進撃の巨人』18巻のネタバレ感想。作者は諫山創。別冊少年マガジン(講談社)で連載中。既に進撃の巨人17巻のネタバレ感想はレビュー済み。


エレンの母ちゃん・カルラの話

『進撃の巨人』18巻はキース・シャーディスというツルッパゲの教官へ会いに行こうとした続き。このキース・シャーディスは『進撃の巨人』1巻の序盤も序盤で登場した、おめおめと帰還した調査兵団の団長だったオッサン。言われてみたら、確かに目元が若干似てました。

このキース・シャーディスが主人公・エレンの父親であるグリシャと出会った頃の話が始まります。二人が初めて出会ったのは、ウォールマリア・シガンシナ区の壁外。つまり、このことからグリシャは巨人化の能力を保有してたことが分かります。

ざっくり言うと、「キースしょっぼー」という過去話。キースはカルマという女性が好きだったものの、それをグリシャに奪われてしまう。最初はキースとグリシャは仲が良かったものの、そこから本格的に疎遠になってしまう。

しかも指揮官としてキースは無能。昔の日本軍さながらで、巨人と正面から戦う単調な戦術ばっかを選択した結果、犠牲ばかりが増えていく。そこへ彗星のごとく現れたエルヴィンに後釜を結果的に譲ることとなります。

そして再びストーリーは1巻の、ウォールマリアが超大型巨人(ベルトルト・フーバー)に襲われた直後のクダリへ。母カルマが亡くなったことで、父グリシャはエレンに巨人の力を譲ることを決意。その結果、グリシャは亡くなってしまう。

ちなみに父親グリシャはウォールマリアが破壊された直前に、レイス家に乗り込んでフリーダから「無敵の力」を奪ってた。それが『進撃の巨人』16巻前後の話になります。さすがにストーリーが少し複雑になってます。

進撃の巨人18巻 カーディスとエレンの母親カルマ
(進撃の巨人18巻 諫山創/講談社)
とりあえずキースの回想シーンで、エレンの母・カルマが意外にめっちゃいい母親。カルマといえば巨人に握りつぶされる直前に「い、行かないで」と思わず声が出たことで有名。まさに、その面目躍如と言わんばかりの描写。

特別じゃなきゃいけないんですか?絶対に人から認められなければダメですか?少なくとも、この子は偉大にならなくてもいい。だって見て下さいよ、こんなにかわいい、だからこの子はもう偉いんです、この世界に生まれてきてくれたんだから」と小難しい表現を使ってないセリフですが、結構グッと来る。

進撃の巨人18巻 リヴァイとエルヴィン
(進撃の巨人18巻 諫山創/講談社)
例えば、リヴァイが戦場に自分も行きたいと駄々をこねるエルヴィンに対して、「オイオイ 待て待て これ以上俺に建前を使うなら お前の両足の骨を折る」というセリフも何か好きでした。作者・諫山創はセリフを作る力が高い。


ウォールマリアは奪還できるのか?

そしてストーリーはウォールマリア奪還作戦へ移ります。要はエレンの父・グリシャが秘密を隠した「地下室」へ向かいます。先程はリヴァイにフルボッコされかけたエルヴィンですが、自らの強い意志を示すことで何とか説き伏せます。「地下室」にはどんな謎が隠されているのか?その秘密を知った時、エルヴィンが展開にどういった作用をもたらすのか?みたいなこと。

ウォールマリアに再び足を踏み入れた調査兵団ですが、そこには一体の巨人もいない。不思議がる一行ですがチャンスとばかりに、その間にエレンの硬質化の必殺技で開けられた壁を埋めていく。

ただアルミンがある異変に気付く。それが地面に落ちていた、冷め切った「3つのポット」。それは「敵の巨人が最低でも3人」がいて、自分たち調査兵団がウォールマリアに訪れることを「そいつらは既に知っていた可能性が高い」という二点を指し示していた。

進撃の巨人18巻 壁からライナー
(進撃の巨人18巻 諫山創/講談社)
そしてライナーたちがどこに隠れていたかというと、例の壁の中。『進撃の巨人』の世界観を改めて説明しておくと、巨人たちが侵入してこないために巨大な壁を人類は作ってる。でも、その巨大な壁が実は巨人たちが硬質化の能力を作って作られてる。

進撃の巨人18巻 ライナーを襲うリヴァイ
(進撃の巨人18巻 諫山創/講談社)
でもリヴァイがライナーをソッコーぶっしゃー!この角度から攻めてくるリヴァイがヤヴァイ(笑)

このリヴァイの表情からも分かりますが、ライナーのウナジを躊躇なく攻めたものの、ライナーは運良く脳の機能を間一髪で全身に逃がしたことで一命を取り留める。そして鎧の巨人化されちゃいます。

進撃の巨人18巻 猿巨人の投擲
(進撃の巨人18巻 諫山創/講談社)
でもライナーだけじゃなく、ちなみに『進撃の巨人』17巻のラストでも登場した猿の巨人も襲ってくる。巨大な岩を投げて攻撃してくるんですが、まさかの完全な砲丸投げ。猿巨人は岩を投げた瞬間、完全に下の地面を向いてる。どんだけ本格的やねん。

進撃の巨人18巻 エルヴィンと戦士長の猿巨人
(進撃の巨人18巻 諫山創/講談社)
そして人類と巨人どもの最終決戦が始まる!!!的な場面で『進撃の巨人』18巻は終了します。もったいぶるやん!諫山創!


19巻以降の展開を軽くネタバレ

ちなみに『別冊少年マガジン』の最新号では、この『進撃の巨人』18巻の続きがすぐ読めました。その最新号によると、どうやら猿巨人はリヴァイと対戦する模様。

進撃の巨人75話 ライナー VS エレン
(進撃の巨人19巻 諫山創/講談社)
そしてライナー(鎧の巨人)は主人公エレンと再び対戦。作者・諫山創はUFCといった格闘技が好きなようなので、その趣味が遺憾なく発揮されたワクワクするバトル描写が展開されます。少しネタバレしておくと、エルヴィンたちが用意していた「秘密兵器」でライナーを追い詰めちゃいます。

進撃の巨人75話 四足歩行型巨人
(進撃の巨人19巻 諫山創/講談社)
猿の巨人やライナーたちは用意周到に準備してきた模様。四足歩行型の巨人がいて、コイツには色んな荷物を運ばせてる。この荷物は何なのかは不明。しかも知能が高くて、コイツが調査兵団たちの動向を監視していたのでこちらの動きがバレてた模様。

超大型巨人のベルトルトがまだ登場してないので、コイツがどこに隠れていて、どこのタイミングで登場するのかも「今後の展開の鍵」になりそうです。おそらく中途半端なまま結末を迎えることはないと思われるので、アニの存在も含めて楽しめそうです。

ちなみに、これらの謎の巨人の正体については進撃の巨人考察ブログの「9つの巨人正体まとめ」をご参照くださいませ。鎧の巨人など含めて、特殊な巨人は全部で9体ほど存在し、『進撃の巨人』の世界観にも大きな意味を持っております。

余談と蛇足

以下は『進撃の巨人』18巻のどうでもいい余談になります。

何巻か忘れましたが、『進撃の巨人』ではアシスタントさんが卑猥な反転文字を描いて少し揉めましたが、この『進撃の巨人』18巻でも反転文字らしきものを発見。

進撃の巨人18巻 反転文字
(進撃の巨人18巻 諫山創/講談社)
それがコチラ。ただ自分が読めたのは「27サイ シゴん+」。全く意味を成してません。作者・諫山創は何度も同じミスをしないと思うので、アシスタントさんが再びイタズラしたとは考えにくいので、何かしらの意図が込められてると思うんですが自分には分かりませんでした。

ちなみにコメント欄によると「シゴトヲクダサイ」とのこと。浮浪者が木の板を持ってることから特に意味はなさそうです。

進撃の巨人18巻 ウソ予告の小ネタ
(進撃の巨人18巻 諫山創/講談社)
今回もウソ予告があるんですが、イジメられっ子・アルミンを助けにやって来た巨人の話。「僕が君をイジメる人間を片っ端から食べてあげる!その見返りに君は僕をこの家で養うんだ!」と巨人に流暢に喋ると、更にキモすぎてヤヴァイ。

そもそもイジメっ子を食ってるんだとしたら、衣食住の「食」の部分は別にアルミンが用意しなくてもいいやん。てか、そもそも「衣」の部分も必要ないやん。トータルわざわざアルミンが養ってあげる必要もなく、ほぼ全ての面で事足りてるやん…と思わずツッコんでしまった。

とりあえず『進撃の巨人』19巻の発売は来年2017年4月頃になります。