『クダンノゴトシ』1話のネタバレ感想。作者は渡辺潤。ヤングマガジン(講談社)37・38号で始まった新連載のマンガ。

あらすじ

城栄大学の大学4年生たち7人。旅行サークルに入ってる。そこで卒業旅行と称して伊豆旅行。レンタカーでミニバン車でも借りて移動。主人公はその中の一人・辻元光(多分)。ただこの段階で内定がもらえてないので、いわゆる就活失敗組。

でも他のメンバーは全員就職先が決まってる。藤澤伸司は出版社、馬場あゆみはスポーツ用品メーカー、小野寺洋太はスポーツジムの店員、河合舞は食品メーカー、白石辰巳は実家のコンビニ、辻元光の彼女・桜井千鶴は印刷会社。一人だけ浮いてるっちゃ浮いてるのが、辻元光。

そこで7人がお喋りをしながら伊豆をドライブしていると、今どこを走ってるか分からなくなる。そして気付けば薄気味悪い山道を走行してた。若者たちにありがちですが、ノリでブオーっと走行。

そうするとドン!と何か動物らしき物体にぶつかる。車中から降りる7人。レンタカーには大きな凹み。恐る恐る、轢かれた物体を見てみると…
クダンノゴトシ1話 牛男
(1話)
まさかの牛男!…というストーリー。画像だと少し分かりづらいかも知れませんが、角が生えてて身体も牛っぽい。

牛男は何する人ぞ?

あまりに気味が悪いので、主人公たちは思わず牛男をフルボッコ。一目散で逃げる。

クダンノゴトシ1話 レンタカーには傷がない
(1話)
ただレンタカー会社に車(ホンダ・フリード?)を戻した時には、何故か傷や凹みが一切ない。だから彼らは集団幻覚でも見ていたに違いないと自分たちを納得させる。

確かに牛男をフルボッコする場面では、何故かコマの周辺が黒く塗りつぶされている。こういう演出は多くの場合、時間軸が異なる時(主に過去編)に使われる。だから牛男を見たのはリアルではなく、集団的に幻覚を見せられた可能性はあります。

クダンノゴトシ1話 就活失敗して気が滅入る辻元光
(1話)
そしてストーリーとしては、就活失敗を強く引きずる主人公と思しき辻元光が自ら命を絶とうとする。空元気の笑顔が痛々しい。

クダンノゴトシ1話 辻元光を恐る謎の牛男
(1話)
ただ今にも死にそうという瞬間、目の前に現れたのが伊豆旅行で見た牛男。「自らの死は認めない、さあ始まりだ」という謎のセリフと共に次週へ。

件(くだん)の意味は牛男

ちなみに漫画タイトルの「クダン」を漢字で書くと「件(くだん)」。この言葉の意味自体が「牛男(牛面人身)」ということらしい。

だから辻元光が主人公と書きましたが、おそらくメインはクダンという牛男。数話のオムニバス形式で、シリーズごとに登場する人物が変わる可能性が。

総合評価

「渡辺潤、新境地」とヤングマガジンが謳ってた通り、確かに新境地っぽいジャンル。リアルをベースにした内容ではなく、ファンタジー要素を盛り込んだサバイバルホラーチックな内容になりそう。クダンがもたらすハードルや難題にどう生き残るのか?という、最近の講談社に多い作風になりそう。

ただ3億円事件を扱った『モンタージュ』ですが最初こそ良かったものの、悪い癖が出て間延び感が半端無かった。もし前述のように何話かで完結するオムニバス形式だったら、ストーリー性は良い意味でないはず。だから、そういった悪癖を読者側は目の当たりにする機会は少ないんじゃないかと、勝手に期待します。

◯展開★3.5◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★4
◯おすすめ度…82点!!!!