『ナルト外伝 七代目火影と緋色の花つ月』のネタバレ感想。作者は岸本斉史。少年ジャンプ(集英社)で掲載されていた読み切りマンガ。

あらすじ

舞台は木ノ葉隠れの里。ナルトとサスケがカグヤを封印してから、かなりの年月が経った頃の話。

NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月 うちはボルト
ナルトにはボルトという息子がいた。画像は二人が親子ゲンカしてる場面。確か今年の夏頃にアニメ映画化もされまして、その時の主人公がボルト。ただチラッとは登場するものの、このスピンオフマンガの主人公ではありません。

NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月 うちはサラダ1
じゃあ誰が主人公かというと、サスケとサクラの間に産まれたサラダという娘。父であるサスケは家に帰宅することはほとんどなく、サラダは写真でしか見たことがないレベル。それ故に寂しさを感じてたサラダだったんですが、まさか二人には「血の繋がりがなかった?」ことを知る。画像は水月がDNA型鑑定の結果をサラダに教えてる場面。

NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月 うちはサラダ2
自暴自棄になるサラダ。でも瞳には写輪眼(?)がクッキリ。あれ?

NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月 うちはシン1
そこへ「うちはシン」と名乗るナゾの男が木ノ葉隠れの里へ襲来。画像では見えませんが、全身に写輪眼が埋め込まれてる。このうちはシンに、サクラがさらわれてしまう。自暴自棄になったサラダの「なんでママでもない人を助けに行かなきゃいけないのよ」というセリフはこの流れ。

NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月 うちはシン2
しかも率いている部下(?)に至っては、万華鏡写輪眼まで開眼済み。果たして、彼らの正体は何なのか?サラダの運命は?…みたいなストーリー。だから時間軸として、本編から多分10年後ぐらいの話。

うちはシンの正体とは?

1巻完結というボリュームからも分かりますが、仰々しく煽ってはみましたものの、内容的にはアッサリ終わります。だからストーリーをザックリとネタバレしておきます。

まずサスケはカグヤの跡を調べてる。カグヤは超絶的に強かったものの、何故か白ゼツ集団を造っていた。そこに違和感を抱いたサスケは「カグヤすら脅かす存在」がいるに違いないという仮説を立てる。だから娘・サラダと会う機会がなかった。

そして今作の敵である「うちはシン」の正体は誰なのか。結論から書くと、大蛇丸の元実験体。移植された組織に拒絶反応を示さない特異体質だったので、大蛇丸はコイツのクローンを大量に作るなど重宝されていた。ダンゾウの右腕も、元々はコイツの右腕だった。だから、うちは一族ではない。うちはイタチに憧れていたから名乗ってるだけ。

NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月 大量のクローン
この「うちはシン」が大蛇丸から離れて、今度は自分で自分のクローンを量産。つまり部下と思われていた小さな前述の万華鏡写輪眼を開眼した子供は、うちはシン自身。コイツが自分のクローンを使うことで、再び暁(あかつき)の復活を目論んでいるという展開。

ストーリーは「うちはシン」の本体がクローンに倒されて、大量のクローンが蜂起。ナルトたちに向かってくる。でも先程書きましたが、かなりアッサリ終わってしまう。もしこれが連載だったらかなり引っ張って引っ張っての展開になると思いますが…
NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月 ラストがショボい
まさか九喇嘛(九尾)のメンチにビビッて、クローンうちはシンが戦意喪失してチャンチャン。ショッボ!後味としては何とも言えません。

親子の絆はDNA以上に強い?

うちはシンを倒すバトル漫画的な側面で読むと面白くはないですが、作者・岸本斉史が描きたかったのは「うちはサラダ」のこと。

うちはシンに母親・サクラをさらわれてしまうわけですが、血の繋がりがなかったことに怒りを覚えるサラダ。でも同時に「助けたい」という気持ちも強く芽生える。この相反する感情に苦しむサラダ。ただナルトが諭す。

NARUTO外伝 七代目火影と緋色の花つ月 ナルト
「偽物だろーが本物だろーがそんなものはどうだっていい。助けてって想いがあったんならそれが本物だ!」

要するにサラダの目線を通して、「親子の絆はDNA以上に強く結ばれている」みたいなことを伝えたかったのではないかと思います。だから最初はサスケがメインで活躍しそうな印象も受けましたが、あくまでフリとして利用されてるだけで脇役感は拭えません。

ちなみにちょっとした手違いがあっただけで、サラダはサスケとサクラの正真正銘の娘がラストで明らかになります。

総合評価

内容的には可もなく不可もなく。けなすほどでもなく、ホメるほどでもなく。サラダはやっぱり実の娘でしたという大団円のオチも含めて、これといって特筆すべき点は少ない。アニメ版ナルトでありがちな「オリジナル回」と表現したら分かりやすいかな。レビュアー泣かせといえばレビュアー泣かせ。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★3.5◯画力★3.5
◯おすすめ度…80点!!!!