『食糧人類-Starving Anonymous-』のネタバレ感想をレビュー。作者は水谷健吾(原案)、蔵石ユウ(原作)、イナベカズ(作画)。掲載サイトはeヤングマガジン。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックのサバイバル漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入が可能です。

最近「新型インプレッサ vs ゴルフ」や「新型ルーミー・トール vs ソリオ」といった自動車比較記事を書いてたりしてました。

それはさておき、今回は割りと内容が衝撃的だったのでレビューするか迷ってたんですが、『食糧人類-Starving Anonymous-』が面白いか面白くないかサクッと感想を書いてみた。もちろん閲覧注意。


「食糧人類」のあらすじ物語 ストーリー内容

主人公は伊江(いえ)。どこにでもいる男子高校生。いつものように学校帰りにファストフード店で骨なしナゲットを、いつものように友達とダベりながら食べていた。そしていつものように帰宅するためにバスに乗っていた。そして事件が起きた。

食糧人類1巻 あらすじ1
(食糧人類 1巻)
バス車内の乗客が突如として意識を失った。伊江が運転手に何が起きたかを尋ねに行くと何故か運転手はガスマスクを被っていた…ことを確認した瞬間、カズも意識を失った。明らかにバス車内に睡眠ガスみたいなものを充満させられていた。

伊江が気付くと、自分の周囲には冷凍されてカチコチに固まった無数の人間が転がっていた。そして、それらが淡々と解体されていく。あまりに異様な光景に伊江は「本物の人間ではない」と思うしかなかったが、作業員と思しき男から更なる恐怖の言葉をかけられる。「ココからは絶対に逃げらんねぇからよー。兄ちゃん覚悟決めといた方がいいぞ」。

伊江は冷凍人間にはされなかったが、ある場所に突き落とされる。そこにはかつての親友・カズがいたが、何か様子がおかしかった。
食糧人類1巻 あらすじ2
(食糧人類 1巻)
この状況からいかにして逃げるべきか考えるべきなのに、天井からぶら下がったホースから大量に流れ出てくる「ナゾの甘い水」に延々と飲み続けていた。明らかにその水を飲んではいけなかった。何故なら、周囲には同じくナゾの水を飲み続けるブクブクと太った無数の人間がいたから。

食糧人類1巻 あらすじ3
(食糧人類 1巻)
伊江も喉の渇きから口にしそうになったが、それを静止してくれたのは既に数日前から監禁されていた山引とナツネ。そして二人から衝撃的な事実を知らされることになる。ここは「人間を繁殖するための飼育室」であることを。先程の水は人間を薬漬けするための液体だった。

そもそも山引やナツネは味方なのか?果たして主人公・伊江はこの人間繁殖施設から逃げ出すことはできるのか?そもそも人間繁殖施設の目的とはなんなのか?…みたいな内容のマンガ。そしてここからは閲覧注意。


食糧人類は閲覧注意なグ口描写満載

結論から書いておくと、『食糧人類』の内容はかなりグロいっす。いやグログロっす。ファイト一発!グロビタンD!って感じです(なんのこっちゃ)。本当に割りとガチで閲覧注意なので行間を空けておくので、そういうのが苦手な方はバックしてください。。














食糧人類1巻 冷凍解体
(食糧人類 1巻)
一番印象的な場面が冷凍した状態を解体する。ただの人形にしか見えませんが思わず冷凍マグロか!とツッコミを入れてしまった。だから、この一線は超えちゃダメだろっていうラインを簡単に超えてきてる。

今絶賛問題視されている汚物まみれの豊洲新市場では、こんな使い道しか残されていないのかも知れない。でも人間の頭蓋骨はマグロの骨より硬いはずですから…と詳しく想像しただけで思わず喉奥から酸っぱいものがこみ上げてきます。

あらすじや漫画タイトル『食糧人類』からも分かりますが、まさに「人間」がこんな扱いばっかり。ヤバすぎて笑っちゃいます。単なる「飼育されるだけの食糧」に対していちいち気兼ねを持つ意味がないと言わんばかり。

「生殖種」と呼ばれる女性は無理やり何人も赤ちゃんを産ませる。優秀な生殖種であれば、18歳で20人以上を産んでいることもザラ。排卵誘発剤を使って三つ子四つ子を何回も産ませてる。言葉で説明するだけでも色々とアレですが、他にも人間の全身の皮を一気にベリッとめくるような描写や部位が切断されてしまうような描写が多々あります。

食糧人類1巻 グロ描写
(食糧人類 1巻)
この怯えた表情が何もかも証明してくれてると思います。

「コイツらにも家族とかもいたろーになぁと思うとさ、なんだか気の毒に思えてなぁ」
「コイツらが運悪く構ってコロされるから俺たちやその他大勢がこうして生きられる訳じゃないですか。だったらやたらと可哀想がるんじゃなくてもっと感謝すべきだと思うんスよね」

…といったセリフなど完全に人間が飼育化・家畜化されてることしか伺えない。細かい端々の演出からもたらされる空気感の作り方も完全にヤバい(上手い)。


オチをネタバレするのがやや早い

ただ前述の画像を見たら少し分かりますが、「何故人間が食糧になっているのか?」という核心部分にあたるオチをネタバレするのが早い。

食糧人類1巻 ネタバレが早い
(食糧人類 1巻)
結論から書いておくと、食糧である人間を食べてるのはナゾの異生物。実在するイモムシも見た目はかなりグロテスクですが、もちろん巨大化させても気持ち悪いままです(笑)

つまりこの異生物のために人間繁殖施設(人間養殖施設)が運営されているわけですが、漫画的には「ありきたりなオチ・ネタ」とも言えます。リアルだと絶対に有り得ない話ですが、マンガの中だと割りとありうる設定。だからこそもう少し3巻4巻ぐらいは展開は引っ張っても良かった気がする。

もちろん内容が内容なので「異生物」を絡めなければ、単なるスナッフ漫画になってしまう。そこを回避しなければいけないという「大人の事情」があったもやと想像はされますが、人間をどう調理・料理するのかといった展開に広げることもできたはず。

つまり『食糧人類』の今後の展開は「ひたすら食われる」以上でも以下でもないストーリーが待っていると想像されます。人間を食糧にしているのは何なのか?その目的は何なのか?といったことが語られてしまったら、もう展開としてなかなか広がりようがない気がします。


物語のカギとなる二型・2型とは?

一応『食糧人類』の今後のカギを握りそうなワードが「二型(2型)」。

食糧人類1巻 2型 二型とは?
(食糧人類 1巻)
主人公の伊江が繁殖施設の職員に言われた言葉。伊江は麻酔ガスや催淫剤(?)を吸い込んでも、何故かあまり効果がない。だからこそ繁殖施設から脱出を試みようと画策できてるわけですが、そこがキーポイントになりそうです。

ありがちな展開としては異生物を操ることができる能力を有しているなどそういった展開も予想されます。ただ末端の作業員が知ってるぐらいなので、単なるエサとしての種類程度の意味しかない可能性も高いか。


食糧人類の総合評価 評判 口コミ


『食糧人類』のネタバレ感想をまとめると、1巻の段階ではまあまあ面白い。『進撃の巨人』から始まるようなタブー中のタブーを犯した問題作。作者・イナベカズの画力が高いのでグロ描写は良くも悪くも見る価値はある。

食糧人類1巻 伊江カズ
(食糧人類 1巻)
冒頭に「食べる場面」から始めてるのも、演出としては非常に底意地が悪いです。読者は「食べる行為」を否が応でも想像してしまう。お腹が減っていたら今日は何を食べよう、お腹が満腹だったらさっき食べた食事を思い出す。その流れでの人体解体ショー。もう吐き気しか覚えない。

どうしても『食糧人類』の設定など出落ち感は否めないものの、あくまでサバイバル漫画として評価したら5巻ぐらいまでは楽しめそうか。もちろん読者をかなり選ぶ漫画であることに違いはないので、「気持ち悪い」のが嫌いな読者や小中学生も読まないことを強くおすすめします。

ちなみにマンガ考察ブログ・ドル漫では既に【結末】食糧人類 最終回 ネタバレ感想まとめもレビュー済み。どうやって最後は助かったのか?最終回は打ち切りだったのか?など結末も詳細に考察してるので、ネタバレが嫌いな方は閲覧注意。