『テラフォーマーズ』18巻のネタバレ感想。原作は貴家悠、作画は橘賢一。ヤングジャンプ(集英社)で連載中のSFバトル漫画。「テラフォーマー=巨大化したゴキブリ」のことだと思って下さい。

今までは火星で人間がゴキブリと戦っていたものの、18巻からは舞台を「日本」に移して第三部が始まります。何故かゴキブリたちは主に日本に生息しているらしい。日本は数百年後も島国でしょうから、一応「生まれ故郷だから」という理屈でも十分通るか。

あと主人公(?)の膝丸燈(ひざまるあかり)などもNASAから「一警護」という警備会社に転職してます。


ゴキブリは完全に群れ化してる

舞台は東京のとある都市。ちょっとしたハーレム系男子に訪れた悲劇。お風呂に入ってる男子の元に美女の一人が入ろうすると…
テラフォーマーズ18巻 風呂に侵入するゴキブリ
(テラフォーマーズ 18巻)
まさか一緒にゴキブリも入ってくる!シムラうしろうしろー!!さすがにこんだけゴキブリが巨大なんだから、お風呂に入る前に気付こうぜ。忍者かってぐらいの隠密っぷり。

テラフォーマーズ18巻 膝丸燈 地上戦
(テラフォーマーズ 18巻)
そこへ助けにやってきたのが膝丸燈。ビルとビルの間で逃げ惑うゴキブリたちを自分の糸を使って一網打尽。角度やアングルなど面白い構図ですが、ビルの裏路地ってこんなに距離というか隙間があるのかなという疑問はややあります。

とりあえずゴキブリを「捕獲」することに成功。ただ確実に存在する「見えない脅威」に膝丸燈たちは四苦八苦してる、という展開から始まります。小池百合子は一体何をしてたんだと。

そしてゴキブリを一匹ずつ倒して意味があるのか?という問いの答えも明らかに。

あまりに進化しすぎた結果「完全な群れ化」しているので、その集団を一気呵成に攻め立てるという戦略を立てる。また組織化されるからこそローンウルフ的なハグレモノもいない。つまりゴキブリたちの脳内から得た画像情報を探れば、自ずと根城が発覚するということ。


膝丸燈、キマイラブレイン手術でフュージョン!

そして膝丸燈が捕らえたゴキブリの脳みそを調べると「とある地下水路」が見える。ツッコミどころもありますがスルーします(笑)

テラフォーマーズ18巻 斉藤翔
(テラフォーマーズ 18巻)
するとそこには膝丸燈の小学校の同級生・斉藤翔がいた。どんな再会の場面やねん。日本は更に格差社会が進んで地下水路内に住むホームレス(モグラ族)が数万人いた。斉藤はその一人であり、モグラ族のボスだった。

それにしても素手でゴキブリを倒すんじゃねーよ。今までの戦いは何やってん。というか華麗に脳みそを食してるんじゃねーよ。『トリコ』か。ただ宇宙からの来訪者ということではなく、テラフォーマーたちは「地底人」と思われているらしく、この内臓は高く売れるらしい…誰が何の目的で買ってるんや?(笑)

とりあえず、東京の地下水脈はゴキブリ10万匹が巣食っているアジトと化していた。結果、膝丸燈たちが乗り込んだ結果、「ゴキブリ VS 一警護」の戦いが勃発する。

テラフォーマーズ18巻 膝丸燈 キマイラブラッド
(テラフォーマーズ 18巻)
そこで膝丸燈たちが新たに手にした技術が「キマイラブラッドオペレーション(CB技術)」。略称のCBではなく、素直に「キマイラブラッド」と表記した方が分かりやすいだろ。フリガナが小さすぎて読めねーよと思いますが、前述の斉藤翔は闇バグズ手術で「フタホシコオロギ」に変化することができた。

斉藤の肩を噛んで血を吸うことで、この能力を掛け合わせる能力が「キマイラブラッド技術」。言ってしまえば『ドラゴンボール』でいうところの軽い「フュージョン」。血液にはDNAが含まれているので、そのDNAを増幅させることで変態できるらしい。

テラフォーマーズ18巻 膝丸燈 キマイラブラッド2
(テラフォーマーズ 18巻)
圧倒的な跳躍力でゴキブリを瞬殺。画像は分かりづらいかも知れませんが、天井越しに地面を見ている場面。キマイラブラッド技術は「10秒しかもたない」んだそうですが、あまりに強すぎて膝丸燈いわく「永遠に感じるな」とのこと。


ジャパンランキング2位の染矢龍大

膝丸燈はその場は乗り切ったものの、あくまでアジトとは言っても一部。巨大に張り巡らされた地下水路の本丸は不明。そこで重要になってくるのが、17巻でも蛭間が言ってた「ジャパンランキング」を持つ能力者の存在。

どれだけテラフォーマーたちを捕獲できるかの序列化したのが「マーズランキング」だったのに対して、「ジャパンランキング」はどれだけテラフォーマーから警護対象者をどれだけ護ることができたかで序列化されてる。「一警護」という民間軍事会社だからってことですが、この発想は嫌いじゃないという読者は多そう。

テラフォーマーズ18巻 染矢龍大
(テラフォーマーズ 18巻)
このジャパンランキングの二位が染矢龍大(そめや・たとぅひろ)。ヒグマ型のゴキブリ(MO手術を行ったらしい)に対してもフルボッコ。

この染矢はジョセフ・ニュートンとマーズランキングでは同等の強さを持つ。フィジー国籍のラグビー選手と中国系ロシア人モデルの間に産まれたので、染矢はニュートン家の血は一切入っていないんだそう。作中では「奇跡の日本人」といった表現。ただロシア人とフィジー人から産まれてるんでツッコミどころはなくはない(笑)

他にもジャパンランキング7位には「サムライソード」という女の子キャラも登場。今後はこのランキングが重要な役割を果たすのでしょう。


人間を飼育するゴキブリさん

そして再びゴキブリの脳みそから映像を取り出すと、そこには大ボスらしきゴキブリ。そいつが何やら祈祷している姿が見えた。知能が高いが故に神の存在を認識するゴキブリたち。「神よ…これから貴方の意思に反して他の生き物に、ただ捕って食べるよりもひどいこと」をしようとしていた。

テラフォーマーズ18巻 ゴキブリが人間を養殖
(テラフォーマーズ 18巻)
つまりは人体実験。ゴキブリたちは人間を研究材料にして「何か」をしようとしていた。「神への祈り」とは「自分たちだけが他の生き物とは違う」という気付きそのもの。冒頭で起きたお風呂のシーンも、人間を拉致してる場面の一角だった。

人間を収容しておくケースを誰が作ったんや?などツッコミどころはありますが、地球上で「祈る生物」が2つ現れたらどうなるか。言うまでもなく、衝突。どうやら第三部ではゴキブリたちと、いわばガチンコ宗教戦争が始まるらしい。


総括


『テラフォーマーズ』18巻のネタバレ感想ですが、地球に舞台を移しても違和感なく読めます。テラフォーマーの意味は「ゴキブリ」なので、あくまで別に舞台はどこでも構わないってことでしょう。地球ならではの展開を作っていくかが重要になってくると思いますが、それは火星のときよりもやりやすそう。あとはファン読者がどう受け入れるかか。

ただ相変わらず、時間軸や時間設定はツッコミどころは多い。『テラフォーマーズ』の話は27世紀ということで、現在から500年後600年後の話。でも冒頭から膝丸燈がスマホでLINEらしきアプリでやり取りしてたり、割りと最近っぽい空気感がプンプン。

「日本」や「日本人」や「東京を守る」を前面に出すのも良いんですが、さすがに500年600年も経過してるわけなですから、国や民族という概念が更に曖昧模糊としてるはず。今から500年前の中国は「明」という国だった。日本の首都は江戸だった。そういうことをアピールするのにどれだけ意味があるのか。

テラフォーマーズ18巻 8代目東京タワー
(テラフォーマーズ 18巻)
あと最大の要所(ラストの戦いの舞台?)である「8代目東京タワー」に関しても、え?なにそれ?というかスカイツリーどこ行ってん?ノリ的には「5代目金閣寺」「7代目原爆ドーム」とか言ってるのに近い。時間の差の使い方は上手くない。

ちなみに「テラフォーマーズのどこが面白い漫画?」という考察記事はレビュー済み。