『告白』のネタバレ感想。作者は湊かなえ。2008年ぐらいに販売された小説。たまには漫画以外での感想も書いちゃいます。

主演が松たか子で実写映画化もされました。しかし、松たか子は年齢を重ねる度に色気が増してる印象。はー結婚して養って欲しいー。はー社会的地位の高い女性のヒモになりたーい。…つか、もう結婚してるのか。やっぱり年収4・5000万円の浜田ブリトニーやな(;´Д`)ハァハァ

あらすじ

森口悠子(もりぐち・ゆうこ)という、中学校の女性教師が主人公。その娘・愛美(まなみ)がクラスのある生徒たちに殺される。渡辺修哉(わたなべ・しゅうや)という中二病全開のエリート中学生と、下村直樹(しもむら・なおき)という平凡な生徒。

その二人に対して、女教師森口が復讐を果たすという話。詳しくはウィキペディアに載ってるので割愛。

中二病的なライトノベル

内容は全体的に、中二病的。設定や展開を含めて、リアリティーや真実味は薄い。

森口の復讐してやろう的な魂胆が、いかにも幼稚じみてる。しかも復讐の仕方も幼稚で、恋人・桜宮の「HIV血液を飲ませる」というもの。結果、感染はしないんですが、小学生レベルの発想力。まず恋人が運良く(?)エイズに感染してたなんて、どんだけご都合主義的。

渡辺修哉は渡辺修哉で中二病をこじらせすぎるのはいいが、いかにもアホなマスコミが描きそうな『犯罪少年像』丸出し。さすがに露骨すぎて笑う。そこそこ悲惨な過去を持ってるので、どう犯罪に結びついたかを掘り下げれば、作品としての深みは出たはずだが、そういうのは一切ない。

しかも渡辺は、最終的に遠隔操作の爆弾を作って全校集会で他の生徒たちもろとも自爆しようとする。「爆弾て!しかも遠隔操作て!」と、いろいろ現実離れしすぎ。そして森口は森口で、その遠隔操作の爆弾を一時的に止めたり、余裕で扱える。

ツッコミどころは多々ありすぎ。

ただエンタメ作品としてはオッケー

ただ素直にエンタメ作品として読めば、そこまでツマラナイってことはない。

どんだけダラダラ読んでも3日もかからない小説。ラノベ自体を読んだことないので何とも言えないんですが、おそらくそんなんに近い。サラッと読める。ランク的に「小説>>ラノベ」と言われがちですが、こんな小説が売れてるなら案外小説というジャンルも大したことない(若干褒めてる)。

オチをネタバレしちゃうと、森口は上記の爆弾を渡辺の母親が働く大学の研究室にセットしちゃう。渡辺が爆弾のスイッチを入れた瞬間、母親ごとボーン。ちなみに、だから、松たか子はCMで「バーン!」だの「ドーン!」だの叫んでたんだと思う。

あくまでラストは森口が渡辺に対して、その事実をとうとうと告白するだけ。その爆発した瞬間や、マザコン渡辺の表情や態度などは描写されてない。

それが却って想像力をかき立てさせ、スカッとした読後感と共に、後味が悪いモヤモヤ感も残させる。森口が最終的に罪に問われないオチの無責任。しょうもない女子中学生が得意そうな陰湿さも、いかにも中二病的なラノベ。

総合評価

至って内容はシンプル。小学生から60代70代の爺さん婆さんまで、それなりに読める。平易な文章で、ストーリーの構成も複雑じゃないので、「読みづらい」ことはほとんどないはず。だから映像化もすごくしやすかったんだろうなーと、素人ながらに思う。

ただ、こういう読みやすい小説でも、やはりマンガ10冊分以上の時間はかかる。逆に言えば、小説は一冊でそれだけ「ヒマ潰し」ができるということだから、むしろコストパフォーマンス的には高いとも言える。

やっぱり小説にしろライトノベルにしろ、何か起きそうで起きない展開が漫然と続いて、最後にボーンと大ドンデン返し的な作品が多い。お化け屋敷に入ったはいいものの、ほとんど誰も脅かしに来ない。何も無いのかなーと思わせといて、ラストの出口で「ウワーッ」と登場して恐怖を倍増的な?

だから、当たりハズレが結構ラストの方にならないと分からないことも多い。個人的にレビューを続けようと考えると、小説やラノベはかなり『非効率』だと改めて痛感。マンガだと極端な話、最初の1ページ、もっと言えば、一番目のコマで「面白いか・つまらないか」が分かりますからねー。

ただ「時間つぶし」を、個人的にそこまで最優先してないので、残りの百田尚樹の小説は大便拭きにでも使おうかしら。

湊かなえ「告白」中島哲也監督インタビュー
あと映画のメガホンを取った監督・中島哲也のインタビューが載ってたりもする。名前を聞いたこともない、どこぞの評論家がグダグダ語ってるよりかは、こういうインタビューを載せた方がまだマシ。本当ああいうのでピンと来た試しがない。

告白
湊 かなえ
双葉社
2008-08-05

◯展開★4◯テンポ★4
◯キャラ★4◯画力★-
◯80点!!!!