『トモダチゲーム』1巻から3巻のネタバレ感想。原作は山口ミコト、作画は佐藤友生。別冊少年マガジン(講談社)で連載中のサバイバル系漫画。

あらすじ

主人公は高校生の片切友一。母親から「お金より大切なものが友情」と教えられて育ち、友達思いの高校生。

トモダチゲーム1巻 マナブくん
(1巻)
そこへ謎のキャラクター・マナブくんが登場。そこで唐突に「親友5人の内の誰か1人が背負った借金2000万円を減らす」ための究極のゲームを始める。

全体のテイスト的には『神さまの言うとおり』や『今際の国のアリス』と似てて、金と友情のどちらが果たして大事なのか?という究極の疑問に向き合いながら、主人公・片切友一が仲間と助け合い誰かが背負った借金を減らしていく展開の内容。

高校生と借金という設定の親和性

ただ神さまの言うとおりに近い漫画とは言え、キャラクター自身が命を賭けて戦うゲームじゃない。あくまで「お金(他人の借金)」を賭けたゲーム。

動機としてやや薄い上に、一般的に学生(読者も含め)さんは金銭感覚が伴ってない。親の庇護下にあってアルバイトもしてない若者も多い。実際、大学や専門学校に進学するために奨学金制度を何も考えず利用して、いざ大学を卒業してから困る若者も多いそう。

トモダチゲーム1巻 片切友一
(1巻)
だから「400万円の借金」という枷をハメた所で、きっと高校生がピンと来る金額じゃないはず。少なくともこんなにビビるとは考えにくい。ここまで金銭感覚が伴っていたら、それこそ両親に感謝し尽くしてもし尽くせないはず。

それに正直400万円ちょっとだったら、トヨタのSUV車・ハリアーハイブリッドぐらい。外車輸入車で言えばメルセデスベンツのCクラスやレクサスNXをギリギリ買えそうなレベル。別に絶対返済できない金額でもない。高校生でも大学進学のために100万200万貯金してる苦学生だっているはず。

高校生と借金という組み合わせが、本当に噛み合ってない。

導入部分の甘さ

そもそも何故「ゲームに強制参加させられるのか?」という導入部分に説得力がない。初っ端から主催者側も「ビジネスでやってる」と自白しちゃってたり、だったらお金を持ってない高校生相手にこんなことをする理由が不明。ゲーム主催者がお金をどうやって回収するのかを問い詰めたくなる。

それに借金を背負わされても普通に踏み倒せよorコツコツと返済しろよとしか思わない。借金を返済しなかったらどんな痛い目に合うのかを教えてくれてないので展開に緊張感がない。他にも誰が莫大な借金をしたのかは知らないですが、未成年が借金を抱えることも普通はありえない。

あまりに状況が漠然としててツッコミどころも多すぎ。

タネが見えてる手品

またマスコットキャラクターのマナブくんも全然怖くない。そこら辺は武力で脅してくれたら良いんですが、ひたすらサッカーの審判気取り。THE人畜無害。

トモダチゲーム3巻 黒幕
(3巻)
それとゲームの黒幕が早々に登場。組織の得体の知れない感が皆無。キャラクター紹介で「謎の監視者」と謳ってる割にガッツリ面が割れすぎ。言っちゃえば、手品のタネが見えてる状態で手品をやろうとするようなもん。裏で糸を引いてる黒幕に対する読者の深読みを見事にシャットアウト。

またコイツラも監視してるだけで、主人公の片切友一たちに対して何もしてこない。黒幕の空気感もハンパない。ここまで素性がバレてるんだったら、いっそこのゲームの動機を明らかにしてくれよ。ひたすら「コイツラ何なん?」と眉をしかめてしまう。

トモダチゲーム2巻 仲間割れ
(2巻)
肝心のゲームでも参加者たちがひたすら痴話喧嘩に終始してて、展開としては盛り上がりに欠ける。

総合評価

どういう内容の漫画を描きたいかという方向性や狙いは理解できますが、全体的にストーリーの詰めが甘い印象。早々に黒幕や裏方を見せたらアカンやろっていう。最近PSPで発売された『ダンガンロンパ』という推理モノ(?)ゲームをクリアしたんですがクオリティーが違いすぎ。

まだ百歩譲って「大金を稼ぐゲーム」だったら理解はできますが、あくまで「これ以上の借金を増やさない」だけ。だから展開としては地味すぎる。せめて借金が無制限に増えていくんなら分かりますが、あくまで2000万円という上限がある。これじゃあスケール感にも乏しい。負の部分の伸び代があった方がより絶望感を演出できるはず。

どちらの作者もまだまだ力量不足という気がしますが、今後の活躍や飛躍に期待はしておきたい。


◯展開★2.5◯テンポ★3
◯キャラ★3◯画力★3.5
◯大人買い★2
◯73点!!!!