『ノゾ×キミ』全8巻のネタバレ感想をレビュー。作者は本名ワコウ。掲載誌は週刊少年サンデー。出版社は小学館。ジャンルは少年コミックのラブコメ漫画。AmazonのKindleや楽天koboなどで無料で試し読み・立ち読みができます。

割りと昔に完結した漫画ですが、『ノゾ×キミ』が面白いかつまらないか考察してみました。ご購入時の参考に使って下さい。


ノゾキミ あらすじ物語 ストーリー内容


主人公は高校生の須賀キミオ。ある日友達が悪さを働こうとしていたため、キミオは注意することを決意。しかし結果的に自分が犯人として疑われそうになり、慌ててロッカーに隠れる。大ピンチのキミオ。

ただロッカーの持ち主は、同じマンションの向かいに住む小嶺ノゾミ。何故かロッカーの扉を開けた瞬間、無言のまま小嶺ノゾミはそのまま扉を閉じて、他の女生徒たちが出て行くのを待ってキミオを逃がす。胸をなでおろすキミオだったが、それがキミオの運の尽きだった。

帰宅後、須賀キミオのケータイに「黙っているかわりに、あたしのお願いも聞いて」と小嶺ノゾミからメールが送られてくる。そのお願いとは「小嶺ノゾミがメールした時は必ずカーテンを開けて、こちらの部屋を覗く」こと。マンションの向かいに住んでいるため、お互いの部屋からは丸見えだった。

しかしキミオがカーテンを開けると、ノゾミはいつも足をパッカーン。無防備なノゾミがいた。男としては嬉しいやら恥ずかしいやら。そこからノゾミとキミオだけの「秘密の関係」が始まる。果たしてノゾミの目的は?キミオの運命は?…みたいなストーリー。


人の悩みをノゾキミ


『ノゾキミ』のストーリーは、基本的にかわいい女子生徒たちが登場。そしてキミオとノゾミが彼女たちの悩みを解決していくみたいな展開を軸に話が進みます。だから漫画タイトルの意味としては、「人の心を覗き見る」+「ノゾミとキミオ」の二つの意味があるっぽい。

ノゾキミ2巻 御手洗カナ
(ノゾ×キミ 2巻)
例えば、御手洗カナだとかわいい女の子を撮影するのが好き。そこで小嶺ノゾミに惚れてしまって一悶着が発生。この回では小嶺ノゾミの別の一面が垣間見えたりします。他にも園田ミチル、綿貫ミレイ、秋月ユカリ、八巻ナナコなどがいます。

『ノゾ×キミ』1巻の牧野ユウキだと身体的コンプレックスがあるため、二人は解決に奔走する過程において男性読者が好きそうなハプニングが多発します。他の女の子キャラクターでも同様。言うまでもなく、『ノゾ×キミ』はそこがメイン。掲載誌はあくまで少年サンデーということで、ピンク度合い的にはほどほど。


2年生編以降はつまらない


冒頭で『ノゾキミ』の掲載誌は少年サンデーと書きましたが、最初は「少年サンデーS増刊」に連載されてたらしい。これが4巻以降に少年サンデーに移籍したことをキッカケに、須加ミキオも小嶺ノゾミも進級して「2年生編」が新たに始まります。

ただ少年サンデー以降の展開が面白くない。鳥羽リョウジ・椎名まひるという新キャラクター(同級生)などが追加されるんですが、いまいち主人公・キミオたちと絡み切れてない。引き続き数話で完結させるオムニバス形式は踏襲されるものの、どこか全体的に間延び感があります。4巻以降はストーリー性を変に出そうとしてテンポ感も悪くなってた印象。

だからラブコメ漫画的にはややイマイチかも知れない。

ラストの最終回はこんな結末で完結


一応、『ノゾキミ』の最終話がどんなオチだったかネタバレしたいと思います。気になる方はスルー推奨。

新キャラ・椎名まひるが主人公・須賀キミオにどんどんアプローチをかけていく。その姿を見て傷つく小嶺ノゾミ。小嶺ノゾミは「このドキドキの正体は恋だったんだ…一番見なくちゃいけない自分の心が見えた」とようやく自分のキミオに対する気持ちに気付く。

ノゾキミ8巻 ノゾミとキミオ
(ノゾ×キミ 8巻)
でもキミオもノゾミのことが好き。最初は椎名の猛プッシュに気持ちがフラフラしていたものの、ノゾミへの愛を貫いて、マンション自室から大声で「大好きだ!小嶺!!」と絶叫。キミオの大胆な告白に思わず胸キュンとするノゾミ。

最終話は一年後の卒業式。「どんどん大人になってカッコよくなっていくキミオくんを、あたしがノゾキミしてあげる」と、二人が初めて出会ったロッカーの中に入ってお互いにキス。結果的にフラれた椎名まひるは、卒業式で鳥羽リョウジから告白されて付き合うことに。
ノゾキミ8巻 最終回 最終話 完結
(ノゾ×キミ 8巻)
そして最後は4人でハッピーエンドというベタな終わり方で完結します。

ただツッコミどころはある最終回。おそらくサンデー編集部的には鳥羽リョウジ・椎名まひるといった新しい登場人物を使って、無理矢理に三角関係を作って波乱含みの展開を作りたかったんでしょうが、やはり前述のように絡みきれてない。

キミオとノゾミは「マンションでの秘密」も共有しあってるからこそ「のぞき見」。じゃあ鳥羽リョウジ・椎名まひるに「のぞき見」要素があるかと考えると、やはり無い。最後まで彼らを活かせずに、結論的には尻すぼみの安っぽいドラマになってた気がする。

結局 ノゾミとキミオの物語


完結時にようやく小嶺ノゾミが「自分の気持ち」に気付く。でも序盤からノゾミはキミオのことが大好きだと気付いてるはず。

例えば、「たった一人のありのままを見つめて、その人が少しでもこっちを見つめ返してくれるなら、あたしはそれでいい」とノゾミは語ってる。しかもキミオはキミオで、「たったひとりでも自分をわかってくれる人がいれば大丈夫、俺達は」とめっちゃかっこいいセリフを吐く。しまいには背中越しに抱き合う二人。

他にも「行くなって言ってくれるなら…あたしどこにも行かない」とか、割りと序盤の方から小嶺ノゾミは「好き好きアピール」をしてる。もっと言うなら、序盤の段階で既に話としてはオチてるというか、クライマックスは来てる。そこでアレコレと引き伸ばしたところで正直しんどい。

結局『ノゾキミ』はノゾミとキミオの二人の物語。それ以上でもそれ以下でもないマンガ。そこへ新キャラクターを絡めようとする発想がそもそも間違い。少年サンデーは5年後10年後に普通に廃刊になってそうで怖いです。


ノゾキミ 総合評価 評判 口コミ


『ノゾ×キミ』全8巻のネタバレ感想をまとめると、少年サンデーに移籍した2年生編が始まるまではそれなりに面白い。一話あたりのボリューム感もちょうど良くて、オムニバスとしてテンポ良くポンポン読めた。分かりやすい導入部分や設定も含めて評価。

ただそれ以降は微妙。展開にメリハリが欠ける。打ち切りエンドと言われても仕方ない終わり方。『ノゾキアナ』のようなオチや最終回、読後感を期待すると失敗します。

でも、よくあるベタなラブコメ青年漫画として読めばそれなりに及第点か。キュンキュン要素もあるので女性読者でもそこそこ楽しめそう。全8巻程度のボリュームですので、大人買いしたところでそこまで買い物として失敗しないでしょう。