『サイレン-PSYREN-』全16巻のネタバレ感想をレビュー。作者は岩代俊明。掲載誌は少年ジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは少年コミックので能力バトル漫画。面白いか面白くないか全巻まとめて考察してみた。


あらすじ物語・ストーリー内容

主人公は夜科アゲハ(よしな・あげは)。普通の高校生だったが、ある日「PSYЯEN」と書かれた赤いテレホンカードを拾う。それをたまたま公衆電話で使うと、謎の怪人・ネメシスQが出現。そして夜科アゲハは凶悪な怪物・禁人種(タヴー)たちが巣食うサイレン世界に連れて行かれる。

サイレン1巻 公衆電話で移動も分かりづらい未来感
(1巻)
しかもサイレンの世界は、実は未来の日本だった。ただ画像は富士山らしいですが分かりづらい。富士山はもっとなだらかな傾斜をしてるはず。そもそも山だけ見て、そこが何の山か分かる奴なんて少ねーだろという。東京タワーや通天閣あたりが無難だった。

夜科アゲハは心を閉ざした幼なじみ・雨宮桜子たちと共に、無事現代の日本に戻る。テレホンカードの度数が初期の50から48にまで減少。サイレン世界から逃れるためには、度数を0にしなければいけなかった。

サイレン世界とは何なのか?サイレン世界を支配するワイズとは?天戯弥勒とは?ネメシスQの目的とは?果たして夜科アゲハの運命は?といった内容。


能力バトルがメイン

あらすじを読む限りは一見するとサバイバル系?ミステリー系?のストーリー展開で読ませるかと思いきや、実は能力バトル系がメイン。

サイレン2巻 PSIの説明
(2巻)
PSIと呼ばれる「思念の力」がエネルギーの源。NARUTOで言うところのチャクラであったり、ハンターハンターで言うところの念やオーラ。そのPSIには裂波(バースト)、心破(トランス)、強化(ライズ)の3パターンがあって、王道的な設定。

サイレン3巻 望月朧
(3巻)
望月朧というキャラクターは癒し系だから女神系のPSI。ただハンターハンターを思い出すのは気のせいでしょうか。

サイレン6巻 PSI能力バトル カイル
(6巻)
他にはカイルという子供キャラクターは空間を操るPSI。ただ結界師を思い出すのは自分だけ?

サイレン15巻 PSI能力バトル
(15巻)
BLEACHにもこんなキャラクターがいたような?

サイレン13巻 PSI必殺技ランキング
(13巻)
若干パクリ臭がしなくはないものの、人気投票が行われるぐらい「PSI」が売りだった漫画。確かに主人公アゲハのメルゼル・ドアという能力はカッコ良かった。


バトル描写はそこそこカッコいい

能力系バトルとはいえ設定だけ作っても意味はない。バトル描写が良くないとダメ。じゃあ肝心のサイレンはどうなのかってことですが、地味にバトル描写は上手い。自分はリアルタイムでサイレンの1話目を読んだんですが、ヤクザのオッサンを蹴り倒すバトル描写が光ってた。タイミングが良いのか悪いのか、ちょうどその付近で少年ジャンプを読むのを止めたので印象深く残ってる。

サイレン5巻 バトル描写
(5巻)
雨宮桜子がW.I.S.E(ワイズ)という敵に襲われる場面。「背後を取った感」は悪くない。

サイレン9巻 バトル描写
(9巻)
直線的な空間がピシっと壊れる・斬られる場面。こういうの割りと好き。

サイレン14巻 バトル描写
(14巻)
特にストーリーの最後らへんでは爆発ドンドンドーン。大味っちゃ大味なバトル展開ではありますが、どういったバトルでも比較的上手く描ける漫画家さんだと思った。


ストーリー展開はつまらない?

でもストーリーは作者・岩代俊明が自白してるように、設定からして特に先を考えずにノリで書き始めたらしい。
サイレン11巻 岩代俊明コメントが衝撃
(11巻)
特に個人的にビックリしたのが、先週号に描いた内容をスッと思い出せなかったそう。まさにそれを証明するかのようなクオリティーにはなってます。

設定も後からどんどんゴチャつく。序盤の説明では、サイレン世界を支配してるのがワイズ。でもワイズが最終ボスではなくて、実はウロボロスと呼ばれる超巨大隕石。このウロボロスが最終的に地球を呑み込むのを阻止するという展開。

だからボス敵が二種類いる。ワイズを倒すのかウロボロスという隕石を止めるのか目的が不明。ストーリーに深みを持たそうとした結果収拾がつかなくなった感じ。

そもそも「未来の日本へ行って何すんの?」という疑問。過去を変えれば現在も変わる、現在が変われば未来も変わる。これは時間軸的に理解できる。でも先に未来を変えたところで現在は変わらない。そこまで必死になる理由を見出しづらい。

ただノリで始めたストーリーや設定という割にそれなりにオチはまとまってた印象。後半の展開こそ読むのはダルかったですが、全体的にはなんとかダラダラ読めた印象。だからトータルまとめてしまうと「まあ、こんなもんかな」という一言に尽きます。

ちなみに最終回はウロボロスをグラナが命をかけて破壊。世界は救われたものの、主人公・夜科アゲハは能力の使いすぎで植物状態。そこへ未来の07号といった仲間たちが一斉に「さっさと起きろ」と声をかけることで、アゲハは復活。そして現在幽閉されている07号を救出。再び夜科アゲハたちの物語が始まる…みたいな結末・終わり方。


総合評価・評判・口コミ


『サイレン-PSYREN- 全巻』のネタバレ考察をまとめると、バトル描写だけはそこそこイケます。

ただストーリーの部分がややイマイチ。作者の岩代俊明自身も認めてますが行き当たりばったり感が目立つ。途中からテレホンカードという設定も消えたり、主要なサブキャラクターだった望月朧や朝河飛龍が登場しなくなったり気になる部分も目立つ。

ものすごく良く評価するとしたら、打ち切りのピンチを迎えても、小手先で回避するだけの展開は作れてる裏返し。本当に面白い部分がバトル描写だけだったなら16巻まで連載が続かないはず。むしろ敢えて不要なキャラや設定をしっかり削る作業が功を奏したのかも。

でも、やっぱり漫画全体では言うほど面白くないかも。言うなれば「劣化BLEACH」って感じですかね。BLEACHもストーリー内容はなんやかんや言われがちですが、こういうのを読むとブリーチは言うほど悪くはないと思えます。