『金のタマゴ』1巻のネタバレ感想をレビュー。作者はカツオ。掲載誌は別冊少年マガジン。出版社は講談社。面白いかつまらないか考察してみました。ちなみにマンガタイトルは「金の卵」ではありません。略し方は「金タマ」ではおそらくありません。


あらすじ物語・ストーリー内容

金のタマゴ1巻 桜井珠子と高瀬数真
(金のタマゴ 1巻)
主人公は桜井珠子(さくらい・たまこ)。講誠社のラノベ文庫編集部に配属された新米編集者。幼なじみの高瀬数真(たかせ・かずま)も同じく講誠社に入社し、こちらは週刊少年マガコミ編集部に配属された。

この二人がどちらが早く1000万部を越える作品を出せるかを勝負してる、みたいなストーリーの4コマ。かなりゆるい空気感のストーリーなので、『バクマン。』のようなシリアスな展開は一切なく基本的にコメディーテイスト全開の内容。

つまり漫画タイトルの意味は主人公の名前・桜井珠子と、その珠子が担当する「漫画家orラノベ作家のタマゴ」を掛けあわせたような意味を示していると思われます。


主人公・桜井珠子のキャラクターが良い

とにかく主人公・桜井珠子のキャラクターが面白い。

金のタマゴ1巻 桜井珠子の百変化
(金のタマゴ 1巻)
投稿作品を読んでる最中は、すぐ感情が表情に出る。こんだけ人の感情を動かすことができたら、その作品をさっさとデビューさせてやれって感じですが。

金のタマゴ1巻 桜井珠子の侮蔑の表情
(金のタマゴ 1巻)
ライバルの高瀬(ちゃかせ)より仕事が上手いこと行ってる時には、ププーと嘲笑う。この時の表情がまた腹立ます。

金のタマゴ1巻 桜井珠子の鬼畜
(金のタマゴ 1巻)
あるときは高瀬を蹴落とすために、「みんなー!この人、キヨハラやってるよー!」と大声で叫ぶ。まさに潰し方がエグい。これだけは邪道だと断言できる(笑)

金のタマゴ1巻 桜井珠子のキャラクター
(金のタマゴ 1巻)
ホメられるとすぐ調子に乗って小躍りしだす。ちょいちょい動きがかわいい。

金のタマゴ1巻 桜井珠子の横柄
(金のタマゴ 1巻)
そもそもホメられてくなくても調子に乗る。画像はアニメ製作会社の元へ足を運んだ先輩編集者にこっそりと追跡した挙句、アニメ関係者に対しては「こんにちわ原作者です」と平然とウソを付く。思わず先輩編集者も「こいつマジか」。

まあ漫画作者の顔なんて基本的に誰も知らないので、ある意味ダマし放題。テキトーに「藤島康介」あたりを自認しておけばクソモテたのになー!!クッソー!!(笑)

金のタマゴ1巻 桜井珠子の怒り1
(金のタマゴ 1巻)
自分が担当したラノベ作家のタマゴが雑誌内の新人賞に応募する。その第二審査が発表される当日、恐る恐る結果が書かれた紙を勢い良くバンと開く。

金のタマゴ1巻 桜井珠子の怒り2
(金のタマゴ 1巻)
でも結果は当然のように落選。そうすると思いっきり、その紙を叩きつける。このテンポ感が見事。というか態度わりーってレベルじゃない(笑)

金のタマゴ1巻 桜井珠子の毒舌2
(金のタマゴ 1巻)
高瀬(ちゃかせ)が仕事で落ち込んでトイレにこもってる時には、なにか特別に励ますわけでもなく、「いっしょに帰ろうと思ったんだけど、なんか辛気臭いし、色々臭いからやめとく」とディスられる。いや、逆にこれはこれで励まされるか。

だから桜井珠子は割りと毒舌。「漫画の持ち込みは2回以上来る人は15人に1人」と嘆く高瀬に対して桜井珠子は、
金のタマゴ1巻 桜井珠子の毒舌
(金のタマゴ 1巻)
冷たいね、この数字大好き冷メガネは。2回来ない14人は諦めたんじゃなくて、ダメ編集と思って他社に流れたんだよ」とズバリ。蔑称がシンプルにヒドい。こんな感じで出版社というか編集者あるあるも割りと載ってます。


出版業界の内実をチラホラ暴露

例えば、書店にしろAmazonや楽天市場にしろ内容が分からないので、「パッケージを重視にすべきである」とか。確かにタイトルやイラスト、帯デザインを凝ったラノベが世の中にはあふれています。やたらと長ったらしいタイトルもこういう理由。

金のタマゴ1巻 イラストレーターのギャラ
(金のタマゴ 1巻)
桜井珠子の性格が性格なので、「ラノベの表紙を描いているイラストレーターのギャラ」とかも教えてくれます。ちなみにネタバレしておくと、総額で36万円程度とのこと。表紙が最重要と言いつつ、むしろイラストレーターのギャラは安くねーか?(笑)

他にも、出版社に持ち込まれる漫画が「漫画の体」をなしてない確率は50%や、編集者は編集者で所詮は社員なので5年以内にめぼしい成果(プロ連載デビューand発行部数多数)をあげられなかったら左遷されるなど、賞金が源泉徴収で税金10%引かれるなど、割りとサラッと色んな事を暴露してくれています。

また編集者と言ってもいろいろ。「原作者並に話の大筋を作る編集者」、「キャラクター重視の編集者」、「作家からキャラやストーリーを引き出す編集者」など様々。割りと色々とサラッとぶっちゃけてくれている気がします。

個人的に驚いたのが、発行部数1000万部超えの作家がデビュー作で打ち切りにあった確率。それがなんと10%程度とのこと。そもそも売れっ子作家の絶対数は少ないはずなので、めちゃめちゃ低くね?

やはり天才は天才なのか。むしろ一発目の連載で1000万部を超えている人の方が多そう。特に少年ジャンプあたりでよく見かける印象。逆にくすぶってくすぶって、ようやく連載できているような漫画家 or ラノベ作家はなかなか爆発的に売れ始める可能性は低いということ。


総合評価・評判・口コミ


『金のタマゴ』の感想レビューをまとめると、意外と面白い。桜井珠子のノリが良い感じにうっとうしくて笑える。新人社員のくせにナマイキも良い所ですが、全然不愉快にならない。割りと社会人キャラクターでもこんなタイプはイケるという発見。

この桜井珠子のユルさを見たら、あんまり仕事ってあくせく働くて良いのかなーと肩の力を抜かせてくれる。またアマチュアの漫画家も気張らず気長に頑張ればいいやん?とアドバイスしてくれているような気もさせてくれる。

作者・カツヲはキャラクターの作り方が上手く、絵も安定してるので安心して読めます。1ページ1個・1ネタというスタイルなので、4コマ特有のギチギチ感がなくて読みやすい。そういうのも手伝ってキャラの良さに繋がっているのかも。

金のタマゴ1巻 編集長はパンチラが好き
(金のタマゴ 1巻)
また脇を固める登場人物も割りと個性的。画像は編集長ですが、「ハーレムたるものサービス忘れるなかれ!見えてるパンツより見えたパンツ」という至言を残しています。例えるなら、雲間から覗かせる太陽といったところか。まさに恥丘の神秘。

だから主人公・桜井珠子のゆるさが面白いマンガなんですが、Amazonのレビューでは「編集者として大人としてあまりにヒドすぎてイライラする」という批判的な意見もありましたので、合わない人は合わないかも。

あと「ストーリーがうまくいきすぎ」といった批判もありましたが、読んでる方もそこまで真剣に読んではいないはずなので、ここは特に気にする必要はないでしょう。これが『バクマン。』といった作風なら別でしょうが。