『デモンズプラン』1話のネタバレ感想。作者は岡本喜道。少年ジャンプ51号から開始した新連載漫画。打ち切りコースに入るかどうかも含めて簡単に考察してみました。


あらすじ物語 ストーリー内容

デモンズプラン1話 カルロスとボロ
(デモンズプラン 1話)
主人公はボロ(左)とカルロス(右)。港町ダンピングタウンで生まれ育った二人は幼馴染。一部の人間だけが富める貧富の格差が激しい街だったが、二人はいちるの希望を抱いて生きていた。

デモンズプラン1話1
(デモンズプラン 1話)
何故なら十年前に「デモンズプラン(悪魔の設計図)」と呼ばれる箱が魅せた奇跡を覚えていたから。その奇跡とは、一歩も歩けない少年の足を根治させるというもの。ある金持ちが持つ「デモンズプラン」は誰でも試せるわけではなく、100万を渡せば挑戦することができた。そこで二人は10年かけて大金を集めた。

ある日、ボロとカルロスは窃盗罪の疑いをかけられてしまう。二人が10年かけて集めた大金はデモンズプランを所有する金持ちから盗んだというのだ。もちろん二人は無実。しかしカルロスがボロの身代わりとなって逮捕される。

デモンズプラン1話3ニセモノ
(デモンズプラン 1話)
しかも実はデモンズプランは存在しなかった。金持ちが「夢見た馬鹿」から効率良く大金を集めるためについたウソだった。要は壮絶なマッチポンプ。そしてカルロスは怒り狂う中、死刑執行のときが訪れようとしていた。

デモンズプラン1話4本物の悪魔の設計図
(デモンズプラン 1話)
それを聞きつけたボロが慌てて駆けつけると、そこにはカルロスとナゾの男・バトロンの姿があった。そして金持ちと警察の亡骸。このバトロンが「本物のデモンズプラン」を所有しており、カルロスは欲望を糧に悪魔に設計されていた。

つまりデモンズプランとは「悪魔の能力を得る」ことができるというものだった。カルロスはそれに選ばれたことで「血霧翼」という能力を得た。カルロスは「どんなに種を植えても土が腐っていれば花は咲かない。俺は世界を牛耳るクズを葬る。一緒に行こう」とボロを誘う。カルロスの夢は幼馴染のボロを幸せにすること。そのためだけに今まで生きてきた。

デモンズプラン1話5
(デモンズプラン 1話)
しかしボロは「俺が願ったのは俺たちが笑っているハッピーエンドだ」と断る。悪魔の能力を持つカルロスにボコボコにされるものの、ボロはそれでもひるまない。

デモンズプラン1話6
(デモンズプラン 1話)
そしてボロも「選ばれし者」として悪魔の能力を得る。その名も守護欲を満たす「赤鎧(あかがね)」。自らの血液を固まらせるというもの。この能力を使いカルロスをぶっ飛ばすものの、そのままナゾの男・バトロンにカルロスは連れ去られてしまう。

果たしてボロの運命は?カルロスの運命は?デモンズプランとは一体何なのか?…という内容のストーリー。


デモンズプランの良いところ

まず『デモンズプラン』の良いところを挙げておくと、見せゴマの迫力にあります。

デモンズプラン1話 カルロス
(デモンズプラン 1話)
例えばカルロスが悪徳刑事に立ち向かってる場面ですが、割りと迫力がある。他にもボロがカルロスを終盤で見開きページいっぱいにぶっ飛ばす場面も良かった。構図も上手い印象です。

あらすじを読んでも分かるように、きっと能力バトル系の展開に走ると考えられるので、こういった見せゴマを増やすことができれば長期連載も可能か。少なくともすぐ打ち切りにされる可能性は低いか。


情報の伝え方が下手くそ

改めて説明しておくと、デモンズプランとは悪魔に改造されて能力者に変身するというもの。ただ「デモンズプラン」って結局何なん?って話。

あくどい金持ちが「デモンズプランはニセモノでした」とネタバラシしつつ、いきなりバトロンという男が登場して「やっぱり本物だよ(てへぺろ」と唐突に真逆の展開が始まる。そこに何の説明もないので思わず「は?」。本物があるという前提でニセモノを描かなきゃいけない。それができてない。

一体どういった世界観なのか、世界の人にとってデモンズプランはどういう位置付けなのか。そもそもデモンズプランはおとぎ話的な存在で知ってるけど実は誰も信じてないとか、そういうことも含めて根本的にアイデアが固まってないのか知りませんが全部曖昧。設定がフワッとしてて、なおかつ説明もフワッとしてる。

もう展開に脈絡がないので正直付いていけない。次の展開に繋げるための前フリが一切ない。何故バトロンが登場したのか?どうやって牢屋にいるカルロスを見つけたのか?バトロンもどういう立場なん?バトロンはデモンズプランにとっての何?所有者なの?開発者なの?

最終的にカルロスを連れ去った意味も分からない。そもそも何キッカケでどういう経緯で、主人公たちの能力が発動したのかもチンプンカンプン。言いたいことを詰め込みすぎてる割に説明を端折りすぎてて、何も伝わってこない。

個人的にW主人公は作者が扱いきれないので一番失敗するパターンだと思ってますが、しかも初っ端から主人公のボロもカルロスも一度も紹介がない。普通は吹き出しでバンと説明しなきゃいけない。「流れ上、何となくこういう名前なんかな…」と分かる程度。さすがに話にならない。

コマ割りの使い方も下手くそ。情報の重要度によってコマ割りの大きさは異なる。要所要所で「どのコマを大きく見せたらいいか」が分かってない。先程は構図が上手いと書きましたが、おそらくどっかの漫画を参考にしてる節がありそう。

とにかく情報の伝え方が全般的に下手くそ。


総合評価 評判 口コミ

『デモンズプラン』が打ち切りになるかどうかですが、微妙。確かに見せゴマは上手い。バトル漫画としては期待させてくれる。でも「漫画を書く」という点ではどうしようもなく未熟

主人公のボロとカルロスのドラマを描きたいのは分かるものの、その5割6割も描けてない。もしそこをストーリーとして重点的に描きたいのであれば、冒頭はまず二人の過去シーンから入る必要があった。そうすることで1話のラストで二人が別れるシーンが効果的に生きてくる。

まさに「出会いと別れ」という見事なコントラストが一話の中で体現できる。途中から過去話を始めたって、読者は何一つとして興味を抱いてないキャラの過去にそれこそ興味はない。でも一番初めの冒頭にさえ描いてれば「何か意味がありそう」と読者は考えてくれる。逆に冒頭も冒頭で描く以外に余地はない。

本当に作者が表現したい部分のチョイスが全部絶妙に噛み合ってない。結局ストーリーの軸も見えない。ストーリーのゴールはどこなのかも不明。バトロンは敵なのか味方なのか。バトロンを倒した所で何が発生するのか。「デモンズプランで能力を開花させる」ということであれば、既に達成済み。

ボロがカルロスを助けに行くとしても、あらすじで説明したように性格が最低。しかも強力な能力者に開眼しちゃってるわけですから、ピーチ姫のようなか弱い女の子でもないので盛り上がりには欠けるでしょう。うーん。

ただもっと設定やストーリーをシンプルかつシンプルに仕上げて、もっと絵やコマ割りを見やすいように心がけて、見せゴマが生きるバトル描写を増やすことができれば活路(打ち切り回避)は見出だせるかも知れない。