『最後のレストラン』1巻から8巻のネタバレ感想をレビュー。作者は藤栄道彦。掲載誌は月刊コミックバンチ。出版社は新潮社。ジャンルは青年コミックのグルメ漫画。Kindleでもダウンロード可能です。

今年8月ぐらいに『最後のレストラン』のリクエストを頂いたんですが、ようやく感想を書き終えました。既に「すごないマンガがすごい!」で『最後のレストラン』を一度レビュー済みだったのであまり気乗りはしなかったものの、それが随分前の話で記事のクオリティーも低かったと記憶してるので、結果的には改めて感想を書き直そうということをモチベーションにしてみました。

俺が選んだ面白い人気おすすめ漫画BEST100」というランキング記事も現在書いてる最中なので『最後のレストラン』の感想はもう少し先送りしようかなーと考えてたんですが、さすがにこれ以上放置してしまうとレビューする時期を完全に逸するので精一杯頑張りましたよ、えぇ。

また「セレナNISMOの最新情報」や「スズキ・スペーシア 2018年のフルモデルチェンジ情報」といった自動車記事もチラホラと書き終えて落ち着いたので、漫画『最後のレストラン』が面白いかつまらないか改めて考察してみたいと思います。


あらすじストーリー内容・登場人物

舞台はレストラン「ヘブンズドア」。主人公はそこのオーナー兼シェフの園場凌(そのば・しのぐ)。一週間ばかり前に父親の店を継ぐカタチでオーナーになったものの、今日もまたヘブンズドアには閑古鳥が鳴いていた。

他にもアルバイト店員の前田あたりや有賀千恵などがいたが、あまりに客足が伸びないため客引きをしようと店を出ようとした瞬間…
最後のレストラン1巻 織田信長 あらすじ1
(最後のレストラン 1巻)
何故かお供を引き連れた織田信長が登場。織田信長は明智光秀に襲撃され、本能寺は火を放たれた直後だった。今まさに死の間際に瀕した織田信長が何を考えたか。それが「最期に何を食べたいか」。この思いがまさにレストラン「ヘブンズドア(天国への扉)」に通じた。

最後のレストラン1巻 織田信長 あらすじ2
(最後のレストラン 1巻)
そして織田信長が主人公・園場に対して「どこの誰も食べたことのない空前絶後の料理を作れ」と無理難題を注文してくる。ほとほと困り果てた園場だったが、かぼちゃのポタージュなど前菜を差し出すと喜ぶ織田信長。反面、期待値が上がってしまう。

そこで園場は天下無二の織田信長自身に料理をさせることで、まさに天下無二(誰も食べたことのない)の料理を提供することに成功。織田信長は「まさしくこれはわしの最後にふさわしい料理であったわ」と満足気に再び戦国時代へと戻っていく。

つまり『最後のレストラン』はかつての偉人たちが「最後の晩餐」として未来へタイムスリップしてきて、その偉人たちが抱える悩みをウナギのゼリー寄せといった料理で解決するという内容。ストーリーの軸がハッキリしてるので、展開としては読みやすい比較的読みやすいオムニバス漫画になってます。


歴史上の人物の悩みをズバッと解決?

だからストーリー的にはとにかく色んな歴史上の人物・偉人たちが登場します。

最後のレストラン8巻 近藤勇
(最後のレストラン 8巻)
例えば織田信長以外だと近藤勇や大塩平八郎、安徳天皇や真田幸村などが登場します。

最後のレストラン7巻 最後の小料理屋 太宰治
(最後のレストラン 7巻)
セルフスピンオフ的なノリの「最後の小料理屋」では小説家の太宰治なども登場します。

最後のレストラン6巻 楊貴妃 無理難題
(最後のレストラン 6巻)
他にも楊貴妃は「面白い!ならば見せてちょうだい!愛を証明する料理を!」など無理難題を注文してくる。マツコ・デラックスを参考にしたかは不明。楊貴妃だけではなくクレオパトラやカエサルや玄奘など、日本だけではなく割りと幅広く世界中の偉人たちが登場します。

最後のレストラン5巻 メアリー・スチュアート
(最後のレストラン 5巻)
マイナーどころの歴史上の人物だとメアリー・スチュアートが「自分の血と肉で作った料理をエリザベス一世に提供しなさい」と無理難題を注文。何故女性の偉人はことごとく気持ち悪い料理を注文してくるのか。ボニー&クライドなどもマイナーな歴史人物か。

最後のレストラン7巻 忠犬ハチ公
(最後のレストラン 7巻)
面白いところだと「忠犬ハチ公」というパターンもあります。もはや人間じゃなくなったよ(笑)

最後のレストラン7巻 切り裂きジャック
(最後のレストラン 7巻)
他にもジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)の回では、ちょっとしたミステリー漫画風にストーリーが展開されます。基本的に一話完結のオムニバスで、必ず歴史上の偉人たちが最後の晩餐で悩みを解決していく展開は読み味としてはシンプルで悪くない。


パロディーネタが多いなど基本はギャグテイスト

歴史上の人物が登場するのでネタとしては古くさいのかと思いきや、何故か2巻のクレオパトラのクダリではダチョウ倶楽部など最近のパロディーが多い。だから『最後のレストラン』は基本的にギャグベースのグルメ漫画になります。

最後のレストラン1巻 ガイウス・ユリウス・カエサル
(最後のレストラン 1巻)
ガイウス・ユリウス・カエサルだと「伝説になるような一皿」という無理難題を注文してくるんですが、何故かガッペムカつくで有名な江頭2:50風のルックス。確かに色んな意味で「伝説」ですけど。

最後のレストラン4巻 マハトマ・ガンジー
(最後のレストラン 4巻)
マハトマ・ガンジーのケースだと何故か『サザエさん』の波平風。左のコマにチラッと写ってますが、著作権的にクリアーしているかは不明。

最後のレストラン5巻 ラスプーチン 変態仮面
(最後のレストラン 5巻)
ラスプーチンに至っては、ただの変態仮面。異様にタマタマがデカすぎやろ。


作者・藤栄道彦の思想性や政治性がチラチラと垣間見える

ただどうしても歴史モノを扱おうとすると、そこに思想や政治信条などが絡んでくることもしばしばあります。特に近現代史に至っては特にそう。

その傾向はこの『最後のレストラン』でもご多分に漏れず。決してめちゃめちゃ偏ってる・ぶっ飛んでるレベルでもありませんが、やはり作者・藤栄道彦の思想性や政治性が漫画の内容を邪魔してくることもしばしば。

例えば現時点での最新刊だと東條英機。言うまでもなく、第二次世界大戦を指揮した戦争指導者の代表的な一人。

最後のレストラン8巻 東条英機
(最後のレストラン 8巻)
現代にタイムスリップした東條英機がゴミ箱を漁りながら「配給がきちんと行き届いていないのか。いかに占領下とはいえ庶民は生活に窮せぬよう連合国は配慮すべきではないのか?」と言う。東條英機は国民に配給されている野菜や魚のクズが捨てられているか自ら確認して回っていたらしい。

部分的に事実を切り取ってこそいますが、どこか東條英機に同情を誘おうとしている意図が垣間見えます。当時の国民は戦争のせいで貧困にあえいでいたわけですから、何をか言わんやって話。実際の戦地では何百万人という兵士が餓死してる。東條英機はその首謀者の一人と言えるわけです。もし北朝鮮の金正男がゴミ箱をちぇっくしていたところで、誰も感心などしないでしょう。

実際に『最後のレストラン』のあとがきを読むと「(東條英機は)悪人ではないと思います」と作者が語ってる。確かに天王の意を汲んで対米開戦を避けようとしていたのは事実ですが、一方で東條英機は直前まで天皇に対して徹底抗戦を続けるように直訴したのではなかったか。やはり当時の軍人はすべからくクズだと思うんです。

また東條英機に対する感想として「何かしら責任があるとすれば、それは唯一【敗戦の責任】」とも語ってるんですが、それこそ日本のトップである大元帥だった天皇の責任はどうなるのか。日の丸や君が代なんて、まさに敗戦の象徴だろう。イタリアやドイツのように何故変更しないのか。天皇の責任を追及したがらないヤツに限って、天皇を国家元首にしようとか言い出すんだから呆れるしかありません。

他にも前述のマハトマ・ガンジーに関しても、作者・藤栄道彦は『最後のレストラン』4巻のあとがきで「彼は結果イギリスで教育を受け弁護士にもなってますし、そんなに悪い統治でもなかったんじゃないのかな」と書いてる。これに関してはインドには自治権が与えられ、インド共産党といった政党などもあったようですから、とことん酷い植民地とは言えない部分もありそう。

ただ、それでも独立運動や抗議運動を行ったことでガンジーは何度も逮捕されていますし、ガンジーはアジア諸国で植民地化を進めていた日本に対しても批判していたはず。そもそも現代世界において植民地化されていた国はことごとく独立しているわけですから、それを肯定するのは理屈的にもしんどいでしょう。

東條英機のクダリも同時に勘案すると、やはり遠回しに過去の日本の蛮行を肯定したい意図がうっすら見えるのが実に浅ましいという感想しか抱けない。


習近平もちょっぴりディスっちゃうわよー

他にもまだまだ政治ネタがあって、例えば現在の中国の国家主席・習近平

最後のレストラン5巻 習近平ディスり
(最後のレストラン 5巻)
何故かPTAの会長・平近ならいとして登場させてる。でも中国が共産国家だからか知りませんが、習近平こと平近を「平等団結」を是としたゆとり教育の代弁者として登場させてる。そして画像には写ってませんが、これに立ち向かわせているのが何故か子供会会長の安倍晋三(風のキャラ)。

そもそも習近平が何故ゆとり教育の代弁者なのか分からない上、むしろ媚を売りまくってるのが安倍晋三でありましょう。尖閣諸島問題でもダンマリ、安倍談話でも植民地支配などについても中韓などにある意味潔く懺悔してるわけですから。

これが実にしょぼいジャブで、苦笑いしか出てこない。

まだ大和田秀樹の『ムダヅモ無き改革』ぐらいまでキチ◯イっぷりを惜しみなく発揮してくれたら、これはこれでビジネスとして割り切ってる感があって逆に「実は真人間なのかも?」と1%でも思わなくはない。少なくとも正常な人間が描いた漫画ではないと読者側も完全に諦めて生暖かい目で見守るしかなく、また真性のキチ◯イ読者は読者で歓喜に湧くと思うんです。

でも『最後のレストラン』の描写は誰も喜ばないような、本当にしょぼいジャブばっかり。ネトウヨ受けするほどキチ◯◯じみてもなく、ただただ中途半端で微妙なツッコミどころを増やしてるだけ。視界に小さい虫が入ってくるような感覚。これがめちゃめちゃ偏った内容を書いてるわけでもないのに、得体の知れない気持ち悪さを感じてしまう理由。


漫画で政治ネタを扱うのはアリか?

そもそも漫画の中でこういった政治ネタを扱うのはアリなのか?ナシなのか?結論から書くと『最後のレストラン』程度の政治ネタであれば全く必要性ないと思います。

自分はマンガ以外にも新車のフルモデルチェンジ情報や実燃費記事などを扱った自動車総合ブログ「くるまン。」も運営しているんですが、たまに自民党批判などチョロっと政治的な発言や記事を書くことがあるんです。とはいえマンガはマンガ、自動車は自動車とわきまえているのでボリューム的には少ないです。それでも「政治的な発言はなー」というクレームが来たことがあります。

自分のような素人のブログですら政治的な発言に関しては、意外というかやはりというか反感をもたれる。基本的にブログは個人の意見や価値観を述べるのが前提なので、そこを含めての記事やレビューの閲覧になると思ってますが、『最後のレストラン』といった漫画やドラマなどは完全な創作フィクション。

その中で唐突に主人公などキャラクターが急に政治的な発言をすれば、そこに違和感を感じる読者は多いだろうとは容易に想像されます。しかも漫画は1話あたりのページ数が知れてる。週刊誌だとせいぜい20ページ程度のボリュームでは、所詮は言い訳程度の内容しか書けないのだから「見苦しさ」だけが読後感として沈殿していくだけ。

個人的には『最後のレストラン』という漫画を利用して、作者・藤栄道彦が政治ネタを書いてるだけにしか見えない。政治的なネタを書くならそれはそれでいいんですが、ネトウヨが食いつくほど「日本は最強に正しかった」や「イアン婦は存在しなかった」と主張するわけでもなく内容は何とも中途半端。

別に保守思想は保守思想で結構だとも思うんですが、そうだとしたら安倍晋三をディスる部分もあっていいはず。でも結局漫画内で描こうとしてることって、出版社が新潮社だからってのもあるのかアホのネトウヨに毛が生えた程度のことしか書いてない。気持ち悪い個人崇拝以上でも以下でもない。

現状としては『最後のレストラン』に書かれてるレベルの薄っすい政治的なネタは漫画作品として興ざめさせる部分・評価を下げる部分にしかなってない。世界観やストーリーの流れに必然性を感じない。少なくともプロの漫画家であれば「書くなら書く、書かないなら書かない」とはっきりビジネスとして割り切るべきでしょう。

本当に『最後のレストラン』を読む限りは、この程度の政治的な主張ならブログやSNSで発信すればいいやんとしか思えない。もし漫画の中に詰め込みたくなるぐらい作者・藤栄道彦の中でなにかフラストレーションが溜まってるとしたら、いずれ元フジテレビアナウンサー・長谷川豊みたいな顛末にならないことを願うばかりであります。


最後のレストランの総合評価 評判 口コミ


『最後のレストラン』が面白いかつまらないかでまとめると、そこそこ面白いグルメ漫画ではあると思います。個人的な感想としては一話完結のオムニバスで読みやすく、テンポ感は◯。歴史上の人物の死に際を料理でもてなすという設定もまあまあ新鮮で、その設定を活かした展開も作れててGood。シリアスとギャグの配分もちょうど良い。

作者・藤栄道彦の画力もそこそこ上手い方なので、特に悪い意味で気になることはないでしょう。強いて言えば、その分だけ料理描写が目立って美味そうに見えないのはグルメ漫画としては難か。存在感の強さで言えば、どうしても織田信長やクレオパトラといった歴史上の人物の方が目立ってしまう。

でもちょいちょい覗かせるネトウヨ的な思想が、やはり『最後のレストラン』という漫画の一般受けを阻害してる側面もあります。ギャグテイストが大半を占めるから尚更不要。それこそ料理の調味料などと同じで、中途半端なイデオロギーであれば最初から入れない方がベター。

そういうプロとして割り切れてない作者・藤栄道彦の姿勢が作品としての「こじんまり感」にも繋がっていて、どこか『最後のレストラン』に「同人誌臭」も臭ってくる理由かも知れない。大人しく漫画のクオリティーを高める努力をした方が良いでしょう。

ちなみに今回はリクエストに応じて『最後のレストラン』のネタバレ感想をレビューしたわけですが、その代わりにカンパしてくれとは言わないので、このブログの漫画の感想記事をご自身のブログやサイトなどで紹介してください。アクセス数が少ないとか気にしなくて大丈夫です。リンクを貼られる事自体に意味があるんです。

要は『最後のレストラン』の記事リンクなどを貼って下さると、この「バズマン。」というブログの評価も上がって検索上位に記事が表示されやすくなるんです。結果として半永久的に支援してることと同じになるので、非常に漫画の感想を書くモチベーション(ヤル気)に繋がります。強制ではありませんが、ほぼ半強制です(笑)