『おとなりボイスチャット』1巻から3巻のネタバレ感想をレビュー。作者はこじまなおなり。掲載誌は月間コミックリュウ。出版社は徳間書店。ジャンルは青年コミックの恋愛漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入が可能です。

TPP強行採決発言」などほとんど取り上げることがない日本の最底辺マスコミを代表するNHKで、現在『おとなりボイスチャット』の実写ミニドラマが放送されているらしい。そこで原作漫画『おとなりボイスチャット』が面白いかつまらないか考察してみました。

ちなみに現在「面白いおすすめ漫画100選」というランキング記事を作成中。2017年を迎えるまでには公開できてるはず。


あらすじ登場人物 ストーリー内容

『おとなりボイスチャット』の主人公は田力治(たぢから・おさむ)。田舎から都会の大学へ進学したため、現在は一人暮らし。

ただ大学へ入学する前に交通事故に遭遇して入院。しかし退院した頃には大学内では既にそれぞれにグループができていたため、完全に孤立してしまう。まあ高校じゃねーんだから…って感じもしますが、しかしながら田力は孤独感を感じることはなかった。

おとなりボイスチャット3巻 あらすじ 大神と会話
(おとなりボイスチャット 3巻)
何故なら一人暮らししてる隣の部屋に住むアパートの女管理人・大神(おおがみ)と、いつも壁越しで会話していたから。田力と大神は日々他愛もない会話を楽しみ、大神の可愛らしい声に田力は次第に惹かれていった。しかし二人が顔を合わせることは一度もない。

おとなりボイスチャット1巻 あらすじ 大神は引きこもり
(おとなりボイスチャット 1巻)
何故なら大神は「引きこもり」だったから。壁越しでは話せるけどやはり顔を見せての会話は精神的なプレッシャがのしかかる。

おとなりボイスチャット1巻 大神 差し入れ
(おとなりボイスチャット 1巻)
そのため関係性が深まっても、大神が作ってくれた手料理を差し入れしてくれる時も、やはり顔を合わせることはなくドアノブに引っ掛けてくれるだけ。画像のドアノブだと普通に落っこちそうな気もしますが…。

おとなりボイスチャット3巻 あらすじ 大神を想像
(おとなりボイスチャット 3巻)
果たして田力は大神と恋人関係になることができるのか?大神を引きこもり生活から脱出させることはできるのか?そもそも大神は一体どういう風貌をしているのか?…という基本的にはまったりした内容の日常漫画になります。


設定は面白そうだが内容は月並み

『おとなりボイスチャット』が面白いかつまらないかですが、結論から書くと微妙。一応ダラダラとは読めますがそれだけ。端的に言うと、この漫画の核となるキャラクターの管理人・大神に萌えないので面白くない。

何故、大神に魅力を感じないのか?

おとなりボイスチャット2巻 フォントが味気ない
(おとなりボイスチャット 2巻)
やはり姿を一切現さない…いや正確には文字だけしか登場してこないから。NHKの実写ドラマではどうなってるか知りませんが、ヒロインの姿が見えないのは辛い。引きこもりが壁越しで大声で話すこと自体がハードルが高い気がする


大神がちょいちょい露出してくる

しかも設定が中途半端。

おとなりボイスチャット2巻 大神の腕や手
(おとなりボイスチャット 2巻)
何故なら大神の姿がたまに見える。例えば画像だと帰りが遅い主人公・田力を心配した大神が外出しようとする場面。そこにたまたま田力が出くわすわけですが、もちろん大神が顔を見せることはない。

おとなりボイスチャット1巻 大神 影のシルエット
(おとなりボイスチャット 1巻)
他にも影越しのシルエットの大神なんてのもあります。

もちろん「出し惜しみ」で興味を引きつけようって魂胆だと思いますが、ここまで大神を見せるならいっそ顔ぐらい見せてもいいんじゃね?とつい思ってしまいます。きっと『おとなりボイスチャット』の最終回で大神の顔を明らかにするつもりなんだと思いますが、見せるなら見せる見せないなら見せないとハッキリさせた方が良い。今更手遅れですが中途半端すぎる印象。

読者の期待値を満たせているかというと疑問だし、変に「見せない演出」を貫けば貫くほど変にハードルが上がって、最後大神をどんな風に描いても批判されるリスクを高めてるだけのような気もする。マンガの狙いは理解できるものの、どこまで神秘性を作り込めているかは疑問。大神にそこまで食指が動かされることは少ない。

あと「引きこもり」でふと思ったんですが、ホンダ・バモスのフルモデルチェンジ情報などマイナーなネタも書いてる自分としては、主人公・田力に「大神をドライブに誘う」という発想がないの残念です。一日中部屋に閉じこもっているからこそ、どこかへドライブすれば気分転換にでもなりそうな気もします。

大学生向けの「初めての車におすすめ車種ランキング」や「初心者におすすめの人気国産コンパクトSUV」といった自動車記事も作成したことがある自分としては、移動手段を制限してしまうと作風そのものも狭まってしまうように感じました。二次元でも三次元でもそうですが、移動距離が広がればそれだけ展開の選択肢も広がるわけですから。


見せないキャラの「視覚的な魅力」の引き出し方

もちろん大神の姿を見せないなら見せないで構わないと思います。

おとなりボイスチャット1巻 浴衣姿の大神
(おとなりボイスチャット 1巻)
浴衣姿の大神の腕など、確かに可愛らしい女性っぽさを見せてはいます(やはりノリノリに浴衣を羽織っておいて、頑なに姿を見せない根性は理解できませんが)。

でも姿を見せないなら見せないで、こんな風に「(想像させて)見せる」部分は作っていかないといけない。矛盾はしていますが「視覚的にどう魅力的で可愛らしい女性か」を見せるにはどうすればいいか、私ドルジ露瓶尊が簡単に考えてみました。

おとなりボイスチャット1巻 大神 グラス 可愛くない
(おとなりボイスチャット 1巻)
例えばグラス。画像は自分の代わりに草むしりしてくれている田力にお茶かなにかを出している場面ですが、このグラスが可愛らしくない。

一応女性っぽく模様をゴニョゴニョと描いてはあるものの、可愛らしい女性を演出するのであれば「サイズの小さいグラス」にすべきでした。個人的には体がゴツいオカマが出したグラスにしか見えない。もちろんリアルな女性は体裁など気にせずグビグビとビールでも飲み干してるんでしょうが、姿を見せないからこそもっと細かい部分に気を使うべき。

おとなりボイスチャット2巻 フォントが味気ない
(おとなりボイスチャット 2巻)
特に致命的なのが文字(フォント)や吹き出し。一応健気なセリフで男心をくすぐることもありますが、画像のような何の味気もない文字ではドキッという気持ちも冷めてしまいます。吹き出しも誰が話してるか分かりやすいカタチをしていますが、色気もヘッタクレもありません。女性らしさを醸し出すなら、吹き出しの輪郭はやはり薄い方がベター。

おとなりボイスチャット3巻 大神 フォント
(おとなりボイスチャット 3巻)
二人が会話のラリーをしている場面だと、情報のゴチャゴチャ感が際立ちます。そういう意味においても、文字(フォント)は使い分けるべき。むしろフォントぐらいしかキャラクターを描き分ける部分がないわけですから、ここが疎かになってるのは残念です。

実はこういう作りの甘さが目立つマンガや出版社が多い。例えば少年ジャンプの『ONE PIECE』だと、キャラクターによって細かく使い分けられてるので是非チェックしてみて下さい。売れるマンガには売れるだけの理由がしっかりあります。


「おとなりボイスチャット」の総合評価 評判 口コミ


『おとなりボイスチャット』を読んで、もしくはこの感想を読んで気付いた人も少なくないと思いますが、作風や設定は『のぼさんとカノジョ』と似てる。同居人が幽霊の女の子なんですが、主人公の男には見えない。でもホワイトボードなどで会話するなど奇妙に成立するコミュニケーションが面白い。

ただ設定は『おとなりボイスチャット』の方がよりシンプルで簡単なので、画力やストーリー性など求められるハードルは低い。その分だけボロは出ていないものの、逆に面白さという点でも至って平凡なレベルでしか実現できてない。例えば「顔に傷やコンプレックスがあって対面だと話せない美女」という設定で十分だったのではないか。

要するに失敗のダメージも少なければ、成功の果実も少ないといったところ。実写ドラマであれば声優にアテレコでもさせたらいいだけなので、まあまあ面白い作品になってる可能性もありますが、漫画だと頑張っても月並みレベルかなー。でも月並みな内容だからこそ読みやすいってのはあります。