『ぺたがーる』1巻のネタバレ感想。作者はひみつ。月刊コミックキューン(角川書店)で連載中の4コマ漫画。


あらすじ

主人公は平野ひい。高校一年生。身長145cm、体重38kgとミクロサイズ。ただお胸もやっぱり小さかった。それ故にお胸が大きい女の子が大嫌い。

ぺたがーる1巻 平野ひいの自己紹介
(ぺたがーる 1巻)
それは高校生活初日の自己紹介でも「嫌いなものは巨乳の女。巨乳に踊らされる愚かな男子。もはやこの世界そのものです」と遺憾なくキョヌーへの憎しみが発揮される。

こんな平野ひいの怒れる日常、いや八つ当たりすぎる日常を描いた4コマ漫画になってます。


平野ひいは許さない!

平野ひいは毎日怒ってます。

ぺたがーる1巻 ブラジャー
(ぺたがーる 1巻)
例えば、胸を小さく見せるブラジャーの大きさに激怒。しかも胸を大きく見せるブラと比較すると、この歴然たる差に愕然とする。確かにヒドい。ただ元々の身体のサイズからして違うので逆恨みもいいところ。

大木まや子という幼なじみは対照的に胸が大きいんですが、それゆえに自分に合うサイズのブラを見つけるのに苦労する。
ぺたがーる1巻 チチ充
(ぺたがーる 1巻)
当然平野ひいからしてみたら嫌味にしか聞こえません。思わず「チチ充爆発しろ」と白い目。実際には大木まや子は苦労してるだけなんですが、嫉妬の塊と化す平野ひい。しかしチチ充なんて初めて聞きました。男で言えば「チン充」みたいな感じか。

ぺたがーる1巻 大木まや子を見捨てる
(ぺたがーる 1巻)
だから大木まや子が中学の体育祭で、障害物競走で苦労してる姿を見ても華麗に見捨てる平野ひい。女の友情もパイオツ格差の前ではかすみます。

ぺたがーる1巻 平野ひいの逆ギレ1
(ぺたがーる 1巻)
そして教師に学力の高さを褒められているにも関わらず、突然「先生!今 大木さんの胸を見ませんでしたか?謝ってください」といわれなき罪を着せてくる。

ぺたがーる1巻 平野ひいの逆ギレ2
(ぺたがーる 1巻)
肝心の大木を見るとたわわな胸を机に乗せて眠ってるもんだから、平野ひいは「(私がヒンヌーという)現実を思い出しました!私に謝って下さい!」と終いには激怒。真っ直ぐな瞳にひたすら恐怖を覚えるだけ。

ぺたがーる1巻 板波1
(ぺたがーる 1巻)
板波というヒンヌーギャルがいる。悲惨なほどパット入れまくり。

ぺたがーる1巻 板波2
(ぺたがーる 1巻)
この板波に対しては、無言の共感を覚える平野ひい。まさに菩薩のような表情。「うんうん、分かります分かります」というセリフも聞こえてきそう。


一周回ってフツーに大好き

ただ「可愛さ余って憎さ百倍」ではないですが、「憎さ余って愛しさ百倍」。実は平野ひいは何やかんやでキョヌーのことが大好き。

ぺたがーる1巻 平野ひいは巨乳好き
(ぺたがーる 1巻)
もう一人の友達・珠井ゆきな(コチラもキョヌー)に抱きつかれると、思わず「お、おう」。胸の感触を照れながらしっかり堪能。あくまで「無いものねだり」というか、少なくともキョヌーの価値の大きさは認めてる。

でも愛情も一周回り過ぎるとやはり問題も起きる。平野ひいの感性が色々と歪みまくり。例えば身体が入れ替わる映画を見た平野ひいは「友達の大木と入れ替わりたい」と言う。そこで大木の胸を楽しむのかなーと思いきや…
ぺたがーる1巻 怖すぎる願望
(ぺたがーる 1巻)
「(大木の)胸を切除して元の自分の体にくっつける」。
ギャー((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

あくまで平野ひいは自分がキョヌーになりたい。だから「入れ替わる」という発想は妄想や空想の類いではなく、現実的な方法として考えたから恐ろしい。でもそれならフツーに豊胸手術でもすればいいんじゃね?と思ってしまいますが(笑)


オマケまんが

1巻だとオマケの描き下ろし4コマ漫画も収録されてます。童話というか寓話をモチーフにしたネタ。

ぺたがーる1巻 ヒンデレラ1
(ぺたがーる 1巻)
例えば「ヒンデレラ」だとお姫様に変身した貧しい少女が落としたのが、まさかのブラジャー。

ぺたがーる1巻 ヒンデレラ2
(ぺたがーる 1巻)
ただ「こんな小さいブラぴったりの人が本当にいるのかしら?」と周囲はザワザワ。平野ひいは名乗り出ようにも名乗り出られないというオチ。王子様もよくこんなヒンヌーを探そうと思ったなって感じですが、物語としてもしっかりまとまってました。


総合評価

ぺたがーる 1<ぺたがーる> (MFC キューンシリーズ)
ひみつ
KADOKAWA / メディアファクトリー
2016-02-27

『ぺたがーる』の感想としては、主人公・平野ひいのキャラクターが面白い。言ってしまえば、平野ひいはツンデレの類い。でも狙った感は少なく、読んでて痛々しさは乏しい。毒舌とイジラシさがマッチした愛らしいキャラクターにしっかり仕上がってた。

ひたすらキョヌー批判に終始するわけではなく、キョヌーに対する愛情を根底にあって、また自分自身に対する卑下も加えることで読んでる読者にイヤな不快感を与えないのは良い。こういうクソみたいなブログとは違って(笑)

作者・ひみつの画力も比較的高く、絵柄も可愛らしいので、キャラクターの見た目に安定感があります。キャラクター重視のマンガとして見たら、そこそこ評価は高い。内容から下ネタ全開の4コマ漫画と勘違いしますが、そういうドギツいのは一切ないので女子にもおすすめ。

また大木まや子や珠井ゆきなとの絡みには百合要素もあって、『ゆるゆり』などが好きな読者はきっと面白いはず。むしろ『ゆるゆり』ほどゆるはなく、笑いとしてはしっかりしてるのでより一般読者向けか。