『君の名は。』1巻2巻のネタバレ感想をレビュー。作者は新海誠(原作)、琴音らんまる(漫画)。掲載誌はコミックアライブ。出版社は角川書店。ジャンルは少年コミックのSF恋愛漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

アニメ映画『君の名は。』の興行収入はまさかの200億円を超える大ヒット。そこに便乗するといえば聞こえが悪いですが、既にコミカライズもされています。レビュー時点では全巻が発売されてませんが、そこで漫画版の『君の名は。』が面白いのか考察してみました。


「君の名は」のあらすじ登場人物 ストーリー内容

舞台は日本の田舎街の糸森。時期は1000年ぶりぐらいの大量に彗星が降り注ぐ1ヶ月ほど前。

主人公はその糸森に住む女子高生の宮水三葉(みつは)。スマホの電波ぐらいは通ってるものの、電車は二時間に一本しか来ない故郷に嫌気を指していた。そして親が町長であり、また代々続く宮水神社の跡取り娘として当たり前のように神事の執り行うなど、三葉は様々な田舎のしがらみに縛られていた。

君の名は。1巻 三葉 あらすじ1
(君の名は。 1巻)
だから三葉は都会へ憧れを持っていた。いや正確には大都会・東京にしがらみがなく、自由に暮らしている男の子に「憧れ」や「うらやましさ」を漠然と抱いていた。三葉は友達と一緒に昼ごはんを食べていると唐突に「生まれ変わったら男の子になりたい」とポツリと口に出してしまうほど。

当然誰も相手にしなかったが、せめて夢の中だけでも三葉は自由に都会で生きたいと願った。

君の名は。1巻 三葉 あらすじ2
(君の名は。 1巻)
そしてある日、その三葉の願いは叶う。東京に住む瀧(たき)という男子高校生の体と入れ替わってしまう。思わず股間をムギュ~。いや誰得やねん。

君の名は。1巻 三葉 あらすじ3
(君の名は。 1巻)
最初は戸惑う三葉だったが、周りにあるのは自分が常々憧れていたものばかり。心躍る三葉はこの入れ替わりを存分に楽しんだ。果たしてコレは夢か現実なのか。三葉が起きると再び自分の体に戻っていた。

君の名は。1巻 三葉 あらすじ4
(君の名は。 1巻)
しかし自分の腕には「お前は何なんだ」の文字。体の入れ替わりは夢ではなく、明らかな現実だった。当然、この文字を書いたのは三葉に入れ替わった瀧。最初は瀧も当惑したものの、この入れ替わりが頻繁に繰り返されることで徐々に現実を受け入れていく二人。

そして三葉と瀧はお互いスマートフォンやノートに「今日一日は何があったか」をメモすることで、奇妙な交換日記が始まる。果たして三葉と瀧が入れ替わったことになにか意味があるのか、果たして二人が出会うことがあるのか、といった内容のストーリー。


単に三葉と瀧が入れ替わるわけじゃない

『君の名は。』のあらすじやCMの告知だけ読むと、単に田舎の少女と都会の少年の体が入れ替わっただけにしか思えないんですが、実はそれだけじゃない。もし単にそれだけの仕掛けだったら、あそこまでアニメ映画がヒットしてるわけがない。

『君の名は。』のストーリーをもう少しネタバレしておくと、二人は徐々に惹かれ合う。瀧はバイト先の女先輩が最初は好きだったものの、会ったことがないからこそ三葉への想いを膨らませる。そこである日、瀧はスマホで三葉に連絡を取ろうとする。三葉は入れ替わりの過程で自分の連絡先を瀧のスマホに入力してた。

君の名は。2巻 電波が届かない
(君の名は。 2巻)
ただ何故か何度連絡しようとしても「おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか…」と一向につながらない。最初は三葉が住む糸森が田舎すぎるからかと気に留めていなかったが、明らかに不自然。漫画版だとあっさり処理されてますが、きっとアニメ映画版だともう少し丁寧にネタフリされてるはず。

そして、ある時を境に二人の入れ替わりが起きなくなる。

君の名は。1巻 三葉 彗星 布石
(君の名は。 1巻)
その「ある境」とはあらすじでも説明した「大量の彗星」が降り注ぐ直前。もう少し具体的にネタバレすると、三葉が「いま瀧くんもこの同じ空を一緒に見てるのかな」と告げた直後あたりから、何故か体の入れ替わりが起きなくなる。これが『君の名は』のストーリーの大きな伏線・布石になってる。

君の名は。2巻 糸森町
(君の名は。 2巻)
何故なら瀧が糸森へ足を運ぶと彗星が降り注いで衝突した結果、糸森は完全に消滅してた。だから同じ時代に体が入れ替わっていたわけではなく、実は時間軸も絶妙にズレてた。なるほど、この仕掛けは面白い。ありそうでなかった。

もちろん『君の名は』のストーリーはここで終わらない。

君の名は。2巻 口噛み酒でもとに戻る
(君の名は。 2巻)
体の入れ替わりができなくなったものの、瀧は宮水神社に自らが奉納した口噛み酒を飲み干すことで再び三葉の体に入れ替わる。そして三葉たちを救うために瀧は動く。「好きな女の子を助けるために動く」という王道的な展開につい引き込まれる。

ちなみに漫画版『君の名は。』はレビューしてる時点で3巻以降は発売されてない。だから「えぇめっちゃ続き気になるやん」っていう物語の佳境で終わってくれてる。これだとアニメ映画版の『君の名は。』を観に行かざるを得ないじゃないか。角川春樹はなんという商売上手。


「君の名は。」の総合評価 評判 口コミ


『君の名は。』の漫画版は意外と面白かった。色んな評論家がゴチャゴチャ言ってますが、少なくともアニメ映画が人気が出たのもうなずけます

自分はこれまで監督・新海誠の作品は漫画でしか読んだことがなく、『秒速5センチメートル』などは大して面白くなかったので正直期待してませんでしたが、『君の名は。』は展開に山場がしっかりあってストーリーの軸もハッキリしてて読みやすかった。キャラも高校生ということで幅広い年齢層に受け入れられやすそう。

設定の仕掛けも意表を突いていて、王道要素にしっかり自分オリジナルの味付けもできて良かった。また伏線の張り方も自然でさり気ない。例えば、三葉が「来世で東京のイケメン男子にしてくださーい」と絶叫した場面がまさにそれ。

何故なら「来世」が訪れるためには、当然「一度は死ぬ」必要がある。だから瀧と入れ替わってる時点で既に「三葉の死」が強烈に描写されてしてしまってたわけです。この仕掛けが明らかになった瞬間は前述のように「おぉ!」ってなった。

漫画版の『君の名は。』を強いて批判するとしたら、アニメ映画版ほど描き込みはすごくないこと。もちろん及第点は余裕で満たせてるとは思いますが、話題になったアニメ版の映像のキレイさと比較すると見劣り感は否めないでしょう。絵重視の読者にはそこまでおすすめしません。

ただ、それでも思わずアニメ映画版の『君の名は。』を観たくなるぐらい面白かった。もしアニメ映画を何度も観たことがあるリピーターでも、しっかり満足できるクオリティーのはず。漫画版の『君の名は。』を読めば再び記憶がオーバーラップしてくること間違い無し。全3巻でおそらく完結するはずなので、サクッと楽しめる点でもおすすめか。