『ツマヌダ格闘街』1巻から17巻のネタバレ感想。作者は上山道郎。ヤングキングアワーズ(少年画報社)で連載中の格闘漫画。

あらすじ

舞台はストリートファイトが合法化された妻沼田(つまぬだ)市。
ツマヌダ格闘街1巻1話 八重樫ミツル
(1巻1話)
その妻沼田市へプロイラストレーターになるために上京した八重樫ミツルが主人公。ちょっと冴えないオタク青年。

ツマヌダ格闘街1巻1話 八重樫とドラエ
(1巻1話)
そこで謎のメイド・ドラエに見初められて、何故か格闘指導を受けて、主人公の八重樫ミツルが一人の格闘家として強くなっていく物語。

街を舞台に、格闘技初心者の主人公が謎のメイドの助けを借りて強さを身につけていく格闘漫画。

格闘描写は上手いが派手さはない

『ツマヌダ格闘街』は格闘漫画ということで、肝心の格闘描写は比較的上手いほうだと思う。

ツマヌダ格闘街17巻100話 格闘描写
(17巻100話)

ツマヌダ格闘街10巻60話 格闘描写
(10巻60話)
テンポ良く流れる感じに描かれてて、全体的に読みやすいと思う。

ただ「派手さ」みたいなもんには乏しくて、「格闘漫画だから当然だろ」みたいな声も聞こえた気がしますが、それでもやはり「オッ!」となる部分は欲しいのが本音。でもグロテスクな被害描写はないのは一つの良さか。

そつがない格闘マンガ

『ツマヌダ格闘街』を一言で言うと、そつがない格闘漫画。前述の格闘描写は言うまでもなく、ストーリーの展開もシンプルかつ王道で読みやすい。例えば王子杯トーナメントを勝ち上がっていくみたいな、ゴール設定の作り方は無難。キャラも見分けがつかないこともない。

でもやっぱり全体的に華がない。

ツマヌダ格闘街12巻69話 ドラエの解説
(12巻69話)
冒頭でも書いたように、展開としてはドラエが主人公・八重樫ミツルに指南していく。その理論はおそらく理屈が通ってるので分かりやすい解説になってるはず。

辟易させられる程の嫌味なウンチクってほどでもないですが、どちらかと言えば格闘漫画を見て楽しむというより、格闘を語りたい内容になってる。格闘好きの作者が格闘競技を理解した読者に対して描いてる印象。それが地味さに繋がってるのかも。『オールラウンダー廻』ほどでもないですが。

総合評価

内容的には『史上最強の弟子ケンイチ』と『オールラウンダー廻』を足して2で割った感じの漫画。史上最強の弟子ケンイチよりセクシーさはないものの、オールラウンダー廻よりかはちゃんと漫画っぽい。だから『ツマヌダ格闘街』は決してクオリティーが低い漫画とは思いませんが長期連載としてはちょっと辛いかも。弱みもなければ強みもないというマンガって感じ。

個人的にはヤングキングアワーズというマンガ雑誌で連載されてることも考慮したら、もう少しセクシーさや笑いがあっても良いのかも。一応扉絵などにはチラホラあるものの、子供読者が読んでもピンと来ないレベルかも。ドラエとロシアに行った時のクダリではシリアスな展開があるものの、その割に主人公もそこまでカッコ良くも描けてない。主人公のキャラクターとしてもどっちつかず。

格闘マンガ好きな読者さんだったら一度は読んでみてもいいかも知れません。


◯展開…★3◯テンポ…★4
◯キャラ…★3.5◯画力…★4
◯全巻大人買い…★3.5
◯おすすめ度…82点!!!!