『テラフォーマーズ』17巻のネタバレ感想。原作は貴家悠、作画は橘賢一。ヤングジャンプ(集英社)で連載中のSFバトル漫画。「テラフォーマーズは面白い漫画?」という考察記事はレビュー済み。


コスモポリタンとは?

テキトーにざっくり17巻の流れをレビューしてみます。

テラフォーマーズ17巻 エイリアンエンジンウイルス
(テラフォーマーズ 17巻)
AE(エイリアンエンジン)ウイルスはゴキブリを進化させ、現在地球人を苦しめている根源。かつて太陽系の惑星には同じ文明・ラハブが支配していた。そのラハブが地球人たちに火星で殲滅させるためにAEウイルスを作った。そのAEウイルスはピラミッドの下に大量に隠されていた。

これでワクチン作れるよ!ってことらしい。ワクチンを作れば病気が根治して、MO手術が確実に成功するとのこと。そして世界各国が争奪戦へみたいな展開。

テラフォーマーズ17巻 コスモポリタン
(テラフォーマーズ 17巻)
そこに現れたのが「コスモポリタン」という謎の組織。説明を読むと「国籍や国民感情にとらわれない人。世界主義者」とのこと。

テラフォーマーズ17巻 ファティマフォンヴィンランド エロネ新界
(テラフォーマーズ 17巻)
二人の名前は、ファティマフォンヴィンランドとエロネ新界。確かに無国籍感があります。そしてニュートンの親戚と名乗る。つまり16巻で死亡したジョセフ・ニュートンの関係者。中国軍からそのジョセフ・ニュートンの遺体を奪還しにきた。そして何かの情報を渡して、膝丸燈ともう一人のメガネ女(ファースト)を追わないことを確約させる。

ただテラフォーマーズ風に表現すると、ジョセフ・ニュートンの遺体は遺体ではなかった。

テラフォーマーズ17巻 ジョセフとエヴァ
(テラフォーマーズ 17巻)
実はジョセフはプラナリアの能力を持っていたエヴァでMO手術を敢行していた。プラナリアの「再生能力」を引き継ぎ、真っ二つにされた身体を復活させる。エヴァのお胸がポロリンチョしてるので画像は加工しました。パイパイが見たい方は自分で是非。

そしてジョセフは「じゃあ火星にいるゴキブリは地球に来させなくていいね(ニヤリ」。ジョセフたちは「コスモポリタン」たちは一体何を目論む?…みたいな場面で17巻が完結。そして『テラフォーマーズ』の第二部が完結。第一部はどこで終わってんって感じですが、多分1巻のこと。18巻からは第三部の地球編が始まります。

すっかりテラフォーマーズ(ゴキブリたち)は脇役化しちゃってる感もありますが(笑)


劉の献身

エロネ新界たちが訪れる前に、タコ男である劉の過去編が始まります。生まれ故郷は極貧状態で、地球温暖化対策のための被害に遭った的などーのこーの。

テラフォーマーズ17巻 劉
(テラフォーマーズ 17巻)
とりあえず劉の最期の奮闘してる場面はカッコいい。

テラフォーマーズ17巻 劉の心臓を小町小吉へ
(テラフォーマーズ 17巻)
そしてタコは3つ心臓があるらしく、小町小吉に自分の心臓をプレゼントする劉。技は死神転生。アシモフたちも死亡するものの、結果的に小町小吉だけ生き残る。小町小吉は中国軍に身柄を拘束されたことが、今後の展開にどう活かされるのか。

テラフォーマーズ17巻 劉のぶかた地
(テラフォーマーズ 17巻)
また部下たちは劉の遺志を汲み取って、自分たちだけは生き残る道を泣きながら選択する。劉や部下たちは中国軍を裏切ったものの、その罪を劉が全部一人で背負ったカタチ。部下も同じように貧しい村出身だったらしく、組織全体を変えるという劉の遺志を継ぐ。


ダメ出し

ラストは『テラフォーマーズ 17巻』のツッコミどころをテキトーにピックアップ。まずは劉の過去編。明明という女キャラと若い頃に語り合ってる場面。

テラフォーマーズ17巻 劉と明明1
(テラフォーマーズ 17巻)
このページだけ見たら、お互いがどれほどの距離感で立っているのか、また向き合ってるのかすら分かりません。二人で仲良く夕日でも見てるのかな?って感じもします。

テラフォーマーズ17巻 劉と明明2
(テラフォーマーズ 17巻)
ただ直前のコマがコチラ。お互いが至近距離でしっかり向き合ってる。この距離感で向きあえば、劉の目線は絶対に下向きになるはず。だから何見て喋ってんの?(笑)

ここまで目線が合わないとむしろ清々しい。原作(ネーム)の段階でアウトなのか、作画の方が問題なのか知りませんが、とにかく遠近感が割りとメチャメチャ。

ただ冷静に見てみると、このコマも若干不自然。左のコマが基準となる距離感だとしたら、右のコマは二人は離れすぎてる。お互いの距離が10メートル20メートルぐらい離れてなきゃ、こんな絵にはならない。そもそも最初手すりを背にして立っていたのは劉だったのに、左のコマでは明明に変わってる。え?いつ瞬間移動したの?(笑)

テラフォーマーズ17巻 ゴキブリが多すぎる
(テラフォーマーズ 17巻)
例えば、ファティマフォンヴィンランドとエロネ新界の「コスモポリタン」たちが大量のテラフォーマーをゲットしてくるシーンも象徴的。ゴキブリはほぼ人間大サイズとはいえ、乗ってきた戦艦の大きさを考えるとさすがにゴキブリたちが多すぎる。よく見ると大半は腕だけっぽい。よく分かりません。

作画の人は基礎的な画力やデッサン力が身についてない。こんな分かりやすい場面で何もできてないってことは、言うまでもなく他の場面でできてるはずがない。視線には色んな情報が詰まってるワケですから、『ゴールデンカムイ』や『進撃の巨人』などを是非参考にして欲しいなと思います。

テラフォーマーズ17巻 劉の面影ゼロ
(テラフォーマーズ 17巻)
そもそも劉が幼少期にトレードマークであるメガネを掛けてないのも気になった。もちろん「極貧村の出身」という設定がありますが、それでもレンズが欠けてるなどボロボロのメガネを掛けさせたらいい。

せめて百歩譲って極貧を脱出した青年期では掛けさせるべきでした。前述の視線がチグハグの画像の場面を参照。「何故、劉がメガネを掛けていないのか?」という明確な理由が見当たらない。理由がないのであれば、同じようにメガネを掛けさせておくのが一番無難なんです。

だから基本的に原作者も何も考えてないんだろうなーと。もっと言うと、劉が何故メガネを掛けていたのかすら何も理由を考えてなかったはず。だから今回のようなチグハグの行動しか取れない。意味がない事をされても読者は混乱するだけ。


総合評価


第二部完結という節目の巻数ではありますが、『テラフォーマーズ 17巻』の感想としては、何故読みづらいのかという理由が改めて分かった気がします。原作者の頭の中で、ちゃんとキャラクターがどの位置にいてるかすら把握できてない。そんなものを読者が理解できようはずがありません。目先の事ばかり考えない方が良いと思います。

作画の人は、漫画家として持ってる武器が少なすぎる。あるポーズはバチッと決まって描けるものの、逆にそれ以外のポーズは一切何も描けない。工夫の幅が狭すぎる。ワンパターンからの脱出を意識してマンガを描いて欲しいです。『テラフォーマーズ』にはキャラクター表が載ってないのも、キャラデザがワンパターンだとバレないようにという意図があると思います。