『背筋をピンと!鹿高競技ダンス部へようこそ』全10巻のネタバレ感想をレビュー。作者は横田卓馬。掲載誌は少年ジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは少年コミックのスポーツダンス漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読みが可能です。

この感想をレビューしてる時点ではまだ完結してないものの、どうやら最終回を迎えてしまう模様。そこで一足お先に『背筋をピンと!鹿高競技ダンス部へようこそ』が面白いかつまらないか総括的に考察してみました。

結論から書くと個人的にそこそこ面白かったです。それだけに打ち切り気味に終わったのは残念の一言。とりあえずまだ最終巻は発売されてませんが、ざっくりレビューしたいと思います。Amazonや楽天ブックスなどで『背筋をピンと』を購入する場合の参考にしてください。

ちなみにクルマ総合ブログ「くるまン。」では新型インプレッサ vs トヨタ・プリウスの比較記事なども書いてるので、自動車のフルモデルチェンジなどに興味がある方はあとでご覧くださいませ。この比較記事だと家族連れのファミリー層に役立つかも知れません。


背筋をピンとのあらすじ物語 ストーリー内容

舞台は鹿鳴館高校。通称、鹿高(しかこう)。

主人公はその鹿鳴館高校に入学したばかりの新一年生・土屋雅春(つっちー)。土屋には小学生の頃にトラウマがあった。それが運動会のフォークダンスの時に好きな女の子に「手汗びっしょりじゃん」と言われて以降、女子と接するのがちょっぴり苦手になってしまった。

その土屋雅春が部活動紹介で衝撃的な部活に出会う。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ1巻 あらすじ
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 1巻)
それが「競技ダンス部」。いわゆる社交ダンスをスポーツに昇華させたスポーツ競技。舞台上で繰り広げられるそれは激しく、きらびやかだった。思わず見入ってしまう土屋。

もちろん競技ダンス部は男女の密着度は高いスポーツであり、手汗びっしょり王子の土屋雅春は入部する気などサラサラなかった。でもそこは男子。露出度の高い女子生徒の姿を見て、スケベ心がうずかないはずがない。

他の男子生徒たちと共に興味本位で競技ダンス部をのぞく。ただそれが運の尽き。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ1巻 あらすじ2
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 1巻)
競技ダンス部の部長・土井垣真澄に捕まってしまう。見るからにアレですが、一応性別はオス。

この土井垣真澄の強引に勧誘されてしまい、あれよあれよという間に競技ダンス部に入ることとなった土屋雅春。そして同じく競技ダンス部に惹かれた、引っ込み思案の亘理英里(わたり)も土屋と一緒に入部することに。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ6巻 あらすじ
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 6巻)
『背筋をピンと!』の内容は、そんなどこにでもいる大人しい若者の土屋雅春と亘理英里がステージ上で輝く物語である。観客の注目を奪え!審査員よ俺たちを見ろ!!競技ダンスで青春よほとばしれ!!!

だから漫画タイトル「背筋をピンと」は社交ダンスや競技ダンスで最低限必要な「姿勢を良くしろ」という意味が込められてるタイトル。


かわいい登場人物たちのホノボノしたノリは意外と面白い

『背筋をピンと』の登場人物は見た目が可愛らしい。そのかわいい絵柄に合ってるというのか、ノリもホノボノしてる。

例えば、ヒロイン・亘理英里と主人公・土屋雅春とのクダリ。合宿の夜に抜け出して自分たちの必殺技を考える。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ5巻 亘理英里
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 5巻)
でも、そこで思わず亘理はクスクスと笑い出す。何故なら夜中にフツーの高校生が物騒なことを考えてるから。10代は箸が転んだだけでも笑う世代とも言われてますが、二人の仲の良さも伝わってホッコリさせられます。

そして結果的に土屋と亘理は必殺技「つちわたブースト」を編み出す。言うまでもなく、二人の名字を取ってつけた必殺技名。脅威感がゼロ。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ5巻 土屋雅春
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 5巻)
この必殺技「つちわたブースト」に手応えを掴んだ主人公・土屋雅春は「つちわたブーストのエジキになってもらおう…クックックッ」と不敵な笑みを浮かべる。ノリがいい感じにくだらない。ちなみに亘理英里は背後で「フフフ」と微笑むだけ(笑)

この亘理英里が何とも言えない可愛らしさがある。服装も含めて、本当に性的な匂いが一切しない「妹感」がハンパない。キャラクターとしては魅力的ではあるものの、悪く言えば女性的な魅力には欠ける。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ5巻 藤田ひらり
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 5巻)
個人的に面白かったキャラクターは、途中から参加したモブ臭もハンパない藤田ひらり。でも良い感じにちょいちょい目立つ。きっと一緒に居たら楽しそう…という雰囲気が好き。画像は途中で参加したが故に、ダンスパートナーがおらずにうろたえる藤田ひらりの図。


ダンス描写が熱い!熱すぎる!!

ただ普段のホンワカしたノリには反して、『背筋をピンと』はダンス描写が熱い。あらすじに貼った画像からも分かるように荒々しさすらある。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ4巻 椿秋子 八巻
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 4巻)
2年生部員の椿秋子と八巻章の踊りは、まさに荒々しさの体現。社交ダンスや競技ダンスには様々なジャンルがあるそうですが、二人が得意としてるのはラテンダンス。椿秋子は空手を習ってて、気性も荒い。さながら軽いバトル描写

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ9巻 椿秋子 八巻
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 9巻)
現時点での最新9巻のダンスでは椿秋子と八巻章のテンポ感が見事。足さばきとコマ割りだけでここまで熱すぎるダンスを表現できる。思わず軽快なBGMも自然と聞こえてくるのは、きっと錯覚ではないはず。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ8巻 土井垣真澄 綾辻理央
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 8巻)
3年生の土井垣真澄も負けてない。見た目からして存在感がハンパないですが、それは競技ダンス時でも圧巻の存在感を発揮。

画像はパートナーの綾辻理央は競技ダンスから足を洗おうとしていたものの、最後の大会で全てを吹っ切れる。まさに二人の「感情がほとばし」った場面が、熱気と汗とで表現されてるシーンではなかろうか。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ7巻 土井垣 綾辻
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 7巻)
ただ熱すぎるダンス描写だけではなく、華麗できらびやかなシーンも多め。画像はデータサイズなどを圧縮して見づらいですが、星のキラキラ感が表現されていて鮮やか。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ4巻 ダンス描写
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 4巻)
他にも「楽しく踊る」というダンスの根源も表現されているのが良い。

画像を見るとキャラクターの配置などが上手く、しっかり一つのコマの中にたくさんの登場人物を収めてる。作者・横田卓馬の構図の上手さなども伝わります。キャラクター(パートナー同士)の視線も色んな方向を向いてるので飽きさせない。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ4巻 宮大工勇太
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 4巻)
宮大工勇太という冷徹な社交ダンスロボットが、主人公・土屋雅春たちに感化されて、「絶対に僕の方がダンスを楽しんでいるッッッ!!」と対抗心むき出しで覚醒する場面など、しっかりドラマも描写されてて面白い。


チャンピオン・咲本譲治の魔王的ダンスを刮目せよ!!!

学生競技ダンス界では不動のチャンピオンがいる。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ6巻 咲本
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 6巻)
それが咲本譲治(さきもと)。見るからにオッサンですが、これでも一応高校生。あまり学生同士の大会には出場しないのを揶揄されて、「人を単位の足りないサボり魔みたいに言うなよ」と軽くあしらってる場面。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ6巻 咲本2
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 6巻)
咲本は圧倒的に強いだけではなく、まさに情熱の男。楽しい踊りや目立つ踊りがとにかく大好き。観客を楽しませてナンボの思想のもと、結果は二の次。だから大会に出場するたびに、咲本は他の選手を煽りまくる(笑)

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ8巻 咲本
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 8巻)
それでも咲本がチャンピオンで居続けられるのは、何度も言うように圧倒的な実力を持っているから。画像のシーンでは燃えるように回転。それだけ咲本の熱さがビンビンに伝わってくる。その間も「もっともっと良くなるぞキミらのダンスは!」と相手選手を煽りまくり。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ9巻 咲本 ダンス描写
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 9巻)
もはや咲本の表情は、ただのサタンか悪魔。楽しそうな「チャチャチャ」というリズムをここまで破壊し、再生し直した選手もおりますまい。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ3巻 金龍院貴正
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 3巻)
この咲本のライバルがいる。それが前述の土井垣真澄と、もう一人・金龍院貴正という選手。顔の真ん中だけイケメンのポッチャリさん。アゴのタプタプ感が割りと好き。実際こんなおデブちゃんいますよね。

でも実力は咲本や土井垣と同様に、「黄金世代」と呼ばれる一角に鎮座する。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ7巻 ダンス描写
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 7巻)
だから咲本・土井垣・金龍院が同時に踊った瞬間は、まさに良い意味で地獄絵図。背景も禍々しすぎる(笑)

『背すじをピンと』という漫画ではまさに競技ダンスという世界観をあまねく表現されてると言ってもいい。それでいて作者・横田卓馬のオリジナリティーも含んでるので、同じ競技ダンス漫画である『ボールルームへようこそ』と比較しても二番煎じ感は薄くて面白い。


個性的なキャラクターは多いが…

『背筋をピンと』はまさにダンス描写に関しては文句のつけようがない面白さがあると思います。

ただ強いて言えば、キャラクター。もちろんこれまで貼った『背筋をピンと』の画像を見たら分かるように、登場人物はかなり個性的。キャラデザも秀逸。キャラの描き分けも上手くて、見分けが付かないなんてことはない。

だからキャラも基本的に文句のつけようがないんですが、いかんせん読者に感情移入させるためにページを割けてない気がする。登場してもフワッとさわりを説明しただけで終わってたり、表面だけなぞってるだけが多かった印象。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ1巻 御木 ターニャ
(背すじをピンと! 鹿高競技ダンス部へようこそ 1巻)
例えば御木清斗とターニャ。見た目はかわいらしいものの、元ジュニアチャンプという触れ込みで実力は十分。だから『背筋をピンと』序盤では多く登場するものの、この二人もいまいち活きてない。ずっとターニャはロシア語を喋ってたり目立つものの、あれ?っていうまま何も始まらない。

もっと言えば、別にいなくても成立してしまう登場人物が多い。他にも朝黒の畔田満影(パートナー仙崎)や代官山83というアイドルグループの御木恵実や花園亮(ゾノきゅん)など、やや総花的。前述の金龍院にしても強烈なインパクトで登場したものの、後半になってようやく掘り下げられる。

『背すじをピンと』は競技ダンス漫画である以上、作者・横田卓馬こそがもっと感情むき出しで、もっと独善的にワガママに描くべきだった。ストーリーを読んでも誰を中心に添えて、誰に物語の焦点が当たってるのかいまいちフワッとしてる。

あと個性的な登場人物は男子ばかりが目立ったので、もっとパンチが効いた女子キャラを出しても良かったかなと思います。


「鹿高競技ダンス部へようこそ」はタイトルに必要だったか?

あともう少し『背すじをピンと』のダメ出しをしておくと、個人的に気になったのは漫画タイトル。この感想記事では略して書いてますが、フルタイトルは『背すじをピン!と 鹿高競技ダンス部へようこそ』。

ただ正直うるさい。つまらない漫画ほどタイトルやキャラ名をゴチャゴチャさせたがりますが、「鹿高競技ダンス部へようこそ」の部分は完全に不要。

何故なら、作中では高校同士で戦う場面が皆無。だから「ようこそ」と書いてるにも関わらず、高校に対戦相手を招いてダンスを踊る場面も皆無。つまり『背すじをピンと』を読んでても、「鹿高(鹿鳴館高校)」という舞台をまず意識させられることがほとんどない。作者や編集部が読者に分かりやすいようにという配慮で付けたんでしょうが、かえって分かりづらいだけ。

そのまま漫画タイトルは『背筋をピンと』で良かった。敢えて補足するのであれば、「背筋をピンと胸を張れ」や「背筋をピンと笑え」などで良い。もしくは社交ダンス用語を語尾に付けるなど、もっと工夫のしようはあった。

でも、そもそも『背すじをピン!と』からしてダメ。「!」の位置が甚だしく面倒。何故タイトル途中に入れるのか。また記事をアップロードする直前に気付いたんですが、ずっと「背筋をピンと!」にしてた。画像ファイル名など全部書き直すというハプニング。ただ修正箇所があまりに多いのでもう途中で止めました(てへぺろ。

「鹿高競技」などバリバリ漢字を使ってくるくせに、何故中途半端に平仮名を使ってみるのかも意味不明。子供を「子ども」と表記してみたり、そういうのは要らないっす。「ピンと」の部分もそこで終わってるんで、かなりの確率で「ピント」に変換されてしまって意外とうっとうしい。インターネットが当たり前の時代、何故一発で変換しやすい命名をしないのか?


最終回・最終話の結末はいずれレビュー

この感想記事を書いてる時点ではまだ完結してませんが、『背すじをピンと』83話以降は全国大会が修了して一気にストーリーが二年後に進む。そして主人公の土屋雅春たちは3年生に進級。そうするといきなりみんな身長がグイッと伸びる(笑)

そして土井垣真澄や綾辻理央たちは海外へ戦場を移して…という展開。『背筋をピンと』の最終回については後ほどレビュー予定。


背すじをピンと 全10巻の総合評価 評判 口コミ


『背すじをピンと!鹿高競技ダンス部へようこそ』全10巻のネタバレ感想をまとめると、非常にレベルが高いダンス漫画。弱々しい主人公・土屋雅春が「ダンスの楽しさ」に目覚めて、人間的にも成長していく展開はまさに王道。マンガとして弱点が少なく、『背すじをピンと』の内容は全体的に手堅く面白い

ただ「弱点が少ない」というメリットは裏を返せば、ダンス描写以外では「コレという強み」がないとも言えそう。

良くも悪くも、『背すじをピンと』には毒がない。作者・横田卓馬は社交ダンスに真摯に向き合って描いたんだと思いますが、それ故にめちゃめちゃ「健全」な社交ダンス漫画に仕上がってしまってる。結果、本来は少年コミックでは欲しい「エロ」が見事に消されてる。社交ダンスは少なからずそういう側面がある以上、残念。

また少年コミック誌だと主人公はカッコ良くてなんぼ。強くてなんぼ。でも土屋雅春は成長こそ見せますが、結局は「楽しい」だけで終わってしまってる。それがどんなジャンルの漫画でも面白ければ基本的には人気が出てくれる「ヤリマン体質の少年ジャンプ」でいまいち『背すじをピンと』がハマらなかった理由か。

だから、もしかすると『ちはやふる』のように少女漫画で連載してた方が、『背筋をピンと』は人気が出たかも知れない。ちょっとしたキャラのホッコリした会話や掛け合いも面白いものの、どちらかと言えば女子が好きそうなノリ。ヒロイン・亘理英里にしても前述のように性的な匂いがせず、ややもするとダンス描写以外の雰囲気は幼稚。

背すじをピンと 鹿高競技ダンス部へようこそ9巻 椿秋子 八巻
それでもダンス漫画で10巻も続けば大成功か。全10巻だとかえって集めやすいボリューム感ではあるので、あれこれ批判的な感想も書きましたが購入して損したと感じる人も少ないはず。