『若林くんが寝かせてくれない』1巻2巻のネタバレ感想をレビュー。作者は音井れこ丸。音井レコ丸ではありません。掲載誌は漫画アクション。出版社は双葉社。ジャンルは青年コミックの学園漫画。AmazonのKindleでもダウンロード可能です。

ちなみに『若林くんが寝かせてくれない』という漫画タイトルですが、このままURL・パーマリンクにアルファベットにしてみると、やたらと「a」と「e」が多いことに感想レビューを書き終えて気付きました。だから何だって話ですが(笑)


あらすじ登場人物 ストーリー内容

主人公はとある高校の教師・須住(すすむ)。どこにでもいる普通の教師だったが平均睡眠時間は一日2時間と極めて少ない。ナポレオン・ボナパルトでも睡眠時間はもっと欲しがるでしょう。

何故なら、この理由は隣りに住むカップルが毎晩アッハンウッフンじったんばったんハッスルしているから。須住先生は独身生活を送っているので、その艶めかしい声が気になって気になって眠ることができなかった。

若林くんが寝かせてくれない1巻 須住先生
(若林くんが寝かせてくれない 1巻)
そこで須住先生の唯一のパラダイスでありフリーダムが、学校の昼休みといった授業を行っていない時間。そういった空き時間に昼寝をするのが須住先生の日課だった。

若林くんが寝かせてくれない1巻 あらすじ
(若林くんが寝かせてくれない 1巻)
しかし、その須住先生の昼寝をことごとく邪魔をしてくる女生徒がいた。それが若林郁乃(わかばやし・いくの)

快眠を貪りたいだけの須住先生はさあ困った。一体何故そこまでひたすら他人の昼寝を邪魔してくるんだ?果たして須住先生が安眠できる日々がやって来るのか!?…みたいな内容のストーリー。だから基本的に登場人物はこの二人がメインのギャグ漫画になります。


どこでも寝てしまう須住先生

この須住先生は基本的にどこでも寝てしまう。

若林くんが寝かせてくれない1巻 須住先生 どこでも寝る
(若林くんが寝かせてくれない 1巻)
例えばトイレをしている最中もグースカピーと眠りこける。思わず隣でお小水をしている男子生徒も驚愕。もっと言うと須住先生は「立ち寝」が得意。授業中でも頻繁に立ったまま寝てしまう。

一般的に太陽光に当たるとメラトニンという物質が体内で生成されて、そのメラトニンのおかげで人間は快眠することが可能らしい。そんな小難しい理論が真実かどうかはさておき、確かに実際に日光に当たると気持よくてついウトウトしてしまいます。

若林くんが寝かせてくれない1巻 須住先生 どこでも寝る2
(若林くんが寝かせてくれない 1巻)
そこで須住先生が寝ている最中に鏡を使って日光を当てると、その方向につい移動してしまう。Amazonや楽天市場で探せば、こんなオモチャ売ってそう。どんな習性だよ。植物は日光が当たる方向に向かって伸びるらしいですが、まさにそんな感じ。

快眠を妨害してくる若林が悪いのかと思いきや、実は須住先生の自業自得という側面もあります。そこに突き入れられて須住先生は強く怒ることが出来ず、若林がもて遊ぶって感じの展開です。

須住先生のキャラクターの狙いはテディベアーのような熊さんキャラ。後述しますが、そこに若林も惚れている感じ。確かに雰囲気的には演出できてるものの、もう少し「一般的なかわいさ」が欲しいのも事実。髪型が男読者でもやっぱキモい。


若林郁乃のキャラクターがウザいけど微笑ましい

ただ若林郁乃が手練手管を使って邪魔をしてくるパターンが面白いってことではなく、若林と須住先生のやり取りがメイン。若林は須住先生のことが何故か好き。その「ちょっかい」がホッコリして笑えて面白い。

若林くんが寝かせてくれない1巻 若林郁乃
(若林くんが寝かせてくれない 1巻)
ついヒジをついてウトウト寝てしまったものの、ふと起きた須住先生に対して、若林は同じくヒジをついて顔をめちゃめちゃ近づける。

画像の状況を説明しておくと、女子たちが体育の授業があるから着替え中。そこで運悪く須住先生が目覚めた。当然目を開ける訳にはいかないんですが、若林はチャンスとばかりに近づく。須住先生も「顔の前に圧力が…」と体温なり吐息なりでなんとなく気付く。それ故に気持ち悪い。

若林くんが寝かせてくれない2巻 抱きつく若林
(若林くんが寝かせてくれない 2巻)
寝付きが良くなるストレッチと称して、めっちゃ密着してくる。須住先生はムラムラして逆に目が覚める。女子の身体は全体的に柔らかいので、特に胸があろうがなかろうが実は関係ない。

若林くんが寝かせてくれない2巻 若林 不思議発言
(若林くんが寝かせてくれない 2巻)
そのくせ「今の言葉セクハラですよ」と意味もなく脅迫してくる。須住先生は「何故保健室にいるの?」と聞いただけ。年下の女の子にこんな恫喝されると割りとマジでビビります。ヤッてなくても自白してしまいます。何こいつ、めちゃくちゃ面倒クセー。

若林くんが寝かせてくれない2巻 モップ
(若林くんが寝かせてくれない 2巻)
避難訓練で学校に取り残された二人。そんな状況でも眠っている須住先生。そこで若林はホウキを使って、めちゃめちゃ雑に移動させる。ムダに豪快すぎるアクション

若林くんが寝かせてくれない1巻 日光移動
(若林くんが寝かせてくれない 1巻)
先程須住先生は日光がなにより大好きと説明しましたが、映像授業中もご多分に漏れず。若林が鏡を巧妙に使って須住先生を移動させて、見事に授業を破壊するクダリは結構笑えました。

若林くんが寝かせてくれない2巻 若林の衝動
(若林くんが寝かせてくれない 2巻)
これだけ色んなちょっかいを出してるくせに、若林が自分が須住先生のことを好きだと気付いたのは結構後半。そこでも「これが好きか…よし!チュウしてこよう」と予測不能な行動を取ろうとする。

若林くんが寝かせてくれない1巻 テンションアップ
(若林くんが寝かせてくれない 1巻)
個人的に面白いと思ったのが、若林が眠ってる須住先生を見てテンションが上がると、やたらとピョンピョンと跳ねる仕草が可愛らしい。外国人風にアテレコするのであれば「YES!YES!」みたいなところか。

若林くんが寝かせてくれない2巻 テンションアップ
(若林くんが寝かせてくれない 2巻)
他にも須住先生の満面の笑みを見た瞬間も、その時はソファの上に座ってたので立ったり座ったりを繰り返す。これほどテンションの高さが見事に伝わる表現もなく、割りと見落としがちな穴場な演出だと思われます。

ちなみに画像は須住先生が何でそこまで優しい性格をしているのかを若林に半ばキレ気味に尋ねられたら、「嫌なことがあっても寝て起きたら忘れちゃってるから」というセリフを言い放った直後の場面。確かにイケメンが言えばキュンキュンしちゃうセリフかも。

でも冷静に考えてみると、いやいや、この漫画はお前が寝られてへん漫画やぞと(笑)


総合評価 評判 口コミ


『若林くんが寝かせてくれない』が面白いかつまらないかネタバレ感想をまとめると、ありがちなオタク向けの学園ギャグっぽい内容かと思いきや、意外に面白い漫画だった。日常系が面白いと思えない読者はつまらないと感じるかも知れません。

出落ち感が満載の設定ですが展開は意外と幅広く描けてるので、最後まで飽きずによどみなくスルスルと読み終えることが可能。あくまでクスクス程度の笑いが基本ですが、たまにホームラン級の笑いもあって、ハードルさえ下げて読めばそれなりに面白い。

若林の淡い初恋っぷりにキュンキュンできたり笑えたり、汗かき女教師や保健室の先生などサブキャラクターも地味に光る。また若林郁乃との関係性の描写も上手い
若林くんが寝かせてくれない1巻 保健の先生
(若林くんが寝かせてくれない 1巻)
「ヤバイ美しい!」と須住先生に萌える若林に対して、「感受性が豊かなのはいいことだわ」と全面肯定。そこは注意しろよ。全てを受け入れる無意味な母性と、ヤル気の無さ全開の他人事っぷりに何故かホッコリします。一見すると常識人っぽい立ち位置なのに、どっかズレてる感も面白い。

ただ若林のキャラクターは、特に女性読者が面白いと思えるかは疑問か。良くも悪くも大げさというか、何でうら若きJKがこんなテディベアーみたいなオッサンを好きになんねんとツッコミを入れたくなる読者さんがいても不思議ではありません。

例えば、恋愛漫画『恋は雨上がりのように』でも一部で批判されていましたが、「男の変な願望が詰まっている」という見方で読んでしまうと、きっと「つまらない・面白くない」と感じる可能性も。だから若林をJKと認識せず女子小学生程度の存在と思って、「パパが好きな娘」程度に割り切って読めばそれなりに面白いと思えるはず。