『Spotted Flower』1巻2巻のネタバレ感想をレビュー。作者は『げんしけん』で有名な木尾士目。掲載誌は楽園 Le Paradis。出版社は白泉社。ジャンルは青年コミックのラブコメ漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

今回も『Spotted Flower』が面白いのかつまらないのか、さっくり感想をレビューしたいと思います。


Spotted Flowerのあらすじ物語 ストーリー内容

Spotted Flower1巻 あらすじ1
(Spotted Flower 1巻)
主人公はどこにでもいる夫婦。なんだか冴えなさそうな眼鏡のダンナ(左)と、ちょい美人めの奥さん(右)。見た目さながらダンナはゴリゴリのオタク。一方、奥さんは普通の非オタ。普通であれば女性から忌み嫌われるものの、どうやらこの夫婦はお互い理解し合っている様子。

『Spotted Flower』の内容としては、ざっくり言うと重度のヲタ旦那と寛容な非オタ嫁とのラブコメ漫画になります。果たしてオタクと非オタクは一体どういう夫婦生活を送っているのか?どんなことでケンカが勃発するのか?…といった悩みや日常生活をコミカルに描写されています。

ただマンガの視点は、あくまで旦那(オタク)側。そのためオタクが結婚したら「奥さんにはこうあってほしい」「こう接してきてほしい」という現実逃避的な願望が緩やかに体現されている夫婦マンガに近い印象を受けます。

例えばリアルで奥さんにこんな発言したら確実に離婚もの、もしネットで呟けば間違いなく炎上しそうな言動を旦那がしたとしても、奥さん側は母なる大地のような寛大な心で受け止めてくれる(スルーしてくれる)。それでもオタク旦那を好きでいてくれる。

「懐妊」「子育て」などが一つのテーマということで、おすすめ国産ミニバン車ランキングソリオ vs ルーミー・タンクの比較フリード vs シエンタの比較といった自動車記事もどうぞ。自分は漫画以外にも自動車ブログ[くるまン]を運営してるので良かったらどうぞ。


登場人物はげんしけんのメンバーたち?


ただ、実は『Spotted Flower』に登場するダンナや奥さんには名前(キャラ名)がない。普通はキャラ名で呼び合うのが当たり前。そういった常識ができてないマンガも世の中には多い。

ただ『Spotted Flower』ではしっかり意味がある演出。「一般オタクと一般女性の日常・妊婦生活」を描いたい?ノンノン。実は『Spotted Flower』の世界観や登場人物は『げんしけん』に登場してるキャラクターたち。厳密にはそうであると作者・木尾士目は言及していないものの、明らかに「そうである」「その続きの世界観」としか思えない。

げんしけん9巻 斑目晴信と春日部咲
(げんしけん 9巻)
ハッキリ言ってしまうと、つまりダンナは斑目晴信であり、奥さんは春日部咲。斑目晴信はまだしも、春日部咲については髪の毛が変わりすぎて全く気付かなかったのは内緒。だから漫画タイトルの『Spotted Flower』もまさに二人のことを指し示してる。「Spotted」を日本語に直訳すると「斑の」という形容詞。「Flower」は「花が咲く」という動詞

spotted flower1巻 春日部咲
(Spotted Flower 1巻)
例えば奥さんこと春日部咲のママ友も大野加奈子と考察されます。そら大きいはず。ママになっても大野加奈子はコスプレ好きは健在。そのため『Spotted Flower』内では、奥さんこと春日部咲は格好の餌食になっていたりなかったり。

斑目にゾッコンだった波戸賢二郎に至っては、プロのマンガ家として矢島美怜と共に大成。『げんしけん』のラストで矢島美怜が「自分の実力を認めさせて波戸の気持ちを自分に振り向けさせる」と決意してたことを考えると感慨深いものもあります。

spotted flower2巻 斑目と波戸賢二郎

旦那こと斑目晴信は波戸賢二郎と仕事関係で繋がってる。しかも波戸賢二郎は見た目通り…。叶姉妹も真っ青の人口ボディーを手に入れた模様。斑目との過去が過去だけに、波戸賢二郎がたまーに暴走しちゃう場面もあって最終的には…/(^o^)\

spotted flower2巻 スザンナ・ホプキンス
(Spotted Flower 2巻)
他にもスザンナ・ホプキンス(スー)もちゃっかり登場してて、さながらロシアの暗殺者風。身体的変化が凄まじすぎるやろ。社会人になった後も波戸賢二郎と矢島美怜と友達関係は続いており、相変わらずオタ趣味を介してワイワイガヤガヤされている様子。

Spotted Flowerとげんしけんはあくまでパラレルワールド


でも『げんしけん』内では、斑目晴信と春日部咲は当然にして付き合ってない。むしろ斑目は完全にフラレちゃってる。だから『Spotted Flower』はいわゆるパラレルワールド的なスピンオフ漫画。作者・木尾士目的には斑目救済のために描いてるだけらしく、基本的には「げんしけんの登場人物たちにこんな未来もあったかもねー」というマンガらしい。

そのため『Spotted Flower』は良くも悪くもツッコミどころ満載ではあるものの、それぞれの社会人として成長したメンバーを見ることができて面白いと思います。斑目が幸せそうに過ごしてる姿も含めて、もう『Spotted Flower』の世界観はパラレルワールド(if)ではなく「正史(real)」とすら思えることも。

正直個人的な感想を述べるなら、高坂と春日部咲があのままゴールインするとは思えない。ましてやスザンナ・ホプキンスもクセが強すぎるので、そのまま斑目晴信と長期に渡って付き合えるとも思えない(笑)


Spotted Flowerの総合評価 評判 口コミ


『Spotted Flower』は「げんしけん」のスピンオフ漫画としては面白い

最初はどっかにいるかも知れないオタク夫婦の痛いエピソードに笑いつつも、なんだか奇妙な不思議な既視感に襲われる。この違和感の正体が分かりそうで分からない(分かりたくない)まま読み進めていくと、徐々にかつて見た「げんしけんの世界観」が明確に縁取られていく過程は心地良い。

ハッキリと最後まで登場人物たちが何者であるかを説明しないのが心憎い演出であり、それこそが『Spotted Flower』の醍醐味。スピンオフ漫画であるにも関わらず…という逆説的な攻め方が良い意味で面白いギャップ感に繋がってる。

まさに「明言しない妙」。例えば出産シーンもあまりに斬新過ぎる表現手法に爆笑してしまいました。作者・木尾士目のアイデアに脱帽。そのため露出度は意外と高いため、一部では「気持ち悪い」といった感想や評価が下されてることも。確かに好き嫌いが分かれそうな描写もズバッと描かれてることもあるので注意。

とはいえ、『げんしけん』ファンにはおすすめの一冊。今後は笹原や荻上千佳、高坂といった主要な登場人物たちが社会人になった姿を多くのげんしけんファンが見たいはず。