『双亡亭壊すべし』1巻のネタバレ感想。作者は藤田和日郎。掲載誌は少年サンデー。出版社は小学館。ジャンルは少年コミックのSFホラー漫画。Kindleでもダウンロード可能です。面白いか、つまらないかの考察も若干込みです。


あらすじ物語 ストーリー内容

主人公は凧葉務(たこは・つとむ)。美大を卒業したばかりの自称・絵描き。具体的には絵本作家を目指しているらしい。

双亡亭壊すべし1巻 凧葉務 タコハ
(双亡亭壊すべし 1巻)
ただ出版社に持ち込んでも良い返事をもらえた試しがない。自信だけはムダにあるけど、全く実力が伴っていない。いや正確には出版社の人間曰く、「独りよがりな絵すぎてコドモは喜ばない」とのこと。いわゆる他人が何を求めてるかよりも、まずは自分の価値観を押し付けたがる、ありがちな作家気質。

この凧葉が住むボロアパートの隣には幽霊屋敷「双亡亭」があった。ある日、そこへ緑郎(ろくろう)という少年が引っ越してくる。凧葉は酷評された絵本を見せると、緑郎は喜んでくれた。初めてコドモに絵本を見せることで得たものは大きかった。二人は年齢の垣根を超えて仲良くなる。

しかし緑郎が住む双亡亭が火災。負傷した緑郎が運び出されると、そこには可愛げがあった面影は一切なかった。
双亡亭壊すべし1巻 緑郎1
(双亡亭壊すべし 1巻)
パパがあの家に食べられちゃった」と恐怖で血の涙を流す。そして緑郎は発狂の余りに大声でゲラゲラと笑い出す。

その直後、総理大臣と防衛大臣が双亡亭の破壊を命じ、次々と航空機が爆撃していく。二人は学生時代に双亡亭に足を踏み入れたことで、並々ならぬ執念を燃やしていた。「双亡亭を壊すべし」。

双亡亭壊すべし1巻 鉄球を呑み込む双亡亭
(双亡亭壊すべし 1巻)
しかしながら双亡亭は無傷。浅間山荘事件のように巨大な鉄球で壊そうものにも、その鉄球を軽く飲み込んでしまう。仮に破壊できたとしても、双亡亭はすぐさま再生される。明らかにこの世のものではなかった。

そして総理大臣による爆撃命令が行われた最中、40年前に消息不明になった航空機が突如として出現。その飛行機の中にいたのが、同じく40年前に失踪した凧葉青一。苗字からも分かるように凧葉務の親類(祖父の兄の息子)だった。だから関係的には大叔父とかにあたるんだと思いますが、しかし見た目の年齢は12歳当時のまま。

双亡亭壊すべし1巻 凧葉青一 せいいち
(双亡亭壊すべし 1巻)
この凧葉青一も「双亡亭壊すべし」の呪いに取り憑かれている。凧葉務が描いた双亡亭の絵にすら反応して攻撃してくる。そもそも青一の腕や手はドリルのように変形。この失踪していた期間に、青一の身に一体何があったのか。どこで体得したのか。いや、そもそも人間としてカテゴライズしていいのか。

双亡亭壊すべし1巻 緑郎2
(双亡亭壊すべし 1巻)
やはり同じく呪いに取り憑かれた緑郎と共に、凧葉青一は双亡亭へ向かう。すっかり変わり果てた緑郎を助けるために、凧葉務と圧倒的な霊能力を誇る緑郎の姉・柘植紅(つげ・くれない)も別行動で双亡亭へ向かう。

そして国家や軍隊を含めて、次々と双亡亭に集い出す破壊者たち。一体双亡亭とは何なのか?何のために建てられたのか?その意味とは?そもそも何故破壊しなければいけないのか?何故人々はそうまでして破壊にいざなわれるのか?破壊した先に何が待っているのか?

運命の歯車が動き出す。


総合評価 評判 口コミ


『双亡亭壊すべし』のネタバレ感想をまとめると、藤田和日郎らしく相当プロットが練りこまれている印象。過去と現在を繋げるタイムリープ的な演出は健在。もはや匠の技と表現してもいいと思うので、今作『双亡亭壊すべし』でも遺憾なく見せつけてくれそう。そういう点では面白いかもと期待できます。

一見するとホラーっぽいマンガのような気もしますが、少年・緑郎は「双亡亭はお化けとかそんな感じのモノじゃない」と語ってる。実際お化けの類いであれば、霊能者である姉・柘植紅に頼めばいい。では双亡亭には一体何が潜んでいるのか?

双亡亭壊すべし1巻 緑郎パパ
(双亡亭壊すべし 1巻)
また緑郎のパパが「ある絵」に引きずり込まれて食べられる。再び絵から出てくると、全くの別人と化す。そして「緑郎…この家はダメだ…ここを壊すものを呼んでこい」と促す。だから双亡亭自身が自らの破壊を望んでいる雰囲気。まさに「双亡亭」という謎に尽きる漫画。

ただストーリーのゴールである「双亡亭」が最初から明らかになってる状態。また目的も「壊す」こと。いわば「出落ち」もいいところのタイトル。「双亡亭」以上でも「双亡亭」でも以下でもないストーリー内容。

それ故に読みやすいはずですが、だからこそどこまで連載が続くかは不明。藤田和日郎作品はこれまで『うしおととら』や『からくりサーカス』『月光条例』など30巻40巻と長期連載作品が多かった訳ですが、今作は20巻と待たずに完結すると予想してみる。

また最終回で結末を迎えたら再レビューしたいと思います。