『ニーチェ先生』5巻のネタバレ感想。原作は松駒、作画はハシモト。月刊コミックジーン(角川書店)で連載中の仕事漫画。「ニーチェ先生は面白いのか?」という考察記事はアップ済みですので、詳しいあらすじは割愛。とりあえず作者・松駒(24歳)がコンビニで働いてる経験を活かした仕事漫画。

作者と同名のキャラ・松駒が過酷なコンビニ仕事に四苦八苦する姿が描かれて、なんとも言えない悲哀あふれる笑いが盛りだくさんとなってます。一応、「仁井智彗」という青年がメインのはずですが、巻数を重ねるごとにやや活躍の場は少なくなりつつはあります。


黒木珠子のすさまじい腐女子

『ニーチェ先生』は1ページ完結のマンガってことで、小ネタが盛りだくさん。それ故に実写ドラマ化しやすかったらしいですが、逆にレビューする場合は取捨選択に困ります。そこでこの『ニーチェ先生』5巻のネタバレ感想では、主に3本柱でレビューしていきたいと思います。いわゆるサザエさん方式ですね。

まずは黒木珠子というアルバイト店員からツッコんでいきます。ゲーセンでゾンビとかをバンバン撃つゲームが得意な女子高生。ただ5巻からは新たな属性「腐女子」が付いた模様。それが炸裂されます。

ある時、主人公・松駒が食玩シリーズで魚の「クエ」を手にとって談笑。そこへ黒木珠子が傘下。何故かクエについて詳しい。それもそのはず。何故ならクエの生態が特殊で、生まれた頃は全て性別がメスなんですが、成長するに連れてオスとして成長するクエがいる。

ニーチェ先生5巻 黒木 クエはメスからオスへ
(ニーチェ先生 5巻)
つまりメスを経て攻めどころを熟知したオスとなる。「産卵経験のある経産夫」「心技体を兼ね備えた攻めの極地」「たぎります!!」と思わずコブシをグッ。このムダにテンポ感があるセリフ回し。そして最強に気持ち悪い表現力。

オゥ!!ディス・イズ・ジャパニーズ・フジョシッ!!!

ニーチェ先生5巻 黒木2
(ニーチェ先生 5巻)
そして、ある時はMONO消しゴムとキャラクター消しゴムを使ってのカップリング。「真っ白な肌しやがって」とありますが、厳密には「表皮」や「表面」と表現するのが正しいと思われます。割りとマジで意味が分からない性癖の一つ。

果てには、松駒のメガネとレジスターをカップリングさせるという同人誌まで描く。そして松駒に直接読ませる。思わず松駒も「表現の自由という名の暴行を受けている」と失神寸前。さすがにゲイ…もとい腐男子である松駒も人外プレイは許容範囲外だったようです。

腐女子、こえええー!!!



コンビニに車が突っ込んだよ

ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 5<ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~> (コミックジーン)
ハシモト
KADOKAWA / メディアファクトリー
2016-02-27

ブラック企業すぎるのが祟ったのか、ある日コンビニに自動車が突っ込んできます。『ニーチェ先生』5巻の表紙が、まさにその瞬間をとらえたときの表情。たまにニュースになったりもしますが、おそらくブレーキとアクセルの踏み間違いか何かか。ちなみに老人だけではなく意外にどの年代でも多いので注意したい所。

当然、コンビニは臨時休業されるのかと思いきや…
ニーチェ先生5巻 店長のパワハラ2
(ニーチェ先生 5巻)
2時間後に再開できるように頑張ろう」とまさかのハリキリ店長。思わず松駒も「壊れたお店より、狂った資本主義社会を修復したい」と心の叫び。うーん、これを資本主義と呼んでいいものかどうか(笑)

この店長の価値観がなかなかエグい。
ニーチェ先生5巻 店長のパワハラ1
(ニーチェ先生 5巻)
例えば、「二千枚のチラシに店印を押して半分に折って帰りに各家庭に配布」するようにサービス残業を、まさかの缶コーヒー一本で強要してくる。店長の笑顔に悪意が全く込められてないが故に、なおさら恐怖を抱く。

一連の流れをやり終えるにはゼッタイ1時間2時間では終わらないので、自分なら1000円2000円もらってもやりたくないですね。石原慎太郎風に表現するなら「天罰」ってところでしょうか。

主人公・松駒は「損害賠償金すごそう」と心配そうに半壊したコンビニを外から見つめる。そこでもう一人の主人公・仁井智彗が冷酷な現実をバッサリ言うわけですが、松駒は「物を壊せば自分の人生も原形を留めないのだな」と渋い顔を浮かべる。

でも任意保険(自動車保険)には「対物賠償保険」というのがあるので、こちらにドライバーが加入していた場合、損保会社からコンビニに賠償金が下ります。契約によっては「無制限」というのもあるので億超えでも問題ありません。

そこら辺がどうだったか漫画内では言及されてませんが、松駒氏は貧しい貧しいコンビニ店員だから自動車を保有したことはおろか、おそらく自動車を所有したいと思ったことすらないんだと思われます。だからこういった発想自体に至らなかったのかも知れません。

だから松駒は普段は優しいんですが、あまりに酷使されすぎたせいか少し残酷な一面も見せます。ある時、渡利という先輩店員(カス)がプライベートで廃棄商品をもらいにコンビニに立ち寄る。コンビニは商品サイクルが短いので問題視されてたりもします。

松駒は断るものの、渡利は無理やり入ってきて商品に手を付けたかと思ったら…
ニーチェ先生5巻 渡利
(ニーチェ先生 5巻)
おそらく揚げ物などを揚げていたであろう油カスを食べてた。それを見た松駒は思わず「カスの共食いに言葉も出ない」。理解はできるけど、さすがにこれはヒドい(笑)


最凶すぎる奈良原さん登場

ラストは新しい店員・奈良原。慢性的な人手不足で店長が雇ったんですが、コイツがとにかくぶっ飛んでるという話。

ニーチェ先生5巻 奈良原1
(ニーチェ先生 5巻)
研修初日からさっそく遅れてくるんですが「主役は遅れてくるもんッしょ!」とパーリーピーポー全開。松駒の「第一印象部門史上最低点を叩き出している」という表現が笑った。

ニーチェ先生5巻 奈良原2
(ニーチェ先生 5巻)
新しい雑誌を目立つところに並べてと松駒に言われた奈良原は、まさかオニギリや弁当のコーナーに雑誌を並べる。奈良原曰く、「これ目立つっしょ!超面白くない?」。松駒は思わず「脳を念入りに検品したい」と毒が止まりません。

他にもスープをレンジで温めようとすると卵が爆発してしまう。スープを買おうとした客に対して「あっためるの失敗しちゃったんで新しいの取ってきてもらえます?」と、まさかのセルフサービスを強要。奈良原さん、あんたマジパネェっす!

ニーチェ先生5巻 奈良原4
(ニーチェ先生 5巻)
他にも宅配便に伝票を貼ってと頼まれると、ノリを使って貼ろうとする。そして「え?裏にシールあるんすか?そゆの先に言ってもらえます?」と逆切れ。松駒、血管がブチ切れ寸前。

ニーチェ先生5巻 奈良原5配布用チラシ
(ニーチェ先生 5巻)
配布用チラシに店印を押すのを頼まれても、全て朱肉でスタンプ。そして「正式な書類には朱肉で押すのがジョーシキっすよ」「ああ、松駒さんは社会人経験がないんで分からないっすか?」と奈良原。

アカーン!そこは松駒の一番踏んではいけないスイッチやー!就職浪人に「社会経験ゼロ」は一番触れてはいけない部分やー!ただアルバイトも社会経験に含めてもいいと思いますが。

そして奈良原は自分の歓迎会を開いて欲しいと自ら求める。でも仁井智彗は「あなたは歓迎に値しません」とバッサリ。この言葉が証明されるかのように、最終的に奈良原はフェードアウトしてしまいます。残念。

ニーチェ先生5巻 奈良原以外募集中
(ニーチェ先生 5巻)
この奈良原のインパクトがあまりに強すぎて、店に貼ったバイト募集の張り紙には「奈良原 以外」が条件として書かれる始末(笑)


総括

『ニーチェ先生』5巻ですが、とにかく奈良原というキャラが強烈でした。ただ共感できる部分もなくはないですが。「重要なことだったら先に言っとけよ-」みたいな。あと松駒がリアルで24歳ということに驚きました。

その他の細かいネタを何個か触れておくと、松駒と一緒に働いてるシバケン。
ニーチェ先生5巻 偽造印紙 シバケン
(ニーチェ先生 5巻)
まさかの偽造印紙を見抜く。何で知ってんだよ!?w
ちなみに簡単にコピーできたりするので、意外に多い犯罪らしいよ。

ラスト一個。あるときに「若者のフェイスブック離れ」が久しいというニュースを見る松駒。そこで「っってぇことはオッサン濃度が高まってる桃源郷ってことじゃねぇか」とテンションが上がる。そしてワクワクしてフェイスブックユーザーになる松駒。

ニーチェ先生5巻 フェイスブック離れ
(ニーチェ先生 5巻)
でも、そこにあったのは同級生たちのリア充っぷり。松駒は24歳なのでこんなんを頻繁に目にするとは思えませんでしたが、意外に「あるある」っぽいネタかも知れません。結婚式姿や赤ちゃんと一緒に写ってる写真とか確かに破壊力抜群。だから未だに怖くて自分はフェイスブックには登録できません(´;ω;`)

ただオッサンとリアルで出会おうとするなんて、松駒、お前いよいよだぞ!いい加減、そろそろ腐男子のジャンルで片付けられないぞ!っていうオチでした(笑)