『このお姉さんはフィクションです!? 』全8巻のネタバレ感想。作者はむつきつとむ。コミックハイ!で連載してたマンガ。

あらすじ

主人公は吉川隼(じゅん)。どこにでもいる普通の高校生だが、母親がマンガ家。そこでしばしば自分もマンガ制作に付き合わされることも多かった。そこで母親はアシスタント・川瀬成海を雇う。

このお姉さんはフィクションです1巻 川瀬成海
(1巻)
ただその川瀬成海は酔うと淫らに悶えてしまうアラサー女子だった。そして吉川隼を軽く襲ってみたり、展開としてはややセクシーな感じのマンガ。

川瀬成海のキャラがぶれぶれ

タイトルからも想像つきますが、おそらく川瀬成海がメインキャラのマンガ。言っちゃえばヒロイン。

でもこの川瀬成海のキャラクターがイマイチよく分からない。あらすじだけ読むと「主人公・吉川隼の貞操が危ない!?」という展開に発展するのかと思いきや、実は川瀬成海はそこそこいい年齢なのに男性経験はない。いわゆるヴァージン。だからアルコールで酩酊状態になって吉川隼を襲ってくるものの、むしろ逆に川瀬成海がたしなめられてることすらある。

じゃあどういうスタンスでこのマンガを読めばいいのか?という話。主人公・吉川隼がピンチになって男性読者がハァハァするマンガなのか、こじらせBBAの川瀬成海を年下男子がアレコレ攻めていくのか、どう料理したいのかが見えてこない。S好きも満足しないし、M好きも満足しないという、まさに誰得なキャラクター。

それはストーリーの軸にも当然影響してくる。このメインキャラクターの二人が将来的に付き合っていくのか思いきや、そんな展開にはならない。結局吉川と川瀬の関係性が不明瞭。

このお姉さんはフィクションです1巻1
(1巻)
また川瀬はマンガのアシスタントとして無能という設定もある。だからといって、漫画家として成長していくプロセスがあるかと言えばそれもない。ひたすらダラダラと無意味な時間が続いていく。

このお姉さんはフィクションです7巻 大貫
(7巻)
一応ネタバレしておくと吉川隼は最終的に同級生の大貫瑠璃子とくっつく。最後は川瀬が「お姉さん」っぽい振る舞いをしてそれっぽい感じで終わってるけど、最後の最後まで川瀬成海の必要性やどういう役割を担ってたか見えなかった。その二人以外にも浩子という女編集者も絡んできたりしてブレブレ。

総合評価

キャラクターを使いこなすのが下手。ヒロイン・川瀬成海をどう活かしたいのか見えてこない。前述のように川瀬は恋愛的にも仕事的にも無能なので、吉川を積極的に翻弄したりリードしたり成長させていくこともない。だからと言って、経験値的には変わらない二人が付き合うことはない。

このお姉さんはフィクションです7巻 川瀬成海
(7巻)
主人公・吉川隼と付き合うのかな?と最後の最後まで期待させつつも、結局は何も発展しない。タイトルの「フィクション」の意味も最後まで分からなかった。最終的に「川瀬は現実には存在しないキャラクターでした」みたいなオチでも待ってるかと思ったら、そんな突拍子のないオチでもない。結局脇役キャラとしても、川瀬は何も存在を確立できていなかったかも。

もっと「何をメインに据えたいのか」「誰視点の漫画なのか」という部分を真剣に考えるべき。

あとコメディーベースなのに変にシリアスな表情を使ってみたりする部分も気になった。一瞬これから何か不幸な起きるのかと思ったら、結局は何も起きない。中途半端にゾワゾワだけさせられて、さっきの胸騒ぎを返して状態。本当に展開を作るのが下手くそ。

ただ不思議とダラダラとは読めたので極端に低い点数には採点してません。全巻大人買いはやや低めにしましたが、日常漫画としての延長線上で何も考えずに読めばそこまで悪くはないのかも。



◯展開…★2.5◯テンポ…★3.5
◯キャラ…★2.5◯画力…★3
◯全巻大人買い…★2
◯おすすめ度…76点!!!!