『モテキ』全4巻のネタバレ感想をレビュー。作者は久保ミツロウ。掲載誌はイブニング。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックの青春漫画。ちなみに「モテ期」の意味は、いきなりモテ始める時期みたいなこと。

何年か前に森山未來主演でドラマ化。監督は久保ミツロウが大好きだった大根仁(おおね・ひとし)。ちなみに「だいこん」と読んでたのは内緒。自分はその実写ドラマからハマった口。そこから作者・久保ミツロウの存在も知って再びマンガ熱も上がったらしい。

長澤まさみでも映画化されたり割りと人気が長続きしているマンガ。そこで面白いかつまらないか全巻まとめて考察してみました。


あらすじ物語・ストーリー内容

主人公は冴えない派遣社員の藤本幸世(ふじもとゆきよ)。DTではないものの、30歳間近になるまでモテた経験は皆無。ろくに仕事もできない、コミュ力もないんじゃあ当然といえば当然。

モテキ1巻 急にモテまくる藤本幸世
(1巻)
ただひょんなことから、いきなり知り合いの女の子たちから電話やメールの攻勢に合うなどモテ出す。いわゆるモテ期!いきなりモテ出した自分に戸惑いを覚えつつも、藤本幸世は言い寄ってくる女性に必死にアプローチをかけていく奮闘劇というマンガ。


藤本幸世という非モテ男

主人公の藤本幸世のキャラクターが面白い。『アゲイン!!』の主人公もそうでしたが、冴えない男を描かせると上手い作者。グダグダ感というか、やる気の無さというか、

モテキ1巻 藤本幸世 興奮
(1巻)
元派遣先の同僚・土井亜紀(どいあき)と軽く手をつないだだけで興奮しまくり。何故か無駄に劇画チック。

モテキ1巻 デブ化した藤本幸世
(1巻)
そんでちょいちょいデブ化。自暴自棄になって食っちゃ寝食っちゃ寝を繰り返す。このときの表現が面白い。「仕事先で友達も作れずネットに依存し上から目線で批評ばかりする日記を書くことがいきがいのどこにでもいる浮ついた若者」。

モテキ3巻 オム先生
(3巻)
他にも藤本幸世以上にモテないオム先生というマンガ家も登場するんですが、ムダにポージングがカッコ良かったりする…と同時にヤバさも伝わってくる絵。

地味に久保ミツロウって画力ありますよね。百田尚樹臭が若干する平野耕太センセーあたりは案外どうでもいいんですが、うーん…ミッチャン(*´Д`)ハァハァ


土井亜紀というオンナ

そんな藤本幸世を好きになる女性キャラクターも魅力的。

特に土井亜紀。作者的にもメインヒロイン的な位置付けだったそう。実写ドラマでは野波麻帆がすげー良かった。当時の年齢もアラサーぐらいでしたが、年上の女性感がハンパない。若干奥目な感じがドツボ。しかも声がハスキーで素敵。今は人妻になってお子さんもいるよう。ぺろぺろ。

モテキ1巻 藤本幸世 優柔不断
(1巻)
前述のとおり、主人公の藤本幸世は優柔不断。土井亜紀からアプローチされるものの、それに応えることができずに、「これからゆっくり君のことを好きになるよ」とたそがれる。

それを見送った土井亜紀は裏で、
モテキ1巻 藤本幸世に激怒する土井亜紀
(1巻)
全部 女に言わせてんじゃねーよ!」と思わず激おこ!やはり大人っぽい女性でも男にはリードされたい生き物なんでしょうね。

もちろんその後も藤本幸世の性格は変わらず卑屈なまま。それでも頑張ってアプローチを続ける野波麻帆…もとい土井亜紀。ただある日、藤本幸世の卑屈っぷりも極まる。
モテキ3巻 土井亜紀2
(3巻)
それを聞いた土井亜紀が「私がやったこと、お前の卑屈さで全部なかったことにされるんだ!?」というセリフにはキュンと来た。いくら払えば野波麻帆とはヤレるんでしょうか。

最終的にどうなったかというのは読んでもらうとして、他にも小宮山夏樹や林田尚子といった女性キャラクターが登場するんですが、中柴いつかが切ない。藤本幸世と同じく、そんなにモテるタイプじゃない。だからこそ藤本幸世に惹かれる部分もある。

ただ最終的に全部土井亜紀が持っていく。藤本幸世と土井亜紀がイチャコラしてる場面にガッツリ遭遇。
モテキ3巻 中柴いつか
(3巻)
自分と同じレベルを女に求めてるわけじゃないんだ、美人にしか埋められない穴があるんだ」と茫然自失。他にも墨田という変なオッサンにSJも奪われたり、結構扱いが悲惨。なんだかんだ、幸せにはなれないオーラがプンプンすぎて切ない。

モテキ45巻 中柴いつか
(モテキ 4.5巻)
このいつかちゃんはスピンオフである『モテキ 4.5巻』では主役に抜擢されて、一応少しモテてハッピーエンド的な終わり方。


総合評価・評判・口コミ


『モテキ 全巻』のネタバレ感想をまとめると、実写ドラマに負けないぐらい面白かった。冒頭でも書いたように自分は実写ドラマが面白いから、この原作の『モテキ』にも手を出した口なんですが、むしろ実写ドラマが漫画をそのまんま体現してたから面白かっただけ。

全4巻というボリュームの少なさでありながら、もちろんテンポ感があったもののしっかり濃厚で読後感は充実してた。ありそうでありえない男の願望を叶えつつ、でもそれには決して届かないヤキモキさが笑えた。全巻大人買いしても損はしない。

やっぱり作者の久保ミツロウは少年マンガより、青年マンガの方がノリ的には向いてるのかなーと。欲を言えば10巻ぐらいまでダラダラと連載してほしかった。大人向けの青春マンガは案外ありそうで少ない。

モテキ3巻 久保ミツロウの心の叫び
(3巻)
ちなみに久保ミツロウには「男読者どもから金をむしり取る」という願望があるそう。作者からしてかなり卑屈。だからこそ描けた漫画なのかもしれない。