『おとりよせ王子 飯田好実』全7巻のネタバレ感想をレビュー。作者は高瀬志帆。掲載誌は月刊コミックゼノン。出版社は徳間書店。ジャンルは青年コミックのグルメ漫画。Kindleでもダウンロード可能です。2013年には実写化もされたマンガ。

最近完結したらしいので『おとりよせ王子 飯田好実』が面白いかおすすめマンガか、つまらないか考察してみた。ちなみにタイトルは「お取り寄せ王子」ではありません。「お取り寄せ」の部分は全て平仮名です。


あらすじ物語 ストーリー内容

おとりよせ王子 飯田好実1巻 あらすじ1
(おとりよせ王子飯田好実 1巻)
主人公は飯田好実(いいだ・よしみ)。26歳のしがないシステムプログラマー。性格はコミュ障。あまり愛想は良くなく、仕事終わりのアフター5も同僚や上司と飲みニケーションに付き合うことは少ない。

おとりよせ王子 飯田好実1巻 あらすじ2
(おとりよせ王子飯田好実 1巻)
主な理由は「通販で取り寄せた食材」を注文してるから。同僚や上司に付き合っていたら荷物を受け取れない。そして毎夜一人で料理しては舌鼓を打つのが何よりの楽しみで生きている。画像は「くりたま」などが盛り沢山で詰め合わせされた卵かけご飯セット。価格は3150円とそこそこ値が張ります。ここらへんの金払いの良さが「王子」たるゆえんか。

いわゆる飯田好実はコミュニケーション障害(コミュ障)。単に通販食材を受け取れないから以前に、人付き合いが得意ではない。
おとりよせ王子 飯田好実7巻 コミュ障
(おとりよせ王子飯田好実 7巻)
例えば会社の同僚たちが通販グルメで盛り上がってる最中も、会話に参加することはなく耳をそばだてて「それ美味しそう」とスマホでググッてポチっと購入。共通の話題があるんやから、そこに入って盛り上がったらええやん、だからお取り寄せ王子というより「お一人王子」と表現した方が正しい可能性も(笑)

つまり漫画タイトル『おとりよせ王子飯田好実』の意味は、そのまんま主人公のことを指してます。

おとりよせ王子 飯田好実4巻 Twitter
(おとりよせ王子 飯田好実 4巻)
この飯田好実は取り寄せたグルメをTwitterで事細かく紹介してる。そこそこ人気でフォロワーが1万人近い。このツイッターのアカウント名が「@otoriyose_ouji(おとりよせ王子)」とまさかの自称だった。

ちなみにTwitterのアカウントはリアルで実在します。漫画内のなかがきにもTwitterの画像が登場してるんですが、これはリアルで投稿したツイートを転載してるんだと思われます(多分)。でも飯田好実そのものは実在しないはず。


飯田好実のキャラクターが女子ウケしそう

主人公・飯田好実のキャラクターが面白い。メガネイケメンのゆるふわパーマという出で立ちも、いかにも女子ウケしそう。きっと作者・高瀬志帆の男の趣味が完全に出ているはずだ。言い逃れはできんぞ!ルパ~ン!

そして飯田好実の最大のポイントはリアクション。あらすじでも画像を貼りましたが、普段会社にいる時はクールなんですが、家に一人でいる時はややテンションが高い。お取り寄せグルメと届いた時は更にテンションアップ。言うまでもなく、食べた時のリアクションはまさに絶頂MAX。

おとりよせ王子 飯田好実3巻 謎の踊り
(おとりよせ王子 飯田好実 3巻)
赤ワインと合う通販食材では思わずジッタバッタ。頭をフリフリと謎の踊りを踊り出す。どこのアフリカの先住民族だよ。

おとりよせ王子 飯田好実1巻 謎の踊り
(おとりよせ王子 飯田好実 1巻)
ご飯が炊き上がるまでの間は、やはり謎の踊り。ゆるふわパーマをかき乱す。君の本能をかき乱す。オレの本能をかき乱す!(多分なんかの歌詞)

おとりよせ王子 飯田好実4巻 松木
(おとりよせ王子飯田好実 4巻)
松木という大学時代の友達に隣人のヤンキー臭しかしないオッサンの中を取り持ってもらった時は、かなり腰が引けながらグータッチ。女子か!

おとりよせ王子 飯田好実6巻 女子的リアクション
(おとりよせ王子飯田好実 6巻)
いや食べる時の仕草に至っては完全に女子だ!口元に手を当てて「何コレ!やわらか!ほろほろだよ~」とか言い出したら、いよいよ可憐な女の子だぞ。完全に丸の内のOLあたりが繰り広げそうな昼下がりの光景。だからTwitterでも飯田好実は「女性」としか思われてない。

だから女子読者・女性読者はきっとノリも含めて好きになれそうなキャラクター。この中性感や女性的なノリが面白いと思います。コミュ障である点も含めて、性的なガツガツ感のなさは心地良いか。ただその反面として、男読者からすると「うざい」「キモい」と思われる副作用もなくはありません(笑)

おとりよせ王子 飯田好実3巻 リアクション
(おとりよせ王子 飯田好実 3巻)
強いて言えば、飯田好実のオタクノリがきつい。「ワロタ」などいわゆる2ch用語などをリアルで多用してる。画像のはまだマシな方ですが、ヒドい時は相当うざい。

飯田好実の設定が「コミュ障」ってこともあって、またイケメン風の見た目とのギャップ感から「敢えて」ってこともあったんでしょうが、だからといってそこまでしつこく無理してオタク臭を出す必要もなかった気がする。


実在するおすすめお取り寄せグルメを紹介

「お取り寄せグルメ」がテーマなだけあって、登場する通販商品・通販食材は全て実在します。昔問題になった「非実在ナントカ」ではないので、実際に誰でも購入できるものばかり。

おとりよせ王子 飯田好実2巻 スモっち
(おとりよせ王子飯田好実 2巻)
例えば、スモっち(すもっち)という燻製玉子。お値段は10個入りで1470円とそこそこしますが、「ぜつみょ~なやわらかさの半熟卵がスモークの香りでデコレートされてとろけるぅ」お味だそう(笑)

おとりよせ王子 飯田好実3巻 烏骨鶏デニッシュパン
(おとりよせ王子飯田好実 3巻)
烏骨鶏デニッシュパンだと1.5斤で価格は1365円。セレブか!とツッコミそうになりましたが、1.5斤だとそこそこボリューム感があるのでベラボウに割高って程でもないのか。他にも「蔵出しめんたい本舗(福岡)」の明太子や牛フレーク、鶏茶漬け、世界のふりかけなどがあります。

珍しい食材だと3巻の「大福茶漬け(名古屋)」なんて通販商品もあります。本当に大福ってわけではなく、お餅にご飯が包んである。正確には「お餅茶漬け」みたいなもんですが、中には更に名古屋コーチンの鶏肉が入ってる。そしてそれにお湯をかけるとあっという間でに出来上がりという寸法。価格は4個で2000円超(笑)

おとりよせ王子 飯田好実4巻 実在する商品
(おとりよせ王子飯田好実 4巻)
あとがきには「飯田くんのおとりよせノート」と称して、漫画の中で登場した通販商品を取り扱ってるサイトのURLや電話番号やFAXまでご丁寧に掲載されています。だから漫画を読んで気に入ったお取り寄せグルメはガチで購入することが可能。


ステマでもかめへんかめへん

正直ステマかどうかは不明ですが、マンガの中で登場するのはお気づきのように価格が張るお取り寄せグルメも多いので、どうしても金の匂いがしないと言えばウソになる(笑)

画像は貼ってませんが、飯田好実や他のキャラクターなどのリアクションもどこか説明口調。
でもいい感じの大げさ感が笑いに繋がっているし、またしっかり美味しそうにも見える・聞こえるので
特に問題はないのかなーとも思います。

そもそも個人的にかなりボロい…もとい賢い商売だと思ってて好意的に受け止めてます。例えばスポーツ漫画だとユニフォームなどスポンサーと提携しやすいはず。金銭面や広告収入以前に、漫画の中でナイキやアディダスといったガチのロゴを使えることは、作品としてリアリティーが深まって表現としての幅も広がるメリットも強いと思います。

かつては『キン肉マン』の作者・ゆでたまごは漫画内にスポンサーの商品を紹介することで広告料をもらっていたらしい。まさに先駆け。しかも何十年前の話なので、かなり先見の明があります。だから皮肉でも何でもなく、他の漫画家もやればいいのにと思っちゃう手法。


最終回・最終話の結末はつまらない?

では『おとりよせ王子 飯田好実』は一体どういった最終回を迎えたのか?今から結末をネタバレするので見たくない方はスクロールをドーンと戻るか先にグーンと進んでください。

おとりよせ王子 飯田好実7巻 最終回 最終話 完結ラスト
(おとりよせ王子飯田好実 7巻)
結末を簡潔にネタバレすると、いわゆる垢バレ(アカバレ)。飯田好実が管理してた「おとりよせ王子」というアカウントが職場全体にバレてしまう。

最終話では新卒社員の歓迎会をBBQで行うために、それを取り仕切ることになった飯田好実。最初はコミュ障だったものの、飯田好実は後輩社員のまとめ役として徐々にコミュ障が改善されていく。言っちゃえば管理職としての一歩を踏み出す。上司の主任は社会人として、人間として着実な成長を見せる飯田好実に感動を覚える。

今まではコソコソとお取り寄せ生活を送っていた飯田好実だったが、結果的にアカウントはバレてしまったものの、これからは正式に(?)他の社員たちと共に仲良く「お取り寄せ生活」を楽しむだろう…みたいな結末。終わり方としては無難といえば無難。

ただ最終話としては微妙な完結の仕方。何故なら、「これが最終だ」と言われないと気付かないような終わり方だから。自分も完結したか完結してないか確信が持てなかったので、ネットであれこれ調べてようやく気付いた。もう少し「終わった感」を出して欲しかった。

だからファンの読者ほど「あれ?」となりそうな最後。だって既に盛田という中途採用で入社した後輩社員にアカバレしてる。最終7巻では大学時代の友達にもアカバレしてることが発覚。さすがに三度にわたって同じネタでは、いささかクドい。さすがに意外感や新鮮さもなく、最終回のオチとしては弱いと言わざるを得ません。

敢えてグルメ漫画風に表現するとしたら「締めの料理」としては物足りなかった


総合評価 評判 口コミ


『おとりよせ王子 飯田好実 全巻』のネタバレ感想をまとめると、そこそこ面白い。どちらかと言えば、女子におすすめのグルメ漫画。女性はあまり周囲に人がいるとガツガツ食えないけど、自宅であれば一人だとガツガツ食べられるイメージ。まさに通販グルメという設定に最適。飯田好実という女子キャラも含めて、共感度合いも強いか。

でも作者・高瀬志帆にあまり展開力がなく、途中で息切れ感や失速感は否めない。割りとキャラクターを乱発させるなど、ずっと飽きずに最後まで面白いまま読めるかと問われると微妙。実際打ち切り臭のする完結だったのが証明しています。

ただそれでも全7巻というボリュームを考えたら、全巻まとめ買いしてもキャラクターが気に入ったら大きな失敗もしないはず。「お取り寄せグルメのカタログ」的な使い方をしても有用でしょう。