得)できる。

つまり今回の記事に翻って考えるとギャグ漫画は一話完結が多く、またキャラ立ちの権化とも言えるジャンルのはずなので、本来であれば一見さんの読者をガッツリつかめてるはず。そういう点で現役のギャグマンガ家も含めて、業界では不作気味なのでしょう。

以上、ギャグ漫画家の割りとシビアな名言一覧でした。後半の名言は役立つ内容も多いので、マンガ制作に活かして下さい。表現こそ違えど、どのギャグ漫画家も大体似たようなアドバイスをしていた気がします。いずれ【マンガ制作】読み切りマンガの作り方【マンガ制作】目の描き方なども執筆したいと思います。

ちなみにおすすめ漫画ブログ「ドル漫」では少年ジャンプ漫画家たちの名言一覧もまとめてるので良かったら御覧ください。他にもジャンプ系の名言記事には【ファンタジー漫画】ブロッククローバーの熱い名言集まとめ【バトル漫画】BLEACH(ブリーチ)の名言集まとめ【ヒーロー漫画】ワンパンマンの名言集一覧もまとめてます。