『仮面ライダー』全4巻のネタバレ感想。作者は石ノ森章太郎。週刊少年マガジン(講談社)で連載されてたヒーロー漫画。

政治的なメッセージ

仮面ライダーと聞けば、日曜日の朝に放送されてる「子供向けのヒーローもの」と想像する人も多そう。

でも石ノ森章太郎が描いた漫画版『仮面ライダー』はかなり政治色、というより社会風刺が効いてる内容。連載されたのが70年代前半ってこともあって、学生運動などが盛んだった時代。その影響が作品にも色濃く現れてる?

仮面ライダー1巻政治色・社会風刺
(1巻)
例えば、いきなり水俣病のような公害に対するデモをする一般市民が登場。

仮面ライダー2巻政治色・社会風刺
(2巻)
しかもショッカーがデモをしてる市民を殺しちゃう。思わずマジか?と言いそうになる。タイムリーなネタを使うと、デモしてる市民が京大生でそれを潰そうとするショッカーが公安警察という感じか(笑)

仮面ライダー3巻政治色・社会風刺
(3巻)
他にも広島に落とされた原爆の放射能の影響が…みたいなことがあったり、実は漫画版仮面ライダーは子供向けの題材はほとんどなくて、ポップさのカケラもない。

考えてみると、昔の作品は漫画に限らず、政治的なメッセージが強い作品も多いイメージ。例えば『ゴジラ』も水爆実験の結果生まれたモンスター・怪獣ですから。

最近の漫画では、こういう政治ネタは避けられがち。もう少し漫画家は大胆不敵になってもいいのかも知れない。

もちろん政治色が強い漫画は完全にないってことではないですが、あっても大和田秀樹の『ムダヅモ無き改革』とかウワーっていう内容。最近の本屋は愛国系(中国韓国叩きネタ)の書籍が多い。タイトルを見ただけで失笑しちゃうような本しか売れない出版業界はお察し状態。もう少しマトモなのはないのかな…とは思う。

大胆すぎるコマ割り

あと漫画「仮面ライダー」を読んで目を引いたのが、コマ割り。さっきも述べましたが、漫画「仮面ライダー」は70年代前半に連載されてた。その当時の作品としては、石ノ森章太郎はかなり革新的で斬新なコマ割りに挑戦した気配はする。

仮面ライダー2巻コマ割り2
(2巻)
鉄砲を持った敵と戦う本郷猛。逃げて→飛んで→木を蹴って…流れがしっかり読みやすくて、画的にも派手。

仮面ライダー3巻コマ割り
(3巻)
仮面ライダー状態でもウリャー。

仮面ライダー2巻コマ割り
(2巻)
アクション描写以外でも、シリアスな展開でも映像的でハラハラさせられる緊張感を描けてる。

仮面ライダー1巻吹き出し
(1巻)
吹き出しのカタチも、コマの大きさにとらわれてない。昔の作品ほどキッチリとコマの中に吹き出しを収める傾向が高いのかと思いきや、かなり大胆で自由。これはかなり意外だった。今の漫画家も学べる点は少なくないはず。

だから今読んでも、漫画「仮面ライダー」はそれなりにカッコ良かった。

総合評価

既に書いたことと被りますが、子供向けらしい特撮っぽさやポップさはあまり感じない。どちらかと言えば、現在だと青年コミックに近いのかも。

政治色が強いとは書きましたがそこまでお説教臭くない。ストーリーの軸はシンプルで読みやすい。コマ割りの上手さも手伝って比較的あっという間に読めてしまう。古臭さがないと言えばウソになりますが、今でもそれなりに読める内容。子供が読んで面白いかは別ですが。

仮面ライダー(1)
石ノ森章太郎
講談社
2014-04-25

◯展開★3◯テンポ★4
◯キャラ★3.5◯画力★4
◯大人買い★4
◯81点!!!!