『名探偵キドリ』全3巻のネタバレ感想をレビュー。作者は馬田イスケ。掲載誌は月刊少年マガジン。出版社は講談社。ジャンルは少年コミックの推理ギャグ漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入や試し読みが可能です。

ラストの最終回こそ打ち切り臭がするものの、個人的にそこそこ面白かったので『名探偵キドリ』の考察レビューを書きたいと思います。多分好きな読者さんは好きかも知れない。つまらないのが一周回って面白いかも、というノリ。


名探偵キドリのあらすじ物語 ストーリー内容

どこでもいる女子高生・時明日香は名刑事の娘だけあって、数ある難事件をズバッと解決してきた。しかし、そんな時明日香にライバル心を燃やす男がいた。

名探偵キドリ1巻 貴鳥 あらすじ1
(名探偵キドリ1巻)
それが転校生の貴鳥(きどり)。いかにも風貌からして推理やってます感が出てますが、わざわざ時明日香を倒すためだけに転校してきた。この時点で相当ヤバイ奴。

例えば担任教師に自己紹介を求められても、「僕は自己紹介するために来たのではありません。推理をしにやって来た。それに個人情報をむやみに露呈するなど探偵失格ですよ」とほくそ笑む。

その風貌からして既に「個性」という名の個人情報ダダ漏れやろというツッコミはさておき、さっそく教室内で事件が発生。机の上に突っ伏して、口元から何かを垂れ流して倒れ込んでいる男子生徒がいた。貴鳥はひらめく。

名探偵キドリ1巻 貴鳥 あらすじ2
(名探偵キドリ1巻)
これは「青酸カリで毒殺されたに違いない」と。そしてある女子生徒を名指しで真犯人だとズバッと指摘。この圧倒的な自信に満ち溢れた不敵な笑みを見ると、まさか本当に青酸カリでッッッ!?

名探偵キドリ1巻 貴鳥 あらすじ3
(名探偵キドリ1巻)
…と思ったら、女子生徒はただアーモンドクッキーを持ってただけ。当然男子生徒はただただ居眠りしてただけ。そんなタイミング良く事件は発生しません。

しかも時明日香曰く、青酸カリからアーモンドの匂いはしないらしい。あくまで人間の胃液と混ざることでアーモンド臭が発生するとのこと。ましてや収穫前のアーモンド臭であって、そんな美味そうな匂いもしない。どーゆーこっちゃねん、江戸川コナン!聞いてた話と随分違うやんけ(笑)

名探偵キドリ1巻 あらすじ
(名探偵キドリ1巻)
そして「名探偵 vs 迷探偵(名探偵気取り)」のバトルが勃発する内容。とはいえ、既にお気づきのようにもちろん勝負にすらなってないので、貴鳥による珍推理ショーが展開のメイン。まさに異質すぎるミステリーギャグ漫画といった内容。


貴鳥の名探偵気取りが笑える

だから主人公・貴鳥というキャラクターが圧倒的な個性を放つギャグ漫画。あらすじの状況から、まともな推理ミステリーが展開されるはずがありません。

名探偵キドリ1巻 貴鳥8
(名探偵キドリ1巻)
とにかく貴鳥は推理が大好きなので、ことあるごとに事件を追い求める性質がある。例えばカラオケ店に侵入したときは、歌ってる客の叫び声を聞いて「悲鳴のあった部屋はどこだ?誰かが殺されたはずだ」と店員に詰め寄る。メンドクセー。

名探偵キドリ1巻 貴鳥5
(名探偵キドリ1巻)
クラスメイトを被害者と見立てて、勝手に実況見分らしきことをおっぱじめる。しかも被害者役の生徒が「もう止めてよ」とお願いすると、「死体が喋るんじゃないコロすぞ」と一喝。理不尽にも程がある。

名探偵キドリ1巻 貴鳥6
(名探偵キドリ1巻)
実際に事件らしいことが起きなくもないんですが、そのときに部屋が「密室状態」だと貴鳥は思わず恍惚に浸る。挙句の果てには、ちょいちょい犯罪を誘発しようと動く。コイツ、マジでやべぇ。

名探偵キドリ1巻 貴鳥9
(名探偵キドリ1巻)
言うまでもなく貴鳥は探偵として無能なので、ことごとく推理を外す。例えば「左利きの実に7割が犯人という統計が出ているんですよ」といった無根拠の謎データが真実だと思い込んでるので当然。仮にこの統計が事実だとしたら、そこら中が犯人ばっか。

しかも7割という数字が微妙。犯人ではない可能性が3割もあるわけですから。それに画像をよくチェックすると貴鳥も左腕で指摘してることから、実はお前も左利きじゃねーか説もあったりなかったり。まさに盛大なブーメラン。

名探偵キドリ1巻 貴鳥4
(名探偵キドリ1巻)
ただ貴鳥の性格は意外と実直なのか分からないことはハッキリ分からないと自白する。推理モノやミステリーモノでは定番の決めゼリフってのがありますが、例えば貴鳥の場合は「謎は深まるばかりだよ」。

もちろん前述のように貴鳥が勝手に事件だと騒いでいるだけなので、謎が深まるどころかそもそも謎はは一切何も始まってない。「謎は深まるばかりだよ」とナレーション風に他人事風に言われても困る。せめて自己解決しろと。

名探偵キドリ1巻 貴鳥7
(名探偵キドリ1巻)
さっぱり分からない」に至っては、もう清々しいってレベルじゃない。ここまでセリフと表情が合ってないのも珍しい。

名探偵キドリ2巻 貴鳥1
(名探偵キドリ 2巻)
ちなみに貴鳥は完全な無能ではなく、あらすじでも説明したように嗅覚だけは人一倍。実際に犯人の残した覆面の匂いを手がかりに真犯人を探し当てた経験もある。思わず時明日香も「毎回それで解決したらいいのに…」と正論をぶっ放す。

名探偵キドリ2巻 時明日香
(名探偵キドリ 2巻)
また時明日香が結果的にほぼ毎回貴鳥の代わりに事件を解決するものの、この時明日香の推理もちょくちょくツッコミどころも散見。例えば画像だと犯人の女子生徒が「氷のハイヒールを作った」というトリック。氷で作ってるので証拠隠滅することが可能。

ただ一からカンナで氷のハイヒールを作るって相当ムズいぞ。そこら辺の女子高生が何サクッと日本の職人魂を炸裂させてくれてんねんと。氷のハイヒールの完成度がパネェ。


釈麗子というアゴ女も意外と面白い

あとサブキャラクターの一人に釈麗子という女子生徒がいる。時明日香の相棒・友達。名前は可愛らしいものの、かなりパンチが効いたキャラクター。

名探偵キドリ2巻 麗子2
(名探偵キドリ 2巻)
簡単にいえば、アゴがめちゃめちゃ長い。具体的には8.9cm。ほぼ顔の半分近くがアゴで占められている。しかも寿司屋の娘だけあって、お弁当箱が寿司。ただ全部エンガワなどいつもネタは一種類らしい。これ完全な嫌がらせ(笑)

名探偵キドリ3巻 麗子1
(名探偵キドリ 3巻)
確かに麗子の見た目がアレなこともあって、貴鳥からちょくちょく犯人扱いされる。画像の場面だと放火犯扱い。イメージ画像的には完全に真っ黒ですが、もちろん麗子はむしろ清廉潔白。

名探偵キドリ3巻 麗子2
(名探偵キドリ 3巻)
他にも「釈麗子は腹筋の際に補助の人を刺してしまった」など、めちゃくちゃなキャラクターとめちゃくちゃな妄想力でまさにカオスすぎる推理につながる。

名探偵キドリ1巻 麗子3
(名探偵キドリ 1巻)
1巻だと外から飛んできた野球ボールが麗子に当たる。麗子はガラスの破片も刺さるなど大惨事。当然麗子は被害者なんですが、貴鳥的には完全に真っ黒。そこで展開されたのが「麗子が自分のアゴで窓ガラスを割っていったに違いない」という推理を展開。夜の校舎 窓ガラス壊してまわった尾崎豊もビックリやぞ。

ただ割れたガラスの破片は外ではなく、廊下側に落ちていた。つまり窓ガラスは外から割られたことは間違いない。その時明日香の批判に対して、貴鳥はどう応じたか。

名探偵キドリ1巻 麗子4
(名探偵キドリ1巻)
挙句の果てには、麗子自身が外から窓ガラスに飛び込んできたという推理を披露。清々しいほどの麗子の悲惨すぎる扱い。

名探偵キドリ1巻 麗子1
(名探偵キドリ1巻)
この麗子はちょいちょいツッコミが冴える。貴鳥が最初に時明日香に宣戦布告した場面では「好物は寿司と相方はイースター島出身と」と小ボケをかますと、すかさず麗子は「誰がモアイだよ!殴るぞ!」とツッコミ。

誰もモアイ像とまで具体的に表現してないんですが、麗子は麗子で自覚症状はある模様(笑)

名探偵キドリ1巻 麗子2
(名探偵キドリ1巻)
貴鳥がわざわざ時明日香の学校に転校してきた理由を語ったときも、その理由が訳分からなさすぎたので、やや爽やかな笑顔で「マジで殴っていいかな?」とツッコミ。他のキャラクターも含めて、ツッコミセンスが意外とあって面白い。


名探偵キドリの総合評価 評判 口コミ


『名探偵キドリ』全3巻のネタバレ感想をまとめると、ややキモい絵柄などクセこそありますがシュールなギャグ漫画としては面白かった。最終3巻の表紙からして「推理は考えるものではなく感じるものさ」がヒドすぎる。主人公・貴鳥のキャラクターが良い。また時明日香との対比がよりギャップ感を演出。アゴ女・麗子のキャラクターも面白かった。

こってりしたギャグであるが故に飽きが早く来ないといえばウソになりますが、それでも全3巻というボリューム感は適量。最終回こそ打ち切りっぽいですが、基本的にギャグ漫画は短命。そう考えたら「打ち切り=面白くない=買わない」という解を導き出す必要はない。内容は本当にくだらない(笑)

もちろんギャグ漫画は特に好き嫌いがハッキリするので注意は必要ですが、それでも画像を見て面白そうだと感じたらそこまで買い物として失敗しないでしょう。