『きょうのキラ君』全9巻のネタバレ感想をレビュー。作者はみきもと凜。前作『近キョリ恋愛』を描いてた人。掲載誌は別冊フレンド。出版社は講談社。ジャンルは少女コミックの恋愛漫画。絶賛AmazonのKindleでもダウンロード購入・無料で試し読み・立ち読みが可能です。

2017年2月に『きょうのキラ君』が実写映画化されたらしい。主役は中川大志とかいう人。そこで原作であるこの恋愛漫画が面白いのかつまらないのか考察してみました。『きょうのキラ君』を購入する時の参考にでもしてください。

面白い人気おすすめ漫画ランキングには入れてませんが、結論から書けば『きょうのキラ君』は男でもキュンキュン泣けちゃう恋愛漫画。


きょうのキラ君のあらすじ物語 ストーリー内容


主人公はどこにでもいる女子高生・岡村ニノン。いつも教室の隅っこにいる根暗なぼっち少女。

きょうのキラ君1巻 あらすじ 岡村ニノン
(きょうのキラ君 1巻)
特にいつも肩に鳥の剥製を乗せてることもあって、誰も声をかけたがらない。そのため影で付けられてる岡村ニノンのアダ名もそのまま「鳥女」。探せばホラー漫画のタイトル名にありそうですが、友達は一人もいない。

この岡村ニノン家の隣には、同じクラスのイケメン不良の吉良ゆいじの家があった。当然正反対の二人は話したことは一度もなかったが、ニノンの部屋からは吉良が夜な夜な美女を連れ帰ってる光景を目にした。思わずドキドキ。

そこでニノンの母親から衝撃的なことを耳にする。

きょうのキラ君1巻 あらすじ 岡村ニノン2
(きょうのキラ君 1巻)
心臓の病で「吉良ゆいじの余命があと1年」であることを。子供同士は接点がなくても、さすがに両隣の家ということで親同士の交流はある。ニノンの両親から学校で吉良ゆいじの様子を少し注意してみてくれと頼まれる。

当然ニノンは信じられなかったが、そのことがキッカケで学校で岡村ニノンと吉良ゆいじは次第に話すようになり、少しずつ距離が縮まっていく。ただ一方で、吉良は自暴自棄になってか学校で孤立していく。

きょうのキラ君1巻 あらすじ 吉良ゆいじ1
(きょうのキラ君 1巻)
理由はやはり「死にたくない」から。吉良は一人でいても孤独を感じる。でもクラスメートと一緒にいても、ますます孤独感だけが募っていく。四六時中襲ってくる絶望的な寂しさと恐怖から、どうしていいか分からずに戸惑っていた。

この吉良ゆいじの涙を見て、思わず岡村ニノンは「自分と同じ」と共感を抱く。

きょうのキラ君1巻 あらすじ 吉良ゆいじ2
(きょうのキラ君 1巻)
そして岡村ニノンは「私がずっとそばにいてあげます。あなたが死ぬまでなんと言おうと一人にさせません」と前髪をバッサリ。吉良ゆいじに寂しい気持ちはさせないと、365日一緒に生きていこうと誓い合う。

果たして全く正反対の二人が同じ時間を共有し合うことで、一体何を見出すのか。岡村ニノンは吉良ゆいじの生きる希望になれるのか…みたいな内容の恋愛漫画。


ニノンという名前の由来


ちなみにニノンという名前はかなり独特。作者が独自で創作したのかと思いきや、意外にもれっきとした由来があるらしい。

具体的には、ニノンの意味はフランス語の「織物」。「人生はたくさんの人と出会う。まるで織り重なる糸みたいに繋がり合っていく」という意味を込めて命名された。何故フランス語なのかというと、ニノンの母親がフランス系日本人だから。

中島みゆきの「糸」が地味に結婚式場のBGMなどで流行っているので、そこに作者・みきもと凜は着想やインスピレーションを得たのでしょうか。結婚式などで呼ばれると、絶対誰か一人・一グループは熱唱しやがります。


吉良ゆいじが見せる「男の涙」がキュンキュン泣ける!


少女漫画といえば、やはりイケメン主人公がメイン。この『きょうのキラ君』の場合は、吉良ゆいじがそれ。例えば、女の子(岡村ニノン)に対して強気に攻める定番なシーンはきっと女子ウケが良さそう。

きょうのキラ君2巻 強気な吉良くん
(きょうのキラ君 2巻)
「私にどうこうしたいと思える男がいるとは思えない」とスネる岡村ニノンに対して、吉良は背後から近寄って「残念。少なくともオレはできるね」とニノンの首筋にチュッとする。あらすじでは割愛しましたが、序盤から吉良は無理やりキスを迫ってる。

こういう軽はずみな行為ができるのは、あくまで岡村ニノンのことを「友達」として見てるから。吉良ゆいじが「死ぬまでにしたいこと」の一つに「岡村ニノンと友達になりたい」を挙げてたことからも明らかなように、女性としては本気で見てなかった。

ただ友達として接していくことで徐々に恋心が目覚めていく。厳密には最初から恋心はお互いの中であったんでしょうが、友達から恋人に変わっていくプロセスが割りと自然。少女漫画にありがちな「安っぽさ」みたいなんは少ないかも知れない。

きょうのキラ君2巻 吉良のタトゥー1
(きょうのキラ君 2巻)
吉良ゆいじは自暴自棄だったため、背中には大きなタトゥー(入れ墨)が彫られてる。さすがに高校生ということで少し無理があると思うんですが、そこら辺は華麗にスルーしましょう。『きょうのキラ君』に対するツッコミは別記事でレビュー済み。

きょうのキラ君2巻 吉良のタトゥー2
(きょうのキラ君 2巻)
それ故に「自分みたいな不良が今更他人と仲良くなろうなんて手遅れ」と後悔してる。でも、そんな吉良ゆいじの隣に寄り添っているのはいつも岡村ニノン。吉良ゆいじにとっての心の支え。

一方で吉良ゆいじは吉良ゆいじで、だからこそ岡村ニノンの支えになりたいと願う。例えば、吉良のために学園祭の催し物を出そうと懸命に動くものの、結果的に失敗に終わった。吉良ゆいじにとっては「最後の学園祭」になるかも知れない。

きょうのキラ君2巻 岡村ニノン 吉良
(きょうのキラ君 2巻)
そこで後悔の涙を流す岡村ニノンに対して、吉良ゆいじは「ありがとう。欲しかったものは得た気がするからもういい。でもお前が笑ってくれなきゃ意味がない。だから笑ってニノン」と微笑みかけてる場面。男でもグッと来ます。

きょうのキラ君4巻 ニノンは生きる意味
(きょうのキラ君 4巻)
そこでいつしか気付くと、吉良ゆいじの中では「生きる意味」とまで言わしめるほど岡村ニノンの存在が大きくなる。吉良ゆいじがちょいちょい見せる「男の涙」が切なく、思わずつられてこっちも泣きそうになる。

一見すると強そうな男が見せる弱みに女子はきっとキュンキュンできるはず。その弱さに共感できるというか、男読者からしても「吉良の弱み」は嫌な感じはしない。

きょうのキラ君7巻 吉良 笑顔
(きょうのキラ君 7巻)
吉良ゆいじの優しい笑顔もギャップ感で素敵。


岡村ニノンが可愛らしい!!!


岡村ニノンというキャラクターも良い。とにかく吉良ゆいじのために献身的に動いてくれるのが、ひたすら健気。

きょうのキラ君1巻 岡村ニノンのど根性
(きょうのキラ君 1巻)
例えば、あらすじ後、ニノンがクラスでイジメの標的にされそうになったので、再び吉良は不良グループに戻る。でも、それを察したニノンは直接吉良を奪還しに行く。もう胸熱。

「虹」という表現は、吉良ゆいじが「虹みたいに毎日が鮮やかに感じられる日がオレにも来んのかな」とポツリと前につぶやいたセリフに対するアンサー。

きょうのキラ君3巻 岡村ニノン 誕プレ 絵本
(きょうのキラ君 3巻)
吉良の誕生日に自作の絵本をプレゼントしたシーンも泣けました。ニノンはニノンで吉良と接することで人間として、女性として成長していく展開は読んでて心地良い。

岡村ニノンはネクラ少女という設定ですが、フツーに可愛らしい。男の急所を意外とグサッと突いてくる。

きょうのキラ君2巻 岡村ニノン1
(きょうのキラ君 2巻)
例えば、吉良に対して「どうやら私はキラ君がいないとさびしいみたいだ」と照れながら言ってみたり、

きょうのキラ君5巻 岡村ニノン 矢作零
(きょうのキラ君 5巻)
吉良と仲が良い矢作零という少女が現れた場面では、「気にします。わたしだってやきもちくらい焼きますからね」とポコッと殴ってくる。でも「ふてくされてる」んだけど、しっかり可愛い。少年誌の恋愛漫画家こそ学んで欲しい表情。

他にも、二人が付き合いだした初日。吉良は学校の屋上でそっけない態度をとがめられると、「少しでも手を出したら止まらなくなると思って我慢してるだけ」と説明。

きょうのキラ君5巻 岡村ニノン テレ顔
(きょうのキラ君 5巻)
それに対して「へへっ。キラ君カワイイ」と照れながらもニタリ顔。女性キャラがふとした瞬間に上位に立つ演出は意外と嫌いじゃありません。

ここまでで気付いた人もいそうですが、これまで友達がいなかったせいかニノンは喋り方が少し独特。それもつまらない悪ノリに終わっておらず、キャラクターとして生きる演出として効果的に働いてる。

きょうのキラ君6巻 デフォルメ 岡村ニノン
(きょうのキラ君 6巻)
ちなみに『きょうのキラ君』ではキャラクターがちょいちょいデフォルメ化されてて、これが可愛らしい。一応ジャンルは恋愛漫画に設定してますが、結構笑える部分も『きょうのキラ君』では多い。

きょうのキラ君5巻 デフォルメ 吉良
(きょうのキラ君 5巻)
吉良ゆいじのデフォルメもやっぱり可愛らしい(笑)


最終回・最終話の結末はキラが死ぬ?


ということで、最後は『きょうのキラ君』の最終回の結末。

きょうのキラ君6巻 吉良 最終回 死にたくない
(きょうのキラ君 6巻)
吉良ゆいじは岡村ニノンと付き合うことで、徐々に「好き」という気持ちが募っていく。その反面として「死に対する恐怖」が同時に募っていく。

きょうのキラ君7巻 最終回
(きょうのキラ君 7巻)
残酷にも吉良の病状は確実に少しずつ悪化して、ついには学校で倒れてしまう。一応、一命は取り留めるものの、吉良の命の期限は確実に迫っていた。そこで吉良ゆいじはアメリカでの心臓手術に踏み切る。

そして最終回で吉良ゆいじの命は…というオチ。吉良の結末こそストーリーの核心部分にあたると思うので、さすがに『きょうのキラ君』最終話のネタバレは避けたいと思います。『きょうのキラ君』の実写映画でも、きっと同じオチが待ってるはずです。

きょうのキラ君8巻 最終回 死ぬ前に結婚式
(きょうのキラ君 8巻)
吉良の死が確実に迫っている中、ニノンがサプライズで結婚式を開く。「約束してください。絶対死なないって」と涙ながらに訴える場面は泣けます。こんなセリフを本人に言っても仕方ないものの、それでも言う以外にニノンは何もしようがない無力さが泣かせます。

きょうのキラ君6巻 インコの先生
(きょうのキラ君 6巻)
ちなみに『きょうのキラ君』の最終回では、インコの先生も絡んでくる。冒頭のあらすじでは鳥の剥製と書きましたが、普通に生きてる。マブダチだからこそ毎日インコを連れ歩く。でもニノンが好きだからこそ、画像のようにちょいちょい厳しいアドバイスをすることもある良いキャラ。

強いて言えば、最終回までの展開は「幸→悲→幸」よりも「悲→幸→幸」の方が読後感は良かったはず。最後のオチはやや説明くさく、インコがメインっぽく終わってる(いいところ取り)のは残念かも知れない。


きょうのキラ君 全9巻の総合評価 評判 口コミ



『きょうのキラ君』はオトコでもキュンキュンできちゃう恋愛漫画。主人公・岡村ニノンの表情にやられてしまう。吉良を支えることでニノンが人間的に成長していく様も読んでいて気持ち良い。作者・みきもと凜は絵が上手く、絵柄にクセがないのも少女漫画としては評価が高いポイントではないか。

きょうのキラ君6巻 矢部
(きょうのキラ君 6巻)
また恋愛だけではなく、矢部とのクダリでは「友情」も描写されることで男読者が読んでも泣かせてくれる。ややBLテイストが強い描写は気になりますが、病気もテーマにしてるからこそ男でも共感できる部分も多い。

この「恋愛」と「病気」という二大泣かせる要素だけに割り切って展開させてることで、ストーリーも下手に脱線しないので非常に読みやすく、読み味も良い。よくある恋愛漫画だと変にイベントを起こして話を引き伸ばしたりしますが、内容は過不足なくテンポ感も◎。

全9巻にギュッと凝縮されてることでキュンキュンしっぱなし。小中学生でも集めやすいボリューム感は、まさに絶妙。多少ツッコミこそ入れましたが基本的に欠点らしい欠点はなく、『きょうのキラ君』はフツーにおすすめの恋愛漫画だと思います。ちなみに恋愛漫画ではないですが、いずれおすすめ女性マンガ家ランキングも執筆する予定。