『レベルE』全3巻のネタバレ感想。作者は冨樫義博。少年ジャンプ(集英社)で不定期連載されてたSFギャグマンガ。

ハンターハンターの連載が再開されるのを祝して、旧ブログで2014年4月頃に更新したレビュー記事です。ちなみに『レベルE』は何年か前に唐突にアニメ化されてたという。おそらくハンターハンターのアニメ人気で、冨樫義博の過去作品が再びクローズアップされた的な?

あらすじ

ジャンルがSFということで(多分その位置付けでオッケーのはず)、キャラクターの多くは宇宙人や異星人。そして主人公も異星人。それがドグラ星という惑星の王子様。ただ、めちゃめちゃトラブルメーカー。

レベルE1巻ドグラ星第一王子
(1巻)
最初の登場シーンから、いきなり高校に入学したばかりの筒井雪隆の部屋でくつろぎまくり。そして最初に発した王子様のセリフが、「君…誰?」。いや、お前こそが誰やねんっていう。

レベルE2巻カラーレンジャー4
(2巻)
そういうノリからも分かるように、全体的にはコメディータッチな展開が多め。アホなんだけど、ムダに頭が回る王子様に、同じ異星人も含めて地球人たちが巻き込まれるカタチで、色んなアホな展開が描写されてる。

例えば、凶悪な異星人たちに襲われる王子様と筒井雪隆たち地球人。それをドグラ星の護衛達と共に逃げまわる。
レベルE1巻3
(1巻)
でも、その計画が王子様発案の、ちょっとしたドッキリ。いやいや、大概にせーよっていう。

レベルE3巻誰かの潜在意識に閉じ込められた野球部員
(3巻)
ジャンルがSFということで、誰かの潜在意識の中に野球部員たちが閉じ込められたり…みたいな回もある。

ただ王子様が積極的に展開をかき回していくというより、ワチャワチャさせられてる周囲の人間を描くことで、王子の存在を描写しようとしてる雰囲気。最近で言えば、ウシジマ君のようなテイストで、あまり主人公が登場してこない。

冨樫義博のゲーム好きの原点

基本的には、ストーリーの前後に脈絡はあまり関係なくて、数話で完結してるようなオムニバス形式が多め。今のハンターハンターと同じで、ある程度原稿が溜まったら掲載して…を繰り返してたのかも。

その中でも2巻が、現在のハンターハンター…もっと言えば、グリードアイランドに繋がる原点が描写されてる。王子様が5人の地球の少年を拉致って、カラーレンジャーを名乗らせる。そこである惑星をRPGゲームそのものに作り変えて、攻略させる。

レベルE2巻カラーレンジャー2
(2巻)
それが魔法が使えたりする。

レベルE2巻カラーレンジャー5
(2巻)
ただ詠唱が早口言葉ばりに難しい。

まんまグリードアイランドの世界観と同じで、カード集めやビスケとの修行などを思わず連想させることも多い。例えば、「魔王護衛軍」などもいるんですが、それは明らかにキメラ=アント編に繋がってる。

ハンターハンターの着想の原点は、このレベルEというマンガにある…というより、ゲーム大好き冨樫義博の中に常にあったモノを体現してるんだろうなーと思わせてくれる。

レベルE2巻カラーレンジャー6
(2巻)
ちなみにオチは、ゲームの目的を大ボスの魔王にインプットするのを忘れてたというオチ。魔王が実はメチャメチャ良い奴っていう。

絵柄が古くさい

レベルE2巻カラーレンジャー3
(2巻)
強いて言えば、かなり昔に連載されたということもあって、やや絵柄が古臭い。古臭いというより写実的。今のポップな絵柄を想像して読むとかなり違和感があるはず。幽☆遊☆白書の絵柄も今見ると大概だと思いますが、それを更に劇画チックにした感じ。

良く言えば、今読んでも大して風化してない絵柄とも言えますが。

総合評価

自分が小学生だった頃に『レベルE』がちょうど連載されてた記憶ですが、子供ながらにも地味にハマってた記憶。ハンターハンターほどではないものの、不定期に連載されてたので前後の関係を覚えてませんでした、掲載されてたらとりあえず読んでた印象。

絵柄が気持ち悪かったので最初は敬遠してたものの、やっぱり小学生はヒマを持て余してる。そこであるとき、今まで読んだことがなかったタイトルもテキトーに読んだりする。そしたら結構ハマった記憶。

冨樫義博にはジャンルや老若男女問わず、「読ませる」チカラが昔から高かったと言えるのかも。実力はもてあましているけど、性格はグータラでぷらぷらしたい。まさに『レベルE』の主人公であるテキトー王子様よろしく、自分自身(冨樫義博)を思いながら描いてたのかも知れない。


◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯全巻大人買い★4
◯85点!!!!