『監視官 常守朱』全6巻のネタバレ感想。作者は三好輝。ジャンプスクエア(集英社)で連載されてたSF漫画。フジテレビでは「サイコパス-PYSCHO PASS-」というタイトルでアニメ化。

あらすじ

社会が人間の凶悪性を示すサイコパス(PSYCHO-PASS)を測れるようになった時代。治安組織は、シビュラシステムと呼ばれるそのシステムをフルに活用。将来的に罪を犯す可能性(犯罪係数)が高い「潜在犯」の撲滅をあたる組織があった。それが厚生省公安局刑事課の監視官。

主人公はその監視官に任命された、新人の常守朱(つねもり・あかね)。ただこの監視官の常守朱が潜在犯を取り締まるというよりも、その部下に当たる「執行官」が実働的に取り締まりに動く。

監視官 常守朱 3巻 潜在犯
(3巻)
ドミネーターと呼ばれる銃を対象者に向けると、すぐサイコパスの度合いが数値として現れる。この数値が100を超えた時に初めてロックが解除されて撃つことが可能となる。

監視官 常守朱 2巻 ドミネーター
(2巻)
このドミネーターの威力がハンパない。お前は北斗の拳のケンシロウか。だから執行官は裁判などの過程を踏まずに、一撃必殺で問答無用。

でも少し気になるのが、果たしてこんなことやってる執行官の犯罪係数が高くないのか?という疑問。実は執行官の犯罪係数もしっかり100を超えてる。
監視官 常守朱 2巻 狡噛慎也
(2巻)
『監視官 常守朱』の物語としては、その執行官の一人である狡噛慎也との関わりを通して、シビュラシステムという行き過ぎた治安対策や監視社会に対して疑問に投げかけるようなマンガ。

ストーリーはしっかり展開

あくまでシビュラシステムは「将来的な可能性」で判断して、常守朱などの監視官や執行官たちは潜在犯を発見してとっちめてる。

監視官 常守朱 4巻 槙島聖護
(4巻)
ただ槙島聖護と呼ばれる犯罪係数がめちゃめちゃ低いのに、次々と凶行に走る悪人が登場。シビュラシステムの限界を露呈。

監視官 常守朱 4巻 サイコパス読み取り帽子ヘルメット
(4巻)
槙島聖護は更にPYSCHO-PASSの読み取りを防ぐヘルメットも開発。それをあちこちにバラまいて、執行官によるドミネーターの銃撃を回避。そして街は壊滅上に陥る。果たして、未然に犯罪を防ぐという究極の防犯対策が正しいのか?という疑問が生まれ、将来起きる可能性を図るという仕組みの限界が露呈。

監視官 常守朱 6巻 シビュラシステム
(6巻)
シビュラシステムの判別方法が、実は知能犯の脳を使って判別されたことが分かる。しかもシビュラシステム自体が槙島聖護の脳を取り込もうと画策していたり、まさに社会の闇。

そこで主人公である常守朱というキャラクターが最大限生きてくる。常守朱はシビュラシステムが望む、まさに理想的な人物。でもだからこそシビュラシステムに否定的であり、将来的な可能性というだけで殺すというやり方に疑問を持つ。

だから『監視官 常守朱』というストーリーの序盤から、彼女の行動目的に首尾一貫性があって、その清廉潔白さみたいなモノに対して惹かれる。例えば「法が人を守るんではなく、人が法を守るんです」というセリフなど感情移入や共感をしやすい。

総合評価

『監視官 常守朱』というマンガはテーマ性もあって、オチもしっかりまとまってる。ちゃんとストーリーが組み立てられていてた印象。中二病的な設定や世界観も一部読者に対して訴求力が高いのか、それなりに『監視官 常守朱』というマンガが売れてるのも頷ける。

ただ個人的には、『監視官 常守朱』の、PYSCHO-PASSの、その中二病的な世界観が微妙。あくまで「将来的な可能性」の話をしてるだけだから、基本的にどういう人間であれ悪事を働かない以前でしょっぴくのってどうなん?結局お前ら公安局が犯罪を煽ってるだけやんけっという側面も強くて、ちょっと共感という点では難しい部分もある。

ストーリーも結局シビュラシステム自体も存続したまま終わるので、個人的には『監視官 常守朱』の読後感としてはあまりスッキリせず、やや腑に落ちない部分が残ったのも事実かな。最終的にVSシビュラシステムという構図が生まれるんならまだしも、結局それに頼った怠惰な社会は変わらんのかい…という。

でも細かい部分さえ気にならなかったら、6巻分というボリュームを考えると、『監視官 常守朱』を全巻大人買いしても損はしないマンガだと思う。1巻2巻では正直どうかと思ってましたが、比較的良い感じに終わった印象。






◯展開…★4◯テンポ…★4
◯キャラ…★4◯画力…★3.5
◯大人買い…★4
◯おすすめ度…85点!!!!