『透明なゆりかご 産婦人科医院看護師見習い日記』1巻から4巻のネタバレ感想をレビュー。作者は沖田×華(おきたばっか)。掲載誌はハツキス。出版社は講談社。ジャンルは少女コミックの医療漫画。『透明なゆりかご』は絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

つい先日、初めてXperiaXZというスマートフォンに機種変更しました。他にも新しくパソコンを買い換えるなどしてなかなか新しい環境に慣れておらず、まだまだレビュー力が衰え中。自動車ブログ【くるまン。】でも「ノートe-POWERの新車販売がまさかのプリウス超え」や「新型2代目CX-5の試乗インプレッション」という記事を書くなどして現在も肩慣らし中。

だから文章力や考察力に鈍りがあるのは否めませんが、とりあえず『透明なゆりかご』が面白かったので、どうおすすめできるか考察してみました。『透明なゆりかご』はガチで面白いおすすめ漫画ランキング100にも選出した漫画なので是非購入の参考にしてください。


「透明なゆりかご」のあらすじ物語 ストーリー内容

舞台はとある産婦人科医院。主人公はその病院でアルバイトとして働き始めた、高校3年生の作者・沖田×華。だから『透明なゆりかご』のジャンルはほぼほぼエッセイ漫画と言っても構わないのかも知れません。

高校生が産婦人科でアルバイトとして働くってオッケーなん?と思っちゃいますが、作者・沖田×華は准看護科がある高校に通ってた。卒業後も准看護師になる予定だったらしく、医療行為こそ法律で禁止されてるものの、一応沖田×華は最低限の医学知識を身に着けてたから問題なしってことのよう。

『透明なゆりかご 産婦人科医院看護師見習い日記』が描かれてる時代は1997年ってことで現在でもオッケーなのかどうかは不明ですが、とりあえず漫画タイトルまんまの内容。ただ産婦人科という設定から心を打つような出産シーンが多いのかと思いきや、基本的に真逆。

透明なゆりかご1巻 あらすじ1
(透明なゆりかご 1巻)
いわゆる堕胎(だたい)や中絶シーンが多く描写される。『透明なゆりかご』初っ端の1話目から衝撃的。作者・沖田×華が「命だったカケラを集めるシーン」から始まる。コマ割りの使い方がどこか映像的で上手い。ピンセットの先に掴んでるのはもちろん…。

透明なゆりかご1巻 あらすじ2
(透明なゆりかご 1巻)
しかも「命だったカケラ」が詰め込まれるのは、カメラのフィルムのような小瓶。それだけ赤ちゃんの体がグチャグチャに千切られてから、母親の胎内から無理やり引きずり出された光景が目に浮かびます。作者・沖田×華の「この世に出てきておめでとうって言ってもらえない子がこんなにいるなんて」というセリフも印象的。

透明なゆりかご1巻 あらすじ3
(透明なゆりかご 1巻)
ただ単に残酷な描写で終わってるんじゃなくて、どこか前向きなメッセージ性も込められてる。作者・沖田×華のどこか淡々としてるものの、「またこの世界に戻ってきたら、今度はずっとここにいられますように」というセリフが心を打ちます。

だから『透明なゆりかご』の意味としては、中絶で消えた赤ちゃんを「透明な子供」に例えてて、ゆりかごとはさしずめガラスの小瓶。まさに日本の病院から日々儚く消えていく命や、その選択に苦悩する母たちに焦点が当たってる。まさに『透明なゆりかご』は産婦人科で繰り広げられる人間ドラマが詰まったような医療漫画。


作者・沖田×華の不愉快なほどリアルな描写

だから『透明なゆりかご』は絵柄の軽いタッチとは相反して割りとヘビーな内容が多い。何故なら、とにかく作者・沖田×華の描写に遠慮がない。それゆえに「不快」と感じる読者も少なくないか。

その理由は作者がアスペルガー症候群だから。実際、自分をネタに『アスペルガーで漫画家で毎日やらかしてます。』という漫画も発売済み。いわゆる空気が読めてない人。

透明なゆりかご1巻 アスペな沖田×華1
(透明なゆりかご 1巻)
例えば初めて中絶・堕胎に立ち会った時も、全然うんともすんとも言わない。思わず院長先生も「大丈夫?度胸あるねー」と一言。何かに共感する力が弱いのかも知れない。

透明なゆりかご1巻 アスペな沖田×華2
(透明なゆりかご 1巻)
あらすじでも説明したように、取り出された胎児だったモノは瓶の中にエタノール漬けされる。割りと忠実に描写されててエグいんですが、血液が鮮やかな朱色で太陽光が差し込むとキラキラと光り輝く。そこで沖田×華は思う。「死んでるのにキレイだ」とポツリ。

今の時代、もしナース見習いやナースさんがTwitterなどでつぶやけば大炎上間違いなしの不謹慎な表現ですが、それだけ作者・沖田×華は下手に配慮せずにボカさず描写してくれることで「産婦人科や堕胎の現実」を克明に切り取ってるのでインパクトが大きい。

またアスペルガー症候群はムダに記憶力が良いらしい。だから当時の体験した記憶を鮮明に覚えてる。それだけ一つ一つのエピソードが未だに色褪せずに「リアル」に描写されてる。作者が意図してるかどうかは不明ですが、そういった病的な側面が『透明なゆりかご』という漫画作りに良い意味で効果的に働いてる気がします。

ちなみに上記の画像は、死してなお赤ちゃんの生命はキレイで美しい気高い存在、とでも言いたかったのかなーと勝手に自分は解釈してます。


圧倒的な命の現場

だから実際に作者・沖田×華が病院で働いていたからこそ、些細なちょっとした描写がリアル。

例えば、ある怒りっぽい妊婦のダンナが盲腸の手術をするハメになった。ただ麻酔の事故が起きてしまって植物状態。一向に意識が戻ることはないものの、そのダンナに生まれた赤ちゃんを初めて抱かせる場面。

透明なゆりかご2巻 旦那麻酔事故で植物状態
(透明なゆりかご 2巻)
植物状態だと当然まぶたを動かせないので乾燥しないように、ダンナのマブタの上にテープが貼ってある。目が乾いてるから涙が出たのか、実は脳で意識だけはハッキリしてるから泣いたのか、そこが分からないのが何とも涙を誘う感動的な場面。

植物状態の患者のマブタにテープを貼るという描写は、実際に長年病院に働いてないと漫画家がちょっと病院に取材しました程度だと描けない。他にもダンナはもともと太ってたものの、いつの間にかガリガリになってたり、医療従事者が描いてるであろうと思わせる「説得力」がそこかしこにある。

透明なゆりかご2巻 壮絶な出産現場2
(透明なゆりかご 2巻)
他にも沖田×華が働いていた産婦人科クリニックで初めて死亡事故が発生。このときは凄惨の一言。あえてグロく大げさに描こうとしてないからこそグロい。散らばったガーゼなど、きっとアスペルガー症候群の記憶力があるからこそのリアリティ。

やはり小さい病院だと医療機器や設備が知れてるので、母体の急変に対応するには限度がある。あくまで産婦人科は「出産」するための病院。妊婦さんが大量に出血して止まらないといったケースまで想定してない。

透明なゆりかご2巻 壮絶な出産現場1
(透明なゆりかご 2巻)
もちろん院長先生は大きな病院から要請を頼むものの、救急車は渋滞に巻き込まれて間に合わない。そこで院長先生は目が血走りながら「もう遅いよっ!!」と怒鳴りつけて、顔を手で覆う。この後、ダンナさんがブチ切れて暴れまくるんですが、そのことが何ともしがたい虚しさや悲しさが読者の中でもこみ上げてくる。

一見するとマヌケな絵柄からは想像できないほど、『透明なゆりかご』には「圧倒的な命の現場」がある。沖田×華の描写力は的確で、絵は一種の「記号」かなにかと思えば全然気になりません。


それぞれの死産中絶・それぞれの葛藤

『透明なゆりかご』は漫画タイトル通り、中絶といったエピソードが多い。

ただ人工的に赤ちゃんを取り出すだけではなく、他にも赤ちゃんが死産するケースもあります。まだまだ医療が発達したといっても所詮は知れていて、現実として原因不明の病や事故でお母さんの母胎内でいつの間にか亡くなってることも多い。

死産だと既に赤ちゃんがかなり成長してる場合が多く、そのケースでは普通の人間と同様に「火葬」されるんだそう。

透明なゆりかご1巻 母胎内で死亡 赤ちゃん 燃やされる
(透明なゆりかご 1巻)
母胎内で死産したあるお母さんの話では、自分の赤ちゃんの亡骸を抱えながら「ねぇ息をして?目を開けて?じゃないと燃やされちゃうんだよ?」と語りかけるシーンは泣けます。これは作ろうと思って作れるようなセリフじゃない。

だから現実は「中絶してハイ終わり」「出産してハイ終わり」ってことにはならない。当然、母親や父親の人生はその後も続いていく。『透明なゆりかご』はその後の人間ドラマを描写できてるのが稀有であり面白い。

透明なゆりかご1巻 他人の子供を傷つける中絶1児ママ
(透明なゆりかご 1巻)
例えば経済的な負担を理由に二人目の子供を中絶した母親の話。自分の中では納得してたつもりだったものの、ダンナからは「ウソでもいいから産んでほしいって言ってほしかった」と精神的なトラウマを抱えてる。

思わず感動できちゃいます…と言いたいんですが、画像下に警察官が描かれることからも何となく分かるかも知れませんが、この母親は直前で他人の子供をフルボッコしてます。自分は子供を産めなかったからこそ他人の子供が憎い。意外と女性の方が怖いという(笑)

透明なゆりかご3巻 植物状態の息子 天使の会 おならで返事
(透明なゆりかご 3巻)
他にも息子さんが原因不明の突然死症候群(SIDS)で植物状態になってしまう、お母さんのケース。もちろん息子を生かしたいとお母さんは考えるものの、薬の投与だけでなんとか生き長らえさせてる状態。これを小さい体に強いるのは酷。

そこで息子の死を選択するものの、母親の中では死をいつまでも受け入れられない。結果、画像のように空(から)のベビーカーを引いて街中を徘徊する。「息子は体がなくなっただけで、ここにいるんだから。ベッドもおもちゃも息子の匂いがするもの…死んでなんかいない」とポツリ。

なかなか衝撃的なエピソードで読者がトラウマになってしまいそうですが、最後は少し笑えて泣かせるオチに仕上がってます。このエピソードは後の「天使の会(天使がくれた出会いネットワーク)」と呼ばれる子供を亡くした母親をサポートする会の代表者さんのお話らしい。

だから前向きにさせてくれるストーリーも多い。

他にも死産したケースとは少し違いますが、エコー検査で赤ちゃんに重度の心臓病が発覚したケース。出産前に赤ちゃんが命を落とす可能性も高く、そこ医者は中絶も選択肢の一つとして提案してくる。親のエゴでムダに生きさすのは残酷。そこで赤ちゃんのためと思って、その夫婦は中絶の予約を入れる。

でも、そんな単純な話じゃない。何故なら、現実として胎内で少なくとも赤ちゃんは元気に生きてる。中絶を選択することこそが親のエゴってもん。

透明なゆりかご3巻 母胎の中で死亡
(透明なゆりかご 3巻)
最終的に父親が「子供を産んでみないか?」と提案する。短い時間でもいいから、一度も家族らしいことをしたい。同じ亡くなるという結果でも、何か思い出を持って天国へ旅立つのと何の思い出もなく天国へ旅立つのとでは大きな違いがある。

結果的にやはり一週間で赤ちゃんは亡くなるものの、母親と父親も自分の子供を看取ったことで前向きに現実を受け止められた。これが中絶(殺す)という選択だと絶対に不可能。結末をもう少しネタバレしておくと、そして二人は数年後新たに子供を出産して幸せに暮らす。


堕胎や中絶は絶対悪?

だから『透明なゆりかご』を読んでると、中絶や堕胎に対する嫌悪感がどうしても芽生えてしまう。経済的な理由など安直すぎるといえば安直。そんなこと言い出せば、将来仕事がどうなるかなんて誰にも分からない。じゃあ失業したら自分の子供を?…って話にも飛躍します。

実際、漫画内でも批判的に描かれてる部分が多いのかなーと思います。ただ主張は押し付けがましくない。

透明なゆりかご3巻 院長の名言
(透明なゆりかご 3巻)
画像の院長のセリフがまさに象徴してる。

「ボクはできませんって言っても、その人は別の病院に行くだけ。中には中絶はどんなにひどい行為なのかを説明して、精神的苦痛を与える医者もいる。それは相手のことを思っているんじゃない。医者個人が思うことを押し付けているだけ。だからボクはこう思うようにしている」

次に自ら望んだ妊娠ができるよう。最低限体に負担のかからないための手術をしていると。今度は元気な赤ちゃんが産めるように。中絶も分娩もボクにとっては同じこと。新しい命を生むためにやっている」。

まさに産婦人科は対照的な「生と死」が同時に存在している場所だからこそ言える名言。そういった両極端なジレンマを抱えているからこそ主張に深みがある。やはり誰も好き好んで中絶する女性はいない。それぞれがそれぞれの事情を抱えてる以上、画一的に中絶の方法も拒否できない。果たして次の命を生ませないことが医者の仕事なのか?いろいろと考えさせられます。


出産前後にも様々な人生模様が待っている

透明なゆりかご1巻 出産シーン
(透明なゆりかご 1巻)
もちろん『透明なゆりかご』は産婦人科が舞台なので、無事出産されるケースもあります。画像は作者・沖田×華が初めて分娩シーンに立ち会ったところ。決して絵が上手いとは言いませんが、それでも読者も思わずジーンと感動させてくれるシンプルな描写が良い。

でも無事出産できるケースでも、やはりいろいろある。

例えば、義母がおせっかいをかけすぎたせいで、妊婦の若妻が自分の子供を愛せなくなったエピソード。義母は決して悪い人間ではないからこそ、ずっと若妻は拒否できずにいた。挙句の果てには、義母は赤ちゃんを命名しようとする。さすがにストレスで若妻は倒れてしまう。

透明なゆりかご3巻 義母がおせっかい
(透明なゆりかご 3巻)
そして最終的に誰にも立ち会わせずに一人で産もうと若妻が決意するものの、空気の読めない義母がしれっと出産直前にやって来る。THEストレス。結果、優しかった若妻は大暴れ。女性は出産すると人が変わると言いますが、それもむべなるかな。

ちなみにオチをネタバレしておくと、最終的に義母は自ら一歩引くことで、若妻とは仲直り。再び仲良く同居して「本当の家族」になったという結末。読後感は良い。

他にも不倫の末にオトコの子供を出産する女性の話。オトコは当然妻がいるので大反対。「今まで上手くいってたのに何考えてるんだ」と動揺。女性は「男の子がほしいって言ってたクセに」と泣きわめく。女性的には出産したら本妻を捨ててコッチを選んでくれると思い込みがちらしい。

そして女性は自分の赤ちゃんを見て「誰にも似てない。想像してた子供と違う」と呆然。あくまで女性にとってはオトコを振り向かせるためのツールでしかなかった。

透明なゆりかご1巻 赤ちゃんの匂い
(透明なゆりかご 1巻)
このまま児童相談所や施設に赤ちゃんが送られるのかなーと思いきや、女性は自分の息子を抱くとほんのり良い匂い。赤ちゃんが無条件で持つ魅力に加えて、何やかんやで自分で産んだ子供は可愛い。そして「いい匂い…赤ちゃんってこんな匂いするんだ…ごめんね…」と一人で育てていこうと決意する。オンナが母親になった瞬間。

このエピソードも割と感動的で泣かせてくれるんですが、残念ながら「マジか?」というオチが待ってる。完全なフィクションの医療漫画だと、きっとこういう切なすぎるオチは描けないでしょう。

透明なゆりかご2巻 母死亡 父自殺を考えるも
(透明なゆりかご 2巻)
また赤ちゃんが無事出産できた場合でも、逆に母体の母親が亡くなってしまうケースもある。最初は父親は自暴自棄になって死が一瞬頭をよぎるものの、双子の赤ちゃんの真っ直ぐな眼差しを見て父親としての自覚や責任感が芽生える。改めて「出産はゴールじゃない」ことを気付かされます。

日本の産婦人科では、年間数十万件近くの命があまりに粗雑に扱われて消えていくそうですが、その無機質な数字の一つ一つの裏には「母親たちが抱える葛藤」や「苦悩」といったリアルな事情やドラマが背景としてある。

本当に『透明なゆりかご』では妊娠や出産、中絶にまつわるリアルな人生模様が想像以上に丹念に描かれてる。あまりに生々しいエピソードも多いので、おそらく『透明なゆりかご』の実写ドラマ化や実写映画化はしんどそう。まさに「経験」は漫画制作の武器と言えましょう。


衝撃的なエピソードが面白い

だかあ『透明なゆりかご』では本当に衝撃的なエピソードが描かれてる。そこで最後は中でも個人的に衝撃的なエピソードを軽く2・3個ピックアップして紹介したいと思います。

透明なゆりかご4巻 金髪碧眼の赤ちゃん1
(透明なゆりかご 4巻)
例えば、明らかに黒髪黒目の日本人同士なのに、その夫婦が産んだ赤ちゃんが金髪碧眼(青い目の金髪)。ここだけ読めば奥さんが外国人と不倫かよ…とか思っちゃうんですが、実は全く違う。

透明なゆりかご4巻 金髪碧眼の赤ちゃん2
(透明なゆりかご 4巻)
オチをネタバレしておくと、実はダンナの家系をさかのぼるとロシア人の血を引いてた。いわゆる隔世遺伝とか呼ばれるヤツ。自分の祖父母がどういった人生を歩んできたかなんて普通は知りませんから、急に青い眼の子供が生まれたらびっくりして当然。

確かブラックマヨネーズの小杉もロシア人の血を引いてたり、意外と祖父母世代がハーフやクォーターってパターンも世の中には多いらしい。まさに事実は小説より奇なり。想像やフィクションだけでは作れない面白いエピソード。

透明なゆりかご4巻 つっちー
(透明なゆりかご 4巻)
他にも、ずっと床下に住んでいる男の子(つっちー)の話も驚愕。結末をネタバレしたいところですが、実は作者・沖田×華もつっちーの居所はつかめず。

ある日、沖田×華が遊びに行くと床下が全部コンクリートで埋められていたんだそう。嫌な予感しかしませんが、しかも、その後つっちーの存在は誰も知らないし、突き止めようともしない。忽然と消えてしまった、まさに「透明な子供」。

いろいろと「えぇぇぇ!!!」と叫びたくなりますが、沖田×華の幼少期に出会った不憫な子供たちのエピソードも多数収録されていて、これが衝撃の数々。床下の子供以外だと、ゴミ山で育つ外国人の女の子のエピソードもひどい。地面に首だけ出した状態で埋められたり散々な扱いを受けた上に、オチが胸糞全開。

他にも見捨てられた捨て子の話も多くて、「日本どうなってるんや?」と思わず自民党さんを問い詰めたくなります。全部はネタバレしませんが未熟児のエピソードなど、本当に語り尽くせないほど色んなエピソードが収録されてるので是非読んでほしい。


「透明なゆりかご」の総合評価 評判 口コミ


『透明なゆりかご』は不思議と読めて面白い。衝撃的なエピソード満載だけれども、意外と変に笑えて読み味としては軽妙で小気味良い。美化や脚色がゼロとは言いませんが、エッセイをベースとしてるからこそ女性漫画家の強みが最大限発揮してる。

軽いタッチの語り口とヘビーすぎる内容の重さのギャップ感から生まれる「違和感」の応酬がボディーブローのように腹に響く。この振り幅の大きさこそが『透明なゆりかご』の面白さではあるものの、同時に「漫画だから…」と割り切れない残酷な現実に鬱になる。

それゆえに心が弱い読者が読むと結構しんどいはず。個人的にはおすすめしたい医療漫画ではあるものの、それゆえに全員におすすめできないジレンマも抱えてる。女性が妊娠したら当たり前のように赤ちゃんが生まれて育ってくれることが、これほど「当たり前ではない」んだと思い知らされるマンガも存在しない。

現時点で『透明なゆりかご』は4巻分しか発売されてませんが、ボリューム的には20巻分ぐらいに感じるほど内容が濃く、これほど濃密な医療漫画も存在しないかも。「新しい命」との向き合い方をいろいろと考えさせてくれます。

産婦人科は誰しもが一度は経験したことがあるからこそ、『透明なゆりかご』は幅広い年齢の方に読んでほしい。