『風の谷のナウシカ』全7巻のネタバレ感想。作者は宮﨑駿。アニメージュ(徳間書店)で連載されてたマンガ。言うまでもなくナウシカは映画アニメ版が有名ですが、実はジブリ監督の宮﨑駿はこのマンガ版も描いていた。

あらすじ

舞台は高度な文明が衰退した地球。「火の七日間」と呼ばれる大きな戦争から1000年以上経つものの、世界は猛毒のしょう気を放つ「腐海」に侵食されていた。

主人公は、小国「風の谷」に住むナウシカ。腐海にはびこる蟲と心を通わせることができた。その風の谷にある日、大国トルメキアの輸送機が墜落。その輸送機には巨大生体兵器「巨神兵」が積み込まれていた。そこからストーリーが進行していく。

だから風の谷のナウシカのテーマとしては、消費社会に対する警鐘や警告が含まれてる。平成狸合戦ぽんぽこも然り、自然を蔑ろにして成り立つ社会は正解なのか?という問いかけもきっと含まれてる。敢えて、いまさら詳しく説明する必要もないですが。

描き込みが緻密すぎる

風の谷のナウシカの漫画版は、とにかく描き込みがすごい。宮﨑駿の執念みたいなもんを感じるほど緻密。

風の谷のナウシカ1巻 描き込みオウム
(1巻)
いわゆる王蟲(おうむ)と呼ばれる虫ですが、影などが繊細に細かく描かれてる。コッチの視力が落ちるんじゃないかというぐらい、チョコチョコ。フルカラーではないものの、そのアニメに負けないぐらいの「画的なインパクト」が存在。

絵コンテを見てる気分

宮﨑駿はアニメを作る天才。それがどうマンガに活かされてるかというと、コマ割りは全体的には流れるようで映像的。

風の谷のナウシカ1巻 絵コンテ的コマ割り1
(1巻)
ナウシカがデッカイ飛行機に乗って登場する序盤の場面では、まさにアニメを彷彿とさせる。

風の谷のナウシカ1巻 絵コンテ的コマ割り2
(1巻)
アクション描写でも流れてるような展開で、言っちゃえば絵コンテを読んでるような気分。

風の谷のナウシカ1巻 セリフの多さ
(1巻)
でもそれがイコール漫画として読みやすいかは別。メッセージ性やイデオロギーを強く訴えたいのか、少しセリフに頼ってる部分も目立つ。だから宮崎駿のマンガ家としての才能はそこまで感じさせない?

内容はほぼ映画版と同じ?

ストーリーに関しては、マンガ版もアニメ版も内容的には結構異なる部分もあります。

風の谷のナウシカ7巻 巨神兵1
(7巻)
ただ巨神兵のデザインは若干異なって普通に喋る。「ママ…コワイヨ…」とか若干性格は幼児性にあふれてる。

風の谷のナウシカ7巻 巨神兵2
(7巻)
他にもナウシカを手のひらで抱えたまま、直立不動の状態で時空間を移動するなど、「こんな場面あったっけ?」と思うこともしばしば。

でも風の谷のナウシカのラストがハッキリと思い出せないので、「明確にストーリーが異なる」と断言できるほどの自信がない。何故か『天空の城ラピュタ』が邪魔してきて、頭の中で二つのジブリ作品が混在しちゃってる。ただ少なくとも、どっちの作品でもアニメ版の巨神兵はこんな感じではなかった気がする。

また映画アニメ版と違って、少し毒々しい。ややグロテスクな描写も目立つ。宮﨑駿の内に秘めた暴力性みたいなんも垣間見える。例えば、主人公ナウシカのお師匠様ユパは最後でブスッとヤられちゃう。

総合評価

パヤオ(宮﨑駿)の生々しい描き込みを目の当たりにしたい方はどうぞ。アニメとは違った新鮮さがある。ちょっと内容的には子供向けではなさそうですが。

そういえばアニメーターさんが全員解雇されたりして、ジブリは今後どうなるんでしょうか?やっぱり宮﨑駿ありきのジブリだった?出版社や漫画雑誌でも言える話なんでしょうが、やはり「後継者育成」は常に欠かせないことを裏付けてる好例。看板マンガというキラーコンテンツが一つでも失われると、会社全体が傾くというのは恐ろしい。





◯展開…★3.5◯テンポ…★3
◯キャラ…★3.5◯画力…★5
◯大人買い…★3.5
◯おすすめ度…81点!!!!