『しあわせゴハン』のネタバレ感想をレビュー。作者は魚乃目三太。掲載誌はグランドジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは青年コミックのグルメ漫画。

今回も『しあわせゴハン』が面白い漫画かつまらないコミックか、簡単に考察してみたいと思います。AmazonのKindleや楽天などでもダウンロード購入・無料で試し読み・立ち読みが可能ですので、このネタバレ感想をテキトーに参考にしてみてください。


セリフ皆無の一話完結オムニバス形式


『しあわせゴハン』にあらすじはなく、一話完結のオムニバス形式のグルメ漫画になります。一話あたりのページ数は10ページちょっとと短め。そして『しあわせゴハン』で一番特徴的なのが、この記事タイトルにもあるように「セリフが皆無」ということ。

しあわせゴハン1巻1話1
(しあわせゴハン1話)
例えば『しあわせゴハン』1話目の登場人物は、中年のサラリーマン。満員電車に揺られながら通勤。吊革をつかんでるだけでも運が良いのかも知れない。トボトボと駅からの帰り道、思い出されるのは上司や取引先から怒られたこと。せつねぇぜ。

そこでふと目に止まったのがラーメン屋。このサラリーマンは離婚後、女房子供に出て行かれて台所には未洗浄のままの食器類。ヘトヘトに疲れた今、やはり自炊する気力がない。手軽に食べられるラーメン屋に吸い込まれないはずがない。

しあわせゴハン1巻1話2
(しあわせゴハン1話)
ビールいっぱいグイッと片手に出てきたのは、なんとも美味そうな中華そば。「これやでこれ。これを待ってましてんがな」と言わんばかりに、サラリーマンの眼鏡はキラリンチョ。スープをレンゲでいっぱい掬って飲めば、

しあわせゴハン1巻1話3
(しあわせゴハン1話)
あとはガムシャラにすする!!全てのストレスを発散するかのようにすするだけ!!!すしらーめんSUSURU.TV!!!

そしてサラリーマンは空っぽのラーメン鉢を後にして帰宅。最後は強面のラーメン屋のオヤジが、サラリーマンの過去や悲哀を見通してたかのようにニカッと笑う。セリフがないならないなりに、キャラクターの背景やドラマが読み取れるのが面白い。


泣かせてくれるストーリーが多め


特に『しあわせゴハン』は泣かせてくれるストーリーが一貫して多め。

しあわせゴハン1巻2話1
(しあわせゴハン2話)
例えば2話。上京したばかりと思しきOLさん。再配達で受け取った荷物は、実家で作った大量のジャガイモ。おそらく北海道出身か。

しあわせゴハン1巻2話2
(しあわせゴハン2話)
だからジャガイモは蒸して、そのままバターと塩コショウでパックリ食べるのが一番。このホクホク感がたまらないですよね。

しあわせゴハン1巻2話3
(しあわせゴハン2話)
OLさんがハフハフしながら食べると、思い出されるのはやはり家族のこと。決してジャガイモが熱いから泣いてるわけじゃない。そしてトドメに「たまには家に帰ってらっしゃい」という母親からの手紙。更に涙に拍車がかかる。

わずか10ページ足らずのボリュームで色んなドラマが見えてくる。

しあわせゴハン1巻9話
(しあわせゴハン9話)
『しあわせゴハン』9話だと、10代のときはどうしようもない不良だった息子が、大人になったら少し遅まきながらもしっかり社会人として働き出す。そこで初給料を使って、年老いた両親に奮発してお寿司をごちそうする。

この画像一枚だけでも背景のドラマが伝わって泣けてきます。

しあわせゴハン1巻5話
(しあわせゴハン5話)
この画像だと一コマだけですが、この表情だけで胸が詰まってくる。果たして、このお爺さんが抱える背景にどんなドラマがあったのかは実際に『しあわせゴハン』をごらんください。

しあわせゴハン1巻14話1
(しあわせゴハン14話)
個人的に一番グッと来たのが最後の14話。どうやら仲睦まじい中年夫婦のようなんですが、実は意外な仕掛けが伏線として張られてる。構成力の高さに舌を巻きました。

しあわせゴハン1巻14話2
(しあわせゴハン14話)
もう少しネタバレしておくと、ダンナが帰ってくるとテーブルの上でうたた寝してる奥さん。当然料理は作られてない。そして何故かいつも奥さんは笑顔でダンナが食べてる姿を眺めてるだけ。果たしてこの理由は?…という泣けるオチが待ってます。


しあわせゴハンの総合評価 評判 口コミ



どっかの感想記事を読んで触発されてレビューしましたが、『しあわせゴハン』は意外と面白かった。「セリフ無し」という奇抜な試みに挑戦してるものの、その試みが見事に成功。むしろ吹き出しって邪魔だなー…とすら思えてしまう。

作者・魚乃目三太の絵柄が素朴だからこそ、内容の純真さがしんみり素直に伝わってくる。漫画タイトル通り、テーマを「しあわせ」にしぼってるので読後感はどれもいい。

そしてストーリー性だけではなく、意外と料理もちゃんと美味しそう。個人的に一番ヨダレが出たのが、『しあわせゴハン』6話の男が冬空の下でかきこむカップラーメン。これはマジで美味そうだった。グルメ漫画としてもしっかりおすすめできる。