『テルマエ・ロマエ』全6巻のネタバレ感想。作者はヤマザキマリ。コミックビーム(エンターブレイン)で連載されてたSF歴史ギャグ漫画。阿部寛と上戸彩で実写映画化もされて話題に。ちなみに作者のヤマザキマリに対して原作料が100万円は少なくね?ということでも話題になった漫画。

あらすじ

主人公は古代ローマの浴場を設計する技師・ルシウス。ある日、浴場で寛いでいると溺れてしまう。ルシウスに命の危機が迫るものの気づくとそこは…
テルマエ・ロマエ1巻 ルシウス1
(1巻)
現代の日本の銭湯だった。タイムスリップのみならず場所も瞬間移動してる点にツッコミは不要w

テルマエ・ロマエ1巻 ルシウス2
(1巻)
銭湯の壁に描かれている富士山もイタリアのヴェスビオス火山と勘違い。確かに山の違いってほとんど分かりませんが、そもそも別に火山に驚く要素ないやん。世界中どこにだってあふれてるものなんだから。

当時の古代ローマは文明の最先端。ただ言うまでもなく現代文明の方が高度。だからルシウスはめちゃめちゃ驚愕する。古代ローマ人は自分たちの技術の高さを自負してる分だけ驚きにリアリティーがあって面白い。

そして再び古代ローマへ戻ったルシウスは現代文明の技術を取り入れた浴場を設計するんですが、その取り入れ方が絶妙に間違ってて笑いを誘うというマンガ。

タイムスリップした場所がヤバイ

その後は日本の温泉や一般家庭のお風呂にも、シリウスは色々タイムスリップしてくる。でも、ちょいちょいヤバイ。そもそも他人が風呂を入ってる最中に飛び出てくる自体がヤバイですが。お前はドラえもんののび太か!っていう。

テルマエ・ロマエ4巻 足湯
(4巻)
例えば、足湯。全身浸かってるときの表情がムダに凛々しすぎ。むしろお前の入浴法が間違ってるわい!的な勢いや迫力。ただまだ足湯はマシな方。

テルマエ・ロマエ2巻 ウォータースライダー
(2巻)
ある時にはウォータースライダー。しかもタイミングよく可憐な女子がドーン!タイミングの良さ!打ちどころが悪かったら下手するとあの世逝き。

というか、もはや湯じゃねー!プールがオッケーなら、そこらへんの池でもいいやん!
テルマエ・ロマエ2巻 バナナワニ園
(2巻)
ということで、次はまさかのバナナワニ園。もはや生存競争をかけた戦いを強いられる。怖すぎておちおちタイムスリップとかできない。このノリでいけば動物園とかでもオッケー。もしシャチやサメを飼ってる水族館だったらもはや逃げ場がねー。

ローマ風にアレンジ

ルシウスは当然日本の文化は知らない。そもそも当時の日本は縄文人がウホウホ言ってた時代。むしろ日本人がローマの文化の多くを取り入れたかったぐらい。

だから日本文化をルシウスは簡単にローマ風にアレンジしちゃう。
テルマエ・ロマエ1巻 浴衣の着こなし
(1巻)
例えば浴衣の着方が肩にかける感じ。ただ、これはこれでアリっちゃアリ。むしろ自然なぐらいで指摘されないと気付かない読者さんもいそう。

テルマエ・ロマエ3巻1
(3巻)
他にも温泉街の射的ゲームで手に入れた景品のヌイグルミを、ローマに戻ったら何故か「神」のように崇め奉る。ローマ風にアレンジとはやや違うかも知れませんが、そもそもヌイグルミかなり湿気るやん?1ヶ月2ヶ月もしないうちに原型を留めてないのは容易に想像がつきそう。考えてみるとローマ時代には合成繊維なんてないから分からないのも当然ですが。

テルマエ・ロマエ2巻 ラムネに指が抜けない
(2巻)
当然それぐらい日本文化に無知なので、ラムネソーダの瓶に指を突っ込んでしまう。中のビー玉を取ろうとしたんでしょうが見事に失敗。こそこそ隠れて困惑する姿が愛おしすぎる。さすが古代ローマ人でも「あ?なんか恥ずかしいことしてしまった」的なことは分かるんでしょうね。

総合評価

序盤はこういう小ネタなどで笑わせてくれたんですが、4巻以降はネタ切れだったのか、『テルマエ・ロマエ』の後半からは小達さつきという日本の女子大生との恋愛ストーリーが始まる。「もはや湯とか風呂とか関係なくなっちゃった」とまでは言いませんが、やや方向性が変わってくる。

別に笑える部分もあるので問題はないんでしょうが、この秀逸な設定を使いこなせたとまで言えるかはやや微妙。でも実写映画化のおかげがやはり人気マンガということで、月刊コミックビームではテルマエ・ロマエの続編が始まったとかないとか。

テルマエ・ロマエ2巻 コミック表紙
(2巻)
ちなみにコミックスの表紙が毎回古代ローマ像にふざけた格好をさせてて笑う。ただ肌色率(彫刻に肌色という表現も不自然か)が高めなので、一応Amazonは文字リンクだけにしときました。


◯展開★4◯テンポ★3
◯キャラ★3.5◯画力★3.5
◯全巻大人買い★3.5
◆84点!!!!