『青春兵器ナンバーワン』1話のネタバレ感想をレビュー。作者は長谷川智広。掲載誌は少年ジャンプで2016年46号から連載が開始した新連載漫画。出版社は集英社。ジャンルは少年コミックの学園漫画。マンガタイトルの青春兵器は「スプリングウェポン」と読むらしいですが、自分は面倒いのでずっと「せいしゅんへいき」と読んでます。

作者は長谷川智広はかつて『恋のキューピッド焼野原塵』を連載してた方。割りとつまらない漫画ですぐ打ち切りにされていましたが、さて今作の『青春兵器ナンバーワン』は面白いのか?つまらないのか?連載が続くか打ち切りになるかも含めて軽く考察してみました。

ちなみに先日クルマのブログ(くるまン。)に集中すると書いたばかりですが、今度こそ本当にしばらく自動車の記事作成に集中します。多分。うん。どこまで自動車に興味がある人がいるか知りませんが、それまで「スイフトのフルモデルチェンジ情報」や「新型フリード VS シエンタ 徹底比較」といったクルマ記事でも読んでおいて下さい。


あらすじ物語 ストーリー内容

青春兵器ナンバーワン1話 あらすじ 北斗英二
主人公は北斗英二(ほくとえいじ)。どこにでもいる高校生だが、実は世界の平和を守るエージェント「MAPPO(マッポ)」の一員。何故なら日本は「ナンバーズ」という犯罪組織に狙われていた。ナンバーズは科学者・ドクターモサリーナを頂点とし、次々と凶悪な人造人間を製造していた。

北斗はある高校に覆面調査員として潜入していた。しかし北斗が入学して数ヶ月は何も起きないまま平和な日々が流れる。北斗が着用している特製メガネは、ナンバーズの人造人間を見るとすぐ反応してくれる仕組みだったが、それが反応することはなかった…

青春兵器ナンバーワン1話 あらすじ 難波零一1
(青春兵器ナンバーワン 1話)
…が、ある日「難波零一(なんばぜろいち)」という転校生がやって来た瞬間、まさか特製メガネが反応しまくり。これだけ生徒たちがいる中、ナンバーズに暴れられたら大変。さすがの自分でも凶悪兵器から守りきれる自信がない。

青春兵器ナンバーワン1話 あらすじ 難波零一2
(青春兵器ナンバーワン 1話)
しかし難波は「何という学校から来たんですか?」という他の生徒の質問に対して、「平和…大好き…学園です」と返答。嘘が下手くそ。せめてそこは少年ジャンプなのだから、「世紀末大好き北斗神拳学園」などと返答するのが筋だろう。

これはますます怪しい。

青春兵器ナンバーワン1話 あらすじ 難波零一
(青春兵器ナンバーワン 1話)
ただ難波は何もすることなく、北斗に対して一言言う。「俺はただ自分の好きに生きたいだけだ。【壊す】以外の人生をな」とポツリ。実は難波はめっちゃイイ奴だった。学校に転校してきた目的も「ナンバーズが仕掛ける下らない戦争から降りて、失われた青春を取り戻す」のが目的とのこと。

果たして難波は無事青春を取り戻すことができるのか?北斗はナンバーズから人類を守ることができるのか?二人の間に友情は芽生えるのか?といった内容のマンガになります。


キャラクターはベタで面白い

主人公・難波のデザインからも分かるように、『青春兵器ナンバーワン』はとにかくキャラクターがベタ。明らかに『暗殺教室(松井優征)』をモチーフ(パロってる)にしてる感じがアリアリですが、笑い有りシリアス有りで漫画としてのバランスは絶妙。

青春兵器ナンバーワン1話 ギャグ展開1
(青春兵器ナンバーワン 1話)
難波は女の子慣れしてないので、女子に話しかけられるとテレテレ。目を合わせてしまうと思わずホレてしまう体質なのでしょう。分かります。AVでもカメラ目線でパコパコされてる女優さんに恋心を抱かずにはいられません。

青春兵器ナンバーワン1話 ギャグ展開2
(青春兵器ナンバーワン 1話)
そして北斗に対してテレパシーを使って「教科書を見せてくれ」と要求する。その程度の要求なら授業中に言えばいいだけの話。何という能力の無駄遣い。

ただ確かにスマホのLINEなども考えてみると、相当な技術の無駄遣い。大量の情報をやり取りする通信技術は二昔前ではあり得なかった最先端技術ですが、実際に人間はそれを使ってどうでもいいスタンプを送り合ってるだけですからね。もしくは、こんなつまらないブログを閲覧してるだけ(笑)

青春兵器ナンバーワン1話 ギャグ展開3
(青春兵器ナンバーワン 1話)
挙句の果てには「青春謳歌度計測器」なるものを使って北斗を計測。まさかの「推定友人数0人」「恋愛経験なし」という結果に、思わず難波は「おめえ生きてて楽しいのか?」と真顔でポツリ。せめてプークスクスと笑ってあげて。北斗は潜入捜査官ですから学校で友達0人は仕方ないにしても、さすがにDTというのは切ない。

青春兵器ナンバーワン1話 かっこいい場面
(青春兵器ナンバーワン 1話)
でもいざという時にはカッコイイ感じで登場。このギャップ感を含めて、難波は魅力的なキャラクターに仕上がっている可能性が高そう。

そして『青春兵器ナンバーワン』の今後の展開としては、敵と味方という立場で反目し合う(実際に敵意を向けてるのは北斗だけ)二人の間に徐々に友情が芽生えていくパターンが描写されるんだと思います。少年ジャンプ的にはいかにもTHE王道といったストーリー。

もちろん作者・長谷川智広がどういった展開を考えているか知りませんが、少年ジャンプには『暗殺教室』以外にも『べるぜバブ』や『家庭教師ヒットマンリボーン』といった先例となる漫画がたくさんありますので、それを参考にストーリーを作っていけると10巻~40巻程度まで連載できる可能性はありそうです。


オチはまさかのワンパンマン?

ただ『青春兵器ナンバーワン』で気になる点もあります。それが難波零一が圧倒的に強いこと。ストーリーを少しネタバレしておくとナンバーズから次々と学校に向けて刺客が送り込まれてくる。

青春兵器ナンバーワン1話 ワンパンマン
(青春兵器ナンバーワン 1話)
それに対して難波はまさかのワンパンチで撃破する。思わず「ワンパンマンか!」とツッコミを入れてしまいました。構図も含めてさすがに既視感が強すぎるので、もう少し工夫をこらすべきでした。

例えばデコピンで一発撃破というパターンではダメだったのか。中指に力を入れてるコマから、次のコマでは敵がぶっ飛んでる。バトル描写としてはテンポ感が良いはず。そして今後の方向性についても、逆にこれが足かせになってしまう危険性があるので心配。

何故ならシリアスな展開やバトル描写を描いていくとしたら、やはり敵と自分たちの「実力の拮抗(きっこう)感」が欲しくなる。「勝てるか勝てないか」というハラハラ感が読者を惹きつけて、敵を倒したときの達成感がくせになる。

でも、もし仮に一発で倒せる前提があるとしたら、ストーリーや展開の幅が制限される可能性は高いでしょう。前述の『ワンパンマン』にしても現時点で11巻程度が発売されていますが、正直既に飽きを感じなくはありません。

もちろん1話目の段階であれこれ邪推するのも失礼な話ですが、その点が『青春兵器ナンバーワン』を長期連載マンガにするかしないかの分岐点になるのかも知れません。


青春兵器ナンバーワンの総合評価 評判 口コミ

『青春兵器ナンバーワン』のネタバレ感想をまとめると、割りと面白い漫画になる可能性は秘めているかも知れません。あくまで可能性の話。

笑いそのものは小粒ですが、大きく外すことは少ない。笑いもベタではありますがコテコテすぎないので、下手に読みづらくなることはなくちょうどいい。最近の新連載漫画の中では「完成度が高い一話」だった気がする。

絵に関しても決して画力が高いわけではないものの、作者・長谷川智広の前作『恋のキューピッド焼野原塵』より大分成長した気がするので伸び代という点でも期待が持てるか。『青春兵器ナンバーワン』が今後どんな風に仕上がっていくか注目したいところ。

強いて言えば、前述のバトル展開。もしギャグ路線を強くするのであれば、『青春兵器ナンバーワン』は7~10巻程度まで続けば大成功と言ったレベルか。あとはコマ割りが意外と単調な点と、キャラクターデザインはやや狭い点なども気になりました。