『乙嫁語り』8巻のネタバレ感想。作者は森薫。ハルタ(角川書店)で連載中のマンガ。ざっくり言うと、19世紀か20世紀の中央アジアを舞台に、そこに住んでる人たちの日常や風習・習慣が描かれてるようなマンガ。


姉妹妻の結末

『乙嫁語り』7巻ではアニスという奥さんが、シーリーンというふくよかなパイオツカイデーな女性と「姉妹妻」になった話の続き。ちょっと百合っ気があるっぽい二人でしたが、果たして『乙嫁語り』8巻ではどんな結末を迎えたんでしょうか?男視点で読むと「疎外感」がハンパなかった件(´・ω・`)

乙嫁語り8巻 アニスが教えるものの何故か官能的
(乙嫁語り8巻)
どれぐらい二人が仲が良いかというと、アニスが弦楽器をシーリーンに教えてる最中ですがムダに官能的。だからアニスは旦那の事を差し置いてシーリーンにラブラブなのかなー?と思わせるような展開が7巻でした。

ただネタバレを書いておくととアニスは口下手だっただけで、実は旦那さんもシーリーンの両方を愛してたということ。シーリーンが上手いこと誘導してあげるカタチで、アニスに旦那に対する愛を語らせる。そこで旦那としても安心して更に二人の愛が深まったというのが大オチで、『乙嫁語り』8巻では上手いことまとめてくれちゃってます。

乙嫁語り8巻 どっちも好きなアニスの表情
(乙嫁語り8巻)
ちなみに二人を愛おしそうに眺めてる時のアニスの表情がコチラ。貧ニューですらなかったら…もとい貧ニューだからこそ、アニスは素敵なのかも知れません、かしこ。


おてんばパリヤの乙女心

んで、アニスとシーリーンの姉妹妻の話はこれで終了。いずれまた登場するのかも知れませんが、舞台は再びアミルたちのところへ戻ります。『乙嫁語り』1巻から登場してる少年カルルクとショタ婚…もとい年の差婚しちゃった女性。

『乙嫁語り』は発行ペースが遅い上、場面もコロコロと変わるので覚えてない読者も多そうですが、6巻ぐらいで起こったバダンとハルガルの襲撃を受けた続き。パリヤの家族が家をつぶされたので、アミルの家に居候することになったところからストーリーが始まります。

乙嫁語り8巻 パリヤ3
(乙嫁語り8巻)
ちなみにパリヤは意外に序盤あたりから登場してる、コミュ障のツンデレっ娘。違うの!私は決して冷たい人間じゃないの!ただ表現力が人より下手なだけなのー!的な?

このパリヤはウマルという少年のことが好き。というか、そもそもお互いの両親が縁談を進めているような状態。当時の中央アジア(日本もかも知れないですが)、子供のうちから結婚するのは当然だった。またお嫁さん側は嫁入り道具として、刺繍を施した日用品を大量に持参しなければならないその地域の慣例があった。ただ前述のバダンとハルガルの襲撃によって、これまで作り溜めしていた日用品が燃えてしまった。

だからパリヤは再び刺繍入りの日用品を作り直そうとするものの、元来の大雑把な性格から上手いこと縫えない。でもウマルの喜ぶ姿を想像することでヤル気や集中力も高まって、むしろ刺繍の才能を発揮する。

乙嫁語り8巻 パリヤ7
(乙嫁語り8巻)
そのときのグフフとニヤついてるパリヤが「THE 乙女」!なんだか可愛らしいような、少し痛々しいような、少し共感できてしまうような、といった複雑な感情を喚起させます。

愛しのウマルは当時は珍しく、そろばんと読み書きができる秀才さんだった。一方、パリヤはやや乱暴な一面もあって、良く言うと男勝りの性格があって、ある時、水路の掃除を任される。まさに力仕事。そこで遺憾なく自分のたくましさを発揮。ただ運の悪いことに、その姿を愛しのウマルに見られた。

乙嫁語り8巻 パリヤ14
(乙嫁語り8巻)
ウマルに幻滅されたと思ったパリヤは思わずうなだれる。「わてなんかミミズですわ!もはやダンゴムシですわ!結局こうなる運命なんですわー!!!」。例えがアホっぽくて笑う。ただその後に、果物をくれるなど一応ウマルは幻滅してないっぽい。

でも、それでは安心できないパリヤは、カモーラという清楚でお淑やかな少女をお手本として真似ようとする。
乙嫁語り8巻 パリヤ12
(乙嫁語り8巻)
ただ、完全なるストーカーさん!乙女の空回りって怖いです。いや、これはパリヤ限定か(笑)

このパリヤの視線があまりに強烈なので、カモーラも「何か話したいことがあるんですか?」と気になって尋ねる。このカモーラの唐突の質問に、パリヤは自分が気付かれてるとは思ってなかったのでキョドリまくり。

そこで「気にしないでください。カモーラさんを参考にさせてもらいたいだけだから」と言うつもりが、「見てるだけですよ!ほっといてください!別に話したいことなんかないですよ!」と最低の返事。話したいこともないのに見てるだけ…もはや言い分として最高に気持ち悪い(笑)

こんな感じでパリヤが「理想の女性」になるために奮闘する描写が大半を占めます。ちなみにパリヤとカモーラはアミルが間を取り持ってあげるカタチで友だちになる。何となく青春要素も醸し出しつつ、パリヤはウマルの最良のお嫁さんになることはできるのか?みたいな、若干喜劇っぽさを含んだ展開が『乙嫁語り』8巻になります。


繊細な描き込み

『乙嫁語り』といえば、繊細な描き込み。この8巻でもバッチリ繊細な描き込みが見られます。

乙嫁語り8巻 繊細な描き込み2
(乙嫁語り8巻)
パリヤが刺繍の練習をしてるクダリでは、扉絵がこんな感じ。画像だとほんの一部ですが、見開きいっぱいに繊細に描き込まれた多彩な柄のマットみたいなんがブワーッと並んでます。白黒ですがカラフルな色彩が見えてくるようで、紙を触ると今にもフサフサ感が伝わってきそう。

乙嫁語り8巻 繊細な描き込み1
(乙嫁語り8巻)
パリヤとアミルたちが一緒にピクニックみたいに食事してる扉絵でも、地味に描き込みが冴えます。


総括

個人的にはもう少しヒンヌー奥さん・アニスを見てみたかった気もしますが、しばらくはパリヤの展開がメイン。パリヤみたいな女の子がリアルでいたら、まあ、何気に鬱陶しいですけどね…もう少し見た目が柔和な感じだと微笑ましくスルーできるんでしょうが(笑)

乙嫁語り8巻 ガゼルVSトラ

そういえば何故か番外編として「ガゼル VS トラ」みたいな豪快なバトル描写もあります。『乙嫁語り』8巻のあとがきを読むと、トラの種類はカスピトラ。今は絶滅したものの、昔は実際に生息してたらしい。こんなん草原で遭遇したら、100%生命の危機ですけどね(笑)

ちなみに『乙嫁語り』9巻の発売日は来年2016年10月頃だと思います。順調に行けば。良かったら、それまで乙嫁語りが面白いかつまらないか考察した記事でも読んでてください。