『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』全4巻のネタバレ感想をレビュー。作者は筒井大志。配信サイトはジャンププラス(ジャンプ+)。出版社は集英社。ジャンルは少年コミック。いわゆる古味直志原作の『ニセコイ』のスピンオフ漫画。AmazonのKindleでもダウンロード購入が絶賛可能です。

『ニセコイ』の完結に伴って『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』も完結してしまいました。そこで面白い漫画だったかつまらない漫画だったか、全巻まとめて『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』を考察してみたいと思います。

ちなみに『ニセコイ』全25巻のネタバレ感想はレビュー済みなので、あとで良かったらチェックしてみてください。ただ割りと長文なので注意。


マジカルパティシエ小咲ちゃんのあらすじストーリー内容


主人公は小野寺小咲。どこにでもいるちょっと引っ込み思案な女子高生。恋愛とは程遠い人生を送ってきたが、数か月前に運命的な出会いを果たす。

マジカルパティシエ小咲ちゃん1巻 あらすじ 一条楽
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 1巻)
それが先輩の一条楽。超絶イケメンで頭脳明晰なだけではなく、スポーツ万能で生徒会長を務める優等生っぷり。しかも日本有数の大財閥・一条コンツェルンの御曹司と来たもんだから、まさに一切非の打ち所がない完全無欠の高校生。

当然小野寺小咲は引っ込み思案な性格で、学校内では地味な扱い。いつも遠目から一条楽を眺めているしかなかった。そこへ突然、ルーリンという謎のネズミが現れる。このルーリン曰く、人間界をめぐるマナ(魔素)の均衡が乱れた状態で、今魔法の世界は大ピンチらしい。魔法の世界を救うため魔法少女を集めに人間界へやって来たとのこと。

その魔法少女として白羽の矢が立てられたのが、小野寺小咲だった。小野寺小咲はお菓子作りが得意(?)で将来の夢もパティシエール。その力こそが魔法錬金術の生成には最も不可欠だった。

ただ、いきなり魔法少女として契約を結べと言われても、誰だって困惑する。小野寺小咲のように引っ込み思案な女の子だったら尚更。しかしタイミング良く(?)、愛しの一条楽が銀行強盗の場面に遭遇してしまう。大好きな先輩の命が危ない。小野寺小咲は即断。

マジカルパティシエ小咲ちゃん1巻 あらすじ 小野寺小咲2
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 1巻)
そして愛と正義と甘味の魔法少女・マジカルパティシエ小咲ちゃんが誕生する。無事一条楽たちは小野寺小咲によって救われる者の、一条楽は自分の命が助けられたことでマジカルパティシエ小咲に惚れてしまう。

いやーん、まさかの両思いに発展ですやん!?

…と思いきや魔法少女であることがバレてしまうと小野寺小咲はヒメタニシに変えられてしまう。ちなみに後述する橘万里花はミシシッピアカミミガメ、桐崎千棘はゴリラに変えられる。特に桐崎千棘が悲惨すぎますが、愛しの先輩と両思いになれたにも関わらず、小野寺小咲はそのことを伝えることができないジレンマに陥る。

果たして小野寺小咲は一条楽と付き合うことはできるのか?いやマジカルパティシエ小咲ちゃんとして人間界の平和を守ることはできるのか?魔法の国を救うことはできるのか?といった内容の漫画。


ニセコイキャラクターが大集合


『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』の登場人物は『ニセコイ』のキャラクターばかり。スピンオフ漫画だとたまに新キャラが登場することもありますが、『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』はまさに「ニセコイスピンオフ」といった内容。そして、そのほとんどが小野寺小咲のように魔法少女化する。

ちなみに小野寺小咲を魔法少女化させたルーリンとは、宮本るりのことです。

マジカルパティシエ小咲ちゃん1巻 桐崎千棘の魔法少女
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 1巻)
あらすじでも書きましたが、桐崎千棘だと「マジカルゴリラ千棘ちゃん」。笑顔が何だか痛々しい。まだ腕のモコモコ感は分かりますが、胸のデザインがまさにガチゴリラ。

『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』のストーリーではゴリラであることに葛藤する桐崎千棘などが描かれることもあります。さすがに「ゴリラ」という扱いを喜ぶ女の子はいないでしょう。せめて「ウホウホ」など間接的な表現にしてたら別だったかも知れませんが

マジカルパティシエ小咲ちゃん1巻 橘万里花の魔法少女
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 1巻)
橘万里花だと「マジカルポリスまりかちゃん」。後述しますが魔法少女に変身する時にガチですっぽんぽんになるんですが、橘万里花だと一切の恥じらいがない。むしろ「みんな見て見て感」がすごい。一応「ポリス」という設定なのでそれはアカンやろ(笑)

マジカルパティシエ小咲ちゃん2巻 ポーラ・マッコイの魔法少女
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 2巻)
地味なキャラクターだと、ポーラ・マッコイも魔法少女化。でも「マジカルマッコイ ポーラちゃん」とかなり雑。マッコイって一体何だよ。「マジカルビーバー ジャスティンちゃん」みたいな感じか。でもビーバーなら地味に成立してしまう不思議。

(マジカルパティシエ小咲ちゃん 3巻)
小野寺小咲の妹・春も魔法少女化してます。こちらは姉のパティシエと掛けたのか「マジカルショコラティエ春ちゃん」。ちなみにこの魔法少女の衣装はチョコレートでできてるので、画像は温泉シーンなので直後にズルむけに溶けてしまいます。防御力ゼロか(笑)

(マジカルパティシエ小咲ちゃん 2巻)
他にも鶫誠士郎も登場しますが、やはりやたらと胸がバインバインのボインボイン。おそらく50メートル走したら80%以上の確率でモロ出ししちゃうでしょう。

マジカルパティシエ小咲ちゃん4巻 奏倉羽
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 4巻)
奏倉羽は最高権力者ということで「魔法王女マジカルティーチャーかなくらゆい」。何故か子供姿。ちなみに奏倉羽は脱ぎません。脱いだところで需要があるかどうか分かりませんが。


男子読者なら絶え間なくウフフフ?


『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』の魅力は何といっても「男子なら喜ぶ描写」と言えます。

やはり魔法少女に変身するためには、一度人間としてのあるべき姿に戻らなければいけない。つまりは、とにかく一度全て脱がなければいけない。もっと言ってしまうと、もはや脱がない回がない(笑)

マジカルパティシエ小咲ちゃん1巻 変身シーンは全裸
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 1巻)
小野寺小咲も涙ながらに桐崎千棘に「辛いよね」と語ってることも明らかでしょう。「ホンット」という部分に切実さが現れていますが、序盤からしてサービス精神旺盛。ルーリンが小野寺小咲に魔法少女としての才能があるのよと語っている場面。ここでの小野寺小咲のイメージ映像が、何故かマッパでエプロン(画像は割愛)。

「あなたは心を込めてモノを作り出すという魔法錬金術に不可欠な才能を持っている」と冷静なトーンでルーリンが語っているものの、その「モノ」がいかがわしいモノにしか想像できないのは自分だけか。

(マジカルパティシエ小咲ちゃん 2巻)
マジカルパティシエのまま一条楽とデートすることになったときには、何故か変身が途中で解除されてしまうハプニングも。つまり変身解除するときにも、魔法少女たちはいちいち脱がなければいけない。さあ大変。SOD(ソフトオンデマンド)でこういったビデオを一度観た記憶がありますが、それはきっと気のせいです。

(マジカルパティシエ小咲ちゃん 4巻)
変身シーンが毎回全てをさらけ出してくれるので、いつもB地区が写りまくりで色んな意味で大変。だから画像はやむなく修正させていただきました。一般的なブログやサイトで貼れる画像が本当に少ないので困りました。

(マジカルパティシエ小咲ちゃん 4巻)
最終4巻だと魔法少女の衣装の露出が若干増えます。一体どこのお店だよとツッコミを入れたくなりますが、こんな優良店があれば一度足を運んでみたいです。きっと『トリコ』の島袋光年センセーなら激しく同意してくれることでしょう。

(マジカルパティシエ小咲ちゃん 3巻)
露出シーン以外だと、小野寺小咲が一条楽を誘惑する場面なども収録されています。何故一体こういう展開が発生してるのかは、是非『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』の本編ストーリーをご覧になってください。

本編の『ニセコイ』では手が届かなかった「かゆい部分」にゴリゴリしこしこかいてくれます。面白いほどに痛快爽快な描写の連続で、少年ジャンプ連載時の『ToLOVEる』を超えるレベル。自分が堺マチャアキだったら「シコみっつです!」と満点評価を下したいと思います。本編が大好きだった読者ほど、ポケモンのピカチュウばりにエレクトしちゃうでしょう。

まさに『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』は実用性の高さではおすすめ。


フルカラー化されていないのは何故?


ただ残念なのが『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』はフルカラー化されていない点。ここまで面白いぐらいにセクシー満載であれば、当然期待したいのは着色されること。モノクロとカラーでは実用性という点では、モザイクの有りと無しぐらい違う。

ドスケベ出版社の集英社は、割りと電子コミックにおいて積極的にフルカラー化してる。『ToLOVEる』や『食戟のソーマ』などお色気シーン満載のマンガが主に多い印象。着色してる会社は「Jネットワークス」だそうですが、会社名からも集英社の子会社っぽいことは明白。

じゃあ何故フルカラー化しないのか!?という素朴な疑問。やっぱりB地区はピンクになってナンボだろう。かの有名な宇宙飛行士ガガーリンはかつて言いました。「チ◯ビはピンクかった」。『ニセコイ』もフルカラー化されてないなど残念に感じている読者も少なくないか。


最終回はスピンオフ漫画だからこそのオチ

続いては『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』の最終回・最終話をネタバレしたいと思うので、知りたくない方はテキトーにスクロールしてください。

魔法の国を統括していたキョーコ先生がまさかの寿引退で政権交代。テンヤワンヤしてる状況にも関わらず、まさかの自分の幸せを優先させちゃったよというツッコミは不要。そこで新たに就任した最高権力者が前述の奏倉羽。

その間隙を縫って魔法の国を攻めてきたのが、舞子集ことドクターマイコー。急いで小野寺小咲や桐崎千棘たちは魔法の国を助けに行き、次々と大量のへんたい怪人たちを打破。しかし何故か魔法の国に迷い込んでしまった一条楽に正体がバレる。つまりはタニシ化してしまい絶体絶命のピーンチ!

ただ事細かく説明するのはメンドーなので割愛しますが、そこから何やかんやがありまして無事魔法の国は助かって、小野寺小咲も人間の姿に戻ることに成功。『ニセコイ』本編と同じように、キョーコ先生と舞子集と宮本るりの三角関係的な描写も絡めつつの展開が描かれます。小野寺小咲の「思えば全裸ばっかりで辛い日々だったなぁ」という染み染みしたラストのセリフに笑いました。

そして人間界に戻った小野寺小咲は魔法少女としての役割を終える。当然魔法は使えなくなったが、自分の中に残った「魔法」が一つだけあった。それが「一条楽を好き」という本気の気持ち。小野寺小咲が引っ込み思案だったのは過去のもの。

マジカルパティシエ小咲ちゃん4巻 最終回 最終話
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 4巻)
勇気を出して告白した小野寺小咲は無事一条楽と正式に付き合うことができた。まさにこれぞハッピーエンドという大団円的な終わり方。つまり本編『ニセコイ』とは真逆の結末ですが、スピンオフマンガだからこそできた最終回か。


小野寺小咲が主人公で活躍する意味と価値


『ニセコイ』の最終回は自分もいろいろ考察してみましたが、もし本編でも一条楽が小野寺小咲とくっついていたとしたら、それこそ『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』の最終回は意味不明な終わり方で賛否両論だったはず。

つまりこのスピンオフマンガの連載が始まった時点で、『ニセコイ』の終わり方も決まっていたようなもん。本編でもスピンオフでも両思いになってどうすんだって話ですから。でもコサキニスト(小咲ファン)にとっては、きっと溜飲を下げる最終話だったのは間違いないはず。

だから『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』では、本当に小野寺小咲がメインで大活躍します(脱ぎ的な意味でも)。本編ではどうしても脇役臭も強かった小咲ですが、『ニセコイ』で不満やヤキモキ感を感じた読者こそ安心して読める内容と言えるでしょう。圧倒的な存在感、圧倒的な活躍っぷり、圧倒的な露出にきっとクラクラするに違いない。

マジカルパティシエ小咲ちゃん3巻 小野寺小咲ハーレム
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 3巻)
まさに小咲の、小咲による、小咲のためのシンデレラストーリーが終始展開されます。それだけ『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』はコサキニストにとって非常に読み味が良いマンガになっているはずです。是非読んでその怒り狂った股間のそれを鞘にお収めくださいませ。


マジカルパティシエ小咲ちゃんの総合評価 評判 口コミ


『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』全4巻のネタバレ感想をまとめると、実用性が高い点は言うまでもありませんが、普通にギャグ漫画として読んでも面白い。本編は健全なラブコメ漫画でしたが、この『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』では更にセクシーさとギャグ要素を強めた内容になってる。

マジカルパティシエ小咲ちゃん2巻 笑いギャグ要素
(マジカルパティシエ小咲ちゃん 2巻)
例えばミクロ化した小野寺小咲が鳥にさらわれるなど、本当にベッタベタなドタバタコメディーが展開される。

(マジカルパティシエ小咲ちゃん 3巻)
他にも舞子集(ドクターマイコー)の陰謀もゲスすぎて、もはやシリアスさのかけらもない。あまりにアホすぎる計画に小野寺小咲も思わず「本当に…もうダメなんだなぁ…この人…」と本気で見下すシーンは面白かった。

こういった本編よりバカバカしい内容ばかりで面白い。最終4巻こそ後半はストーリー性が強くなるものの、基本的には一話二話で完結するオムニバスなのでスラスラと読みやすいのも良い。小咲視点で終始展開するのが読みやすさにつながっているのかも。

また色んなぶっ飛んだ内容であるが故に、何も考えずにスピンオフ漫画としても素直に楽しめる。賢者タイム的な意味でも、読後感は後味スッキリで喉越しは良い。本編の『ニセコイ』と同様に可愛らしいキャラクターばかりしか登場しないので、本編の内容を知らなくても『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』は実用的でおすすめ。

『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』の内容はまだまだ伸びしろがあった気がするので、おそらく面白くなくなったから完結したというより、あくまで本編の最終回に合わせて終わったと考えるべきでしょう。それ故に面白いテンションのまま結末を迎えてるのもおすすめできるポイントかなーと思いました。

全4巻という適度なボリューム感も考慮したらファンなら何も考えずに買えばいいと思います。ただしお母さんに見つかったら怒られると思うので注意しましょう(笑)