最近、「WiMAX 2+」と呼ばれるインターネットサービスと契約しました。具体的にはBroad WiMAXと呼ばれるプロバイダー。興味がある方は「WiMAX2+の感想と評価」もご参照。

このWiMAX2+は下り回線速度が最大440Mbpsに対応してるのが売り。フレッツ光といった固定回線サービスだと下り回線速度が最大1Gbpsですから、WiMAX2+の回線速度は約半分程度とはいえ、それでも必要十分すぎる回線速度と言えましょう。ただあくまでその速度は理論値であり、最大値にすぎません。

そこで今回はWiMAX2+の回線速度が実際にどの程度までスピードが出るのか測定してみました。いわゆる実効速度の計測。特に自分が契約したルーターは「Speed Wi-Fi HOME L01」と呼ばれる、持ち運びはできないホームルーターだけあって期待も膨らみます。

ちなみに計測地点は某奈良県。ビバ田んぼ。電波の状況は基本的に4つの状態を維持し、たまに3に入る状況。若干不安定と言えば不安定。やはり無線通信だけあって立地条件や周囲の状況によって回線速度が左右されるので、基本的には以下の速度データーは「参考程度」にとどめてください。

今回WiMAX2+の回線速度を計測させていただいたサイトはUSEN(http://www.usen.com/speedtest02/)、BNR(http://www.musen-lan.com/speed/)、速度.jp(http://zx.sokudo.jp/)とookla(http://www.speedtest.net/)というスピード測定アプリの4つになります。



WiMAX2+は昼間と比べて夜間のスピードが遅くなるか?


まず昼間と夜間で速度に違いは出るのか検証したいと思います。

WiMAX2+はスマートフォンと同様に通信容量制限がされており、3日間10GBを超えると夜間の通信速度が1Mbpsまで絞られる。WiMAXに限らずだと思いますが、それだけ夜間にインターネットを楽しむ方が多い。

4Ghz
(usenによる計測のWiMAX2+の回線速度)
そこでまずusenで実験した回線速度を確認すると、コチラ。左が昼間12時前後に計測した速度、右が夜間10時前後に計測した速度になります。昼間のWiMAX2+の回線速度が約11Mbpsに対して、夜間のWiMAX2+の回線速度は約5.5Mbps。この結果だけ見る限り、やはり夜間の回線速度が落ちる?

ただ今の場合はWi-Fiの2.4Ghz同士による比較。無線通信(Wi-Fi)には5Ghzタイプのものも存在し、こちらは混線しづらいので速度も期待できるとか。

usen WiMAX2+回線速度 昼と夜 5Ghz
(usenによる計測のWiMAX2+の回線速度)
そこで5GhzタイプのWi-Fi同士で比較するとコチラ。やはり左が昼間12時前後に計測した速度、右が夜間10時前後に計測した速度になります。昼間のWiMAX2+の回線速度が約5.5Mbpsに対して、夜間のWiMAX2+の回線速度は約8.1Mbps。つまり結果はまさかの逆転。むしろ昼間の方が回線速度が速くなるという結果。

だからこの結果から読み取れるのは、基本的に昼間であろうと夜間であろうとWiMAX2+の回線速度は大きな違いは出ないことが分かります。WiMAX2+は無線インターネットだけあって、あくまでタイミングや電波の状況によって回線速度に違いが出ただけと推察されます。


Wi-Fiの規格の違いによって回線速度も遅くなる?


そこで続いてはWi-Fiの無線通信の規格の違いで回線スピードに違いが出るのか計測してみました。

4Ghzと5Ghz
(BNRによる計測のWiMAX2+の回線速度)
時間帯はほぼ同時刻(夜間10時前後)で比較してみた結果がコチラ。左が2.4Ghz、右が5Ghzで計測したWiMAX2+の回線速度になります。

画像は少し見づらいですが、Wi-Fi(2.4Ghz)のWiMAX2+の回線速度が約7.0Mbpsに対して、Wi-Fi(5.0Ghz)のWiMAX2+の回線速度は11.2Mbps。5Ghzは混線しづらいだけあってか、確かに回線速度は2.4Ghzよりも速度が高速らしい。

4Ghzと5Ghz
(速度jpによる計測のWiMAX2+の回線速度)
ただ今度は時間帯を昼の12時に別のスピード測定サイトで計測した結果がコチラ。上が2.4Ghz、下が5Ghzで計測したWiMAX2+の回線速度になります。

Wi-Fi(2.4Ghz)のWiMAX2+の回線速度が約24.3Mbsに対して、Wi-Fi(5.0Ghz)のWiMAX2+の回線速度は約20.1Mbs。まさかの再びの大逆転。今度は2.4Ghzによる通信の方がWiMAX2+の回線速度が速いという結果。

だからWi-Fi接続に関しても、やはり無線通信の規格の違いによってWiMAX2+の回線速度に違いが出ることはなさそうです。やはりWiMAX2+は無線インターネットだけあって、良くも悪くも通信が安定してない。そのことが回線速度に違いをもたらしてるだけ。


有線LAN接続とWi-Fi接続で速度に違いは出るか?


続いては有線LANのよる通信とWi-Fiによる通信とでは、WiMAX2+の回線スピードに違いが出てくるのか実験してみました。

エレコムLANケーブル カテゴリー6
今回使用した有線LANケーブルはエレコムのカテゴリー6に準拠したクソ長いケーブルになります。匂いがめっちゃ臭いのは内緒。

BNR WiMAX2+ 回線速度 夜 5Ghz LANケーブル
(BNR WiMAX2+の回線速度)
時間帯は夜の22時に計測した回線速度の違いがコチラ。左が5GhzのWi-Fi接続、右が有線LANケーブルで計測したスピードになります。Wi-Fi(5.0Ghz)のWiMAX2+の回線速度は約11.3Mbpsに対して、有線LANによるWiMAX2+の回線速度は約7.2Mbps。つまり結論としては有線LANケーブの方が通信速度が遅いという結果。

でも、やはり結果はたまたま。他のスピード測定サイトで計測した場合だと、基本的にどっちも回線速度に大きな違いはありませんでした。やはりWiMAX2+は無線インターネット故にただ回線速度が安定しないだけ。

あくまでパソコンから離して端末ルーターを置かざるを得ず、Wi-Fiの無線が届きづらい場合など以外は特に有線LANにこだわる必要はないでしょう。Wi-Fiは想像以上に有能らしい。

ただ強いて言えば、有線LANケーブルで通信した方が上りの回線速度は安定して速いです。だからWiMAX2+は本格的なネットゲームで遊ぶのは厳しいと思いますが、それでも有線LANで接続すれば多少望みは増えるかも知れない。

4Ghzと5Ghz
(速度jpによる計測のWiMAX2+の回線速度)
ちなみに「Speed Wi-Fi HOME L01」に付属されていたケーブルと、自分が所有していたケーブルの比較がコチラ。上が自分が所有していたケーブルの回線速度、下が付属ケーブルの回線速度になります。

付属ケーブルはわずか1.5メートルの長さしかないものの、何故か自分が所有していたLANケーブルの方が回線速度が遅いという結果。下りの速度も上りの速度も完敗。もしかするとLANケーブルの差によって回線速度に違いは出てくるのかも。


スマートフォンだとWiMAX2+は異様に速くなるwww


ということで以上、パソコンによるWiMAX2+の回線速度を見てきました。スピード測定サイトの精度にはいちいちツッコミを入れませんが、おおよそWiMAX2+の実効速度としては最大で3~5MBs(40Mbps台)程度に落ち着くと思われます。平均の実効速度だともう少し落ちます。

でもWiMAX2+のスピードは最大440Mbps(55MBs)が出るという触れ込みでしたから、それを考えると正直物足りないのは否めません。「インターネットはスマホテザリングだけで生きていける?」という検証記事も書きましたが、WiMAX2+の回線速度はスマホテザリングのスピードより若干速い程度。本音を言えば、一秒あたり10MB程度のデータぐらいはダウンロードしたい。

特にホームルーターの割に「Speed Wi-Fi HOME L01」の性能は期待外れ。別に本体が大きい+ACバッテリーで使うからと言って、別に持ち歩けるバッテリー式のルーター機器と性能的に大きな違いはありませんでした。むしろ全く同じと言っても良く、L01は持ち歩きできないだけ不便さが勝つ。

ただ今まで披露したのはパソコンによるインターネット速度。そこで今度はスマートフォン(ソニーのXperiaXZ)を使ってWiMAX2+の回線速度を計測してみました。そうするとかなり驚くべき結果になりました。

WiMAX2+ LTE 回線速度の違い
(ooklaによるWiMAX2+の回線速度)
結論から書くと、DoCoMoのLTE回線速度と比較すると、WiMAX2+は顕著に違いが体感できるほどスピードが速くなる。上がDoCoMoの4G+LTEの回線速度に対して、下がWiMAX2+をWi-Fi接続で繋いだときの回線速度。

具体的にはDoCoMoの4G+のLTEの回線速度が約12Mbpsに対して、WiMAX2+の回線速度は約89Mbps。ここまで回線速度が速くなれば、ちょうど一秒あたり10MB程度のデータがダウンロードできるようになる計算。アップロード速度こそ大差ありませんが、それでもWiMAX2+の回線速度はかなり優秀な部類に入るはず。

自分のXperiaXZが優秀なのか、ヒューレットパッカードのPavillion600のスペックがウンコすぎるのかは定かではありませんが、機器本体の違いによってWiMAX2+の回線速度に違いが出てくるのかも。もちろんWi-Fiの感度はどちらもマックス状態。


WiMAX2+の実効回線速度・スピードまとめ


以上、WiMAX2+の回線速度・スピードに関する記事でした。

WiMAX2+の回線速度は今の時代は特に速いこともありませんが、それでもパソコンで使用する場合でも基本的に全然問題なくWiMAX2+は使えます。一秒数MB単位のデータをダウンロードできたら、動画サイトは問題なく閲覧できるでしょう。またどういった方法で接続しても大して速度に違いは出ないので、良くも悪くもWiMAX2+は安定してると言えば安定してるか。

とはいえ、「WiMAX2+ vs 光ファイバー」も比較しましたが、やはり家メインで使う場合は正直WiMAX2+の速度は物足りないと思います。自分はこの程度の回線速度でも十分ですが、最新のネットゲームで遊んだりする場合はフレッツ光といった光ファイバーにしっかり加入しましょう。

でもスマートフォンと接続するとWiMAX2+は異様に速くなるのは驚いた。それを考えたら、やっぱりWiMAX2+は基本的に持ち歩いて使うサービスなのかも知れない。昼間は全く速度制限に引っかからないことを考えると、大学生からエリートサラリーマンまで幅広い世代にとってWiMAX2+は有用だと言えます。

ちなみに結構インターネットをガンガンやってると、「Speed Wi-Fi HOME L01」の本体が割りと熱くなります。高速通信に対応した結果、ルーター機器の処理も増えたことが影響。だから「Speed Wi-Fi NEXT W04」といった持ち歩きするタイプのルーターだと熱くなるだけではなく、特にバッテリー容量の減り方はエグいかも知れません。

WiMAX2+は今の時代だからこそ有用だと思いますが、そこら辺は注意しながら使いたい所。