『弱虫ペダル』42巻のネタバレ感想。作者は渡辺航。少年チャンピオン(秋田書店)で連載中の自転車マンガ。

体力がなさすぎる鏑木くん

インターハイが開幕して一日目は、総北高校は箱根学園に惜敗。この42巻では二日目が始まります。41巻では箱根学園の新開・弟が主人公・坂道に絡んできましたが、アダ名のアピール合戦をしただけで終了。新開・弟のアダ名は「ピークホーネット」らしい。

とりあえず今回の主役は、総北高校の一年生・鏑木一差。

二日目のレースは、一日目のレースの順位で出発する順番が決まる。総北高校は箱根学園とほぼ同じタイミングでスタートする。総北高校は引き離される一方だったんですが、箱根学園は指揮系統を司る黒田は一日目のゴールが遅かったためペースダウン。

その間に先行できるチャンスに張り切る主将・手嶋。斜度のある坂道をグイグイと隊列を組んで登っていく。そして先頭を走ってる今泉と鳴子に追いつこうと、更にペースを上げる。

弱虫ペダル42巻 鏑木一差
(42巻)
その結果、鏑木一差が迷子になるwwwイッツァ ソウホク イリュージョン!www

いつも鏑木一差は余裕ぶってただけに、これはショボい。さすがに鏑木が千切れるのが早すぎる。最終的にはペースを落として黒田を待ってた箱根学園にすら追い抜かれる。

総北高校の主将・手嶋は「古賀が言っていた、インターハイで【一年が一人】てのは何かと背負い込む」と擁護。でもメンバーに鏑木を選んだん、お前ちゃうんか、って感じですが。

昨年のインターハイでは主人公・小野田坂道が先輩・田所を連れ戻すために、一気に逆走して再び先頭集団まで戻ってきたクダリが熱かった。今回も小野田坂道が逆走して鏑木一差を連れて来ようとする。
弱虫ペダル42巻 ゼッケン1の重み2
(42巻)
でも手嶋が「ゼッケン1がチームに先頭にいないのはあり得ない」と一喝。ゼッケンは前年度のインターハイの順位がそのまま番号になる。小野田坂道のゼッケンが1ということは、昨年度の優勝者みたいなもん。前回と今回とでは状況が違うってこと。

青八木の男気

弱虫ペダル42巻 青八木
(42巻)
そこで代わりに鏑木を救おうと動いたのが、副主将の青八木。「後ろにバカを一人忘れてきた」とカッコいいセリフをバン。

弱虫ペダル42巻 古賀
(42巻)
そして古賀も鏑木の背中を押してバックアップ。ロードレースのルール的には、短時間の一瞬であれば一応問題ないらしい。古賀は一年生の時にメンバーとして選出されるほど才能に溢れてたものの、ヤル気が空回りした結果、大ケガを負った過去がある。

この古賀の助けもあって、青八木は鏑木一差を再び先頭集団まで引き上げていくんですが、青八木は無口で格下に見られてるせいか、鏑木に状況があまり伝わってない。わざわざ青八木が助けに来てやったのに、鏑木一差は自分と同じように青八木が千切れて後方まで遅れたと思ってる。

弱虫ペダル42巻 鏑木一差2
(42巻)
だから、そこで鏑木一差が逆に青八木を引っ張っていくことに。思わず青八木は「逆だよ逆!」と心の中でツッコミ。でも鏑木は味方選手を引いて走ることで、むしろペースが安定してアップ。自分が味方を追従していくよりも、味方を先導・先行することで活きるタイプだった。今後、鏑木一差が先頭集団でレースを引っ張っていくような展開へ?

弱虫ペダル42巻 ヒメナノダの歌
(42巻)
そして青八木は鏑木一差に「ヒメなのだ」の歌詞を渡して、更にペースアップ?的なフリがあって43巻へ。ちなみに「ヒメなのだ」は主人公・小野田坂道が大好きなアニソンで、これをみんなで歌うことで前年度のインターハイ優勝に大きく貢献した。

総合評価

今までモブキャラ以下としか認識してませんでしたが、鏑木一差や青八木というキャラクターの輪郭がようやくおぼろげに見えてきたかも。Amazonでは酷評気味でしたが、古賀もこの瞬間のためにメンバーから落選させたんでしょう。

既にメンバーとして鏑木などを選出してしまった以上、もう今さら後戻りはできませんが、弱々しいヘタレキャラクターの戦い方としては案外王道的に描写できてました。「総北高校が現王者」ということを記憶から抹消すれば、それなりに読めます。しかし今泉の空気っぷりが相変わらず気になりますが(笑)

『弱虫ペダル』43巻は来年1月8日発売になります。