『鈴木央』1巻から18巻のネタバレ感想。作者は鈴木央。掲載誌は少年マガジン。出版社は講談社。だからジャンルは少年コミックのファンタジー漫画。

自分もそこまで売れてるとは思わなかったんですが、『七つの大罪』は2015年だけで発行部数が1000万部を突破。一応念押ししておくと累計ではなく「一年間だけ」でですよ。

これは少年ジャンプの『ONE PIECE』に次いで2位。まさに「やっべぇぞ」。おそらく2015年にアニメ化されたことで、『七つの大罪』自身の知名度が上がったことが大きそう。改めて広告宣伝の重要さが分かります。

そこで「七つの大罪は面白いか?つまらないか?」という考察レビューを書いてみた。


あらすじ物語・ストーリー内容

リオネス王国ではクーデターが起こり、本来は国家に忠誠を誓うはずの聖騎士たちによって支配。国王は幽閉され、周辺の街々から人々を次々と強制連行。男たちは兵士として徴兵され、女老人も強制労働させられていた。

この聖騎士たちによる横暴を見かねたのが、王女・エリザベス。聖騎士たちの暴走を止めるために、唯一の希望として助けを求めたのが「七つの大罪」。かつてリオネス王国で凶悪な大罪人を集めて結成された王国最強の騎士団だったが、10年前に謀反を図ったとされ王国を追放された。

そしてエリザベスは「七つの大罪」のメンバーを集める旅に出る…みたいなストーリー。

七つの大罪1巻 エリザベスとメリオダス2
(七つの大罪 1巻)
主人公は「七つの大罪」の団長・メリオダス。こんな見てくれですが、メリオダスは一応かなり強い。「チビほど強い」というのは、マンガの設定としては王道。

七つの大罪1巻 エリザベスとメリオダス1
(七つの大罪 1巻)
でもメリオダスはちょっとスケベなのが玉にキズ。1巻目ということで頭身のバランスが合ってない気がしますが、とりあえず漫画タイトルの『七つの大罪』はそのまんまのタイトルってことです。

他にも七つの大罪のメンバーはいるんですが、ディアンヌ、キング、バン、ゴウセルなどは比較的早い段階でほぼ全員が見つかります。ただラストの一人・エスカノールだけは最新18巻になって、ようやくそろそろ登場しそうかな~…ってレベル。まだまだ作者・鈴木央と少年マガジンの出し惜しみ感がハンパない。

ちなみに関係ないですが、やはり漫画タイトルに「数字」を入れると後々面倒になりがち。結局その数字よりキャラクターを増やしにくい上、逆にストーリー展開に関係なく確実にキャラをぶっこまなきゃいけない義務感も発生するので注意が必要です。もちろん最初からプロットをガッチリ構築してりゃいいですが。


大ゴマを多用した魔法アクション描写がかっこいい!

『七つの大罪』の見所は、とにかくアクション描写につきます。

七つの大罪6巻 キング
(七つの大罪 6巻)
七つの大罪の一人・キングは妖精王だから、とにかく魔力が強い。見た目こそ幼いですがバトルでは圧倒的な勝利を収めることがしばしば。

こういったアクション描写では、特に「線(魔法や弾丸)」の描写が上手い。画像だと一つ一つの軌跡が重なり合わないので、それが立体感や奥行き感を生んでます。だからといって目が痛くなるほど執拗な細かい描き込みはされてないので、まさに絶妙。

七つの大罪9巻 ゴウセル・神器双弓ハーリット
(七つの大罪 9巻)
ゴウセルの神器双弓ハーリットを発動した場面はこんな感じ。画像だと少し微妙な印象も受けますが、特にアクションでは見開きページいっぱいの大ゴマ描写が多用されることもあって、ちゃんとマンガを読めば迫力があります。『フェアリーテイル』もそうですがむしろ多すぎるぐらいで、意外にレビューするには向いてなかったり…(;・∀・)

ちなみに七つの大罪のメンバーにはそれぞれ神器なる武器を所有してて、それを使うことで更に強い必殺技を繰り出すことが可能になります。主人公・メリオダスだと「フルカウンター」と呼ばれる必殺技で、相手の必殺技を100%以上の威力で跳ね返すことが可能。

七つの大罪1巻 ギルサンダー
(七つの大罪 1巻)
味方だけではなく敵も強くて、聖騎士・ギルサンダーが槍を数km先まで投げる場面がこちら。太さの使い分けなど、やはり線の描き方が上手いです。

七つの大罪6巻 ギーラの爆発
(七つの大罪 6巻)
同じく聖騎士・ギーラは爆発の能力が使えるんですが、コイツが繰り出す爆炎も上手い。きっと筆ペンみたいなんを使ってるんだと思います。煙である以上、不規則感を出した方がもっとリアリティーが出る気がしますが。

七つの大罪10巻 バトル描写
(七つの大罪 10巻)
バトル描写はこんな感じ。画像はメリオダスとギルサンダーですが、斬撃がぶつかり合う感じが迫力たっぷり。どうしても丁寧な描き込みに依存しすぎると、逆に「一体何が描いてあるか分からない」ことを招くのもしばしばですが、画像ではしっかり状況が読み取れます。

作者・鈴木央は少年ジャンプでゴルフ漫画や格闘漫画を連載してましたが、奇しくもファンタジー漫画で最大級の花を咲かせた模様。集英社は『進撃の巨人』に続いてポカをやらかしました。漫画家もどんなジャンルで人気が出るかor面白い漫画を描けるか分からないなー…とつくづく思います。

しいて批判すると、コマとコマの間に「前フリとなるコマ」が1つや2つは欲しい。例えばメリオダスと敵が立ってます。次のコマでは敵が殴られてます…みたいな展開も多い。展開に繋がりを感じず唐突感があって、コマ運びがやや大味と感じることも。

「このあとメリオダスが殴る or メリオダスに殴られる」ことを予期させるコマを二コマの間に挟むだけで、マンガの読みやすさは変わってくる気がします。


ディアンヌやキングなど個性的なキャラクター・登場人物

『七つの大罪』ではキャラクターも個性的。

七つの大罪3巻 バン
(七つの大罪 3巻)
バンだと不良っぽいイケメン。不死身の能力を持ってるんですが、これは最愛の女の子からもらった能力。ちなみに妖精だったキングの妹。身内感がハンパないんですが、バンは今でも大好きでこの女の子を生き返らせるために奔走する。女の子読者はきっと好きそう。

七つの大罪12巻 ディアンヌ
(七つの大罪 12巻)
ディアンヌだと巨人族の女の子。主人公・メリオダスのことが好き。最新のストーリーではキングのことが好きだと気付くんですが、やたらとムチムチバディー。天然っぽいんですが、いざという時に見せる男気が素敵。きっと男の子読者は好きそう。個人的にも高身長女子は意外にツボ。

七つの大罪5巻 ディアンヌ
(七つの大罪 5巻)
ただ嫉妬深くて、やたらと暴力的なのが玉にキズ。画像のディアンヌは人間サイズに小さくなってるんですが、身長10メートル以上ある普段の状態でもガンガンやってきますからね。もちろんリアルでこういった女性は勘弁願いたいところです。

ストーリーの中盤までは前述の通り、聖騎士たちが敵。ヘンドリクセンやドリファスなどと主人公・メリオダスは戦うんですが、最終的には勝利を収める。2016年1月現在の最新の展開では、敵は「十戒(じっかい)」になります。

七つの大罪15巻 魔神族
(七つの大罪 15巻)
十戒は「魔神族」と呼ばれるモンスターの精鋭集団。画像のモブ魔神族は目や肌の質感など地味に統一感があって、明らかに魔神と一瞬で分かるデザイン性も良いと思います。

七つの大罪15巻 十戒のガラン
(七つの大罪 15巻)
十戒の一人・ガランはこんな感じ。十戒は七つの大罪と同じようなノリで10人います。


ストーリーはつまらない?

ただストーリーの展開にメリハリがありません。ダラっと始まって、ダラっと終わる印象。山場もあるような、ないような…。「十戒」が登場してもゴウセルなど他のキャラクターの話に終始してみたり、全体的な緊張感という点でもやや欠けます。

キャメロット王・アーサーとかも不自然な流れで登場してみたり、少年ジャンプだったらもっとマシな展開を作るだろうなーと感じることもしばしば。また大ゴマが多用されてることもあって、お世辞にもストーリーの密度も濃い(高い?)とは言えません。

でも少年マガジン編集部から下手にストーリー性を求められてないからこそ、前述でも触れた秀逸な魔法アクション描写やバトル描写がイキイキと描けてるような気もするので、正直この欠点を一概に批判することもできません。もし少年ジャンプで作者・鈴木央がファンタジー漫画を連載してたとしても、現在の『七つの大罪』の良さは相殺されてそうで何とも言えません。

要はマンガって難しい?(誰)


総合評価・評判・口コミ


『七つの大罪』は王道ファンタジー漫画ではありますが、基本的にはアクション描写+キャラクターがメインになります。例えると同じ少年マガジンで連載してる『フェアリーテイル』より絵柄を少し大人向けにして、画力を大幅にアップさせたような漫画

前述の通り、『七つの大罪』は2015年だけで1000万部を超えたんですが、Amazonの2015年コミックランキング売り上げではトップ20には入ってませんでした。そこからは主にネット通販を利用しない年齢層(中高生未満の若い読者)にヒットしてるマンガだと分析できます。一方の『ONE PIECE』や『進撃の巨人』はちゃっかりランクインしてたことを考えると、やはりそこからも『七つの大罪』の内容は可もなく不可もなくといえます。

だからハードルさえ上げずに読めば、『七つの大罪』はそれなりに面白いマンガだと思います。ストーリーの余韻などを求めずに、主にアクション描写を最重要視するのであれば、無難に幅広い年齢層にウケそうです。

親御さんとかは、お子様の誕生日にでもプレゼントしてあげてみては?『ONE PIECE』のように、下手なイデオロギーも含まれてないので安心して読ませやすい気もします。良くも悪くも『七つの大罪』を読んで何か価値観が変わることはありません。