『高校デビュー』全13巻のネタバレ感想。作者は河原和音。俺物語の原作者。マーガレット(集英社)で連載してた恋愛漫画。ややラブコメ要素も強めか。続編『遠恋編』というのも発売されてるそう。

2013年11月に旧ブログで更新した記事。ジャニーズの山Pと今田耕司が司会をしてる「ジェネレーション天国」の企画「マーガレット特集」で十代の上位にランクしてたからレビューしてみた。

あらすじ

主人公・長嶋晴菜は中学時代はずっと部活漬けの少女。そこで高校入学と同時に心機一転、モテ女になろうと決意する。しかしナンパ待ちをしても無残な結果。そして小宮山ヨウというイケメン君に何故か弟子入りを志願。

高校デビュー1巻
(1巻)
そして小宮山ヨウが長嶋晴菜にモテるためのコーチをする。長嶋晴菜はいかにも部活少女らしい実直さで向き合って、その実直さに小宮山ヨウも段々と心が動かされていく。晴菜の恋愛に対する猪突猛進さは、とんちんかんな行動も生んで笑えるみたいなラブコメ漫画

小宮山ヨウがツンデレ

このヨウがまた最強にツンデレ。晴菜のことをずっと「アンタ」呼ばわり。晴菜は晴菜で別に何の文句も言わず、それを粛々と受け入れてる。まるで最初の主従関係がずっと持続してる感じなんですが、ヨウはツンデレなので本心を言う時には照れ隠しで絶対口に手をやる。

高校デビュー3巻/ヨウ
(3巻)
晴菜にダイレクトに「好き」と表現されて思わず反応してしまうヨウ。5巻では思わず晴菜のことを好きと言ってしまい、「アンタと話してると変なことまで言わされる」と手を口にやって怒りながら照れるんですが、手をセーターで覆ってて思わず「お前は女の子か」とツッコミそうになった。そういう描写って女の子も何気に好きなんでしょうね。

高校デビュー6巻/ヨウ
(6巻)
絶対に晴菜のことを名前で呼ばない。しつこく付きまとってくる元カノと一騎打ちの場面では、あくまで「あの人」呼ばわり。さすがに晴菜がいない時ぐらいは名前で呼んだれよって感じですが、こういう不器用すぎる男の子キャラクターは俺物語!!でも脈々と受け継がれてたりして需要はあるんでしょうね。

しかし少女漫画では「彼女のおかげで変われたんだ」的なニュアンスのセリフが多用されがちですが、背伸びしたい女の子にはキュンキュン来るんだろうなー。別に好きなら好きだけでいいやんとオジサンは思ってしまうんですが、何故か付き合うという行為に特に未経験な女の子は「付加価値」を求めたがる不思議。これがきっと「女の子が年上好きになる」理由なのかなーと。

脇役キャラクターも濃い

高校デビュー10巻/メガネ
(10巻)
サブキャラクターもなかなか濃くて、特にこのメガネの非モテ女子高生がスゴかった。とにかく卑屈でいきなり初対面のヨウに対して、「女の子がみんな自分を好きになると思うなよ」というセリフには笑った。でも結局ヨウに優しくされて好きになってハードな展開になります。

高校デビュー10巻/朝岡
(10巻)
他にも朝岡というキャラクターが切なすぎた。晴菜のことを最初冗談で口説いたりするんですが、いつの間にか本気で晴菜のことを好きになってる。いつも冗談めいて言ってただけに、自分でもどうしていいか分からず苦悩する姿は泣けた。

総合評価

ただ『高校デビュー』のストーリーは全体的にはフワッとしてる。ヨウの心理描写が少し弱く、どうして晴菜のことを好きなったかが分からなかった。サブキャラクターのクダリも何か起きそうで起きない、胃の中に残るような重量感は少なめ。とりあえず読めることは読めるが、ラブもコメディーも少し中途半端な感じはした。高校デビューというタイトルから想像するような華やかな展開にはなってない。

トータルでまとめると主人公の年齢と同じく、中高生の女の子読者向けのラブコメ。ヨウという不器用なイケメンキャラクターは、いかにも恋愛未経験な女の子たちがハマりそうなキャラクター。中途半端な性格と少し辛辣なことも言いましたが、逆に考えるとネガティブネガティブもしてないので読後感としては悪くはない。


◯展開…★3.5◯テンポ…★4
◯キャラ…★3.5◯画力…★3.5
◯全巻大人買い…★3.5
◯おすすめ度…82点!!!!