『賭ケグルイ(賭けぐるい)』が面白いかマンガつまらない漫画かレビューしてみた。

『賭ケグルイ』の情報を簡単にまとめておくと、作者は河本ほむら。作画は尚村透。掲載誌は月刊ガンガンジョーカー。出版社はスクウェア・エニックス。だからジャンルは少年コミックのギャンブル漫画。

この『賭ケグルイ(かけぐるい)』は2014年から連載が始まったらしいんですが、今更ながら面白いかどうか考察してみたいと思います。


あらすじ物語 ストーリー内容

舞台は私立百花王(ひゃっかおう)学園。創立122年を迎える伝統ある名門校だったが、唯一他の高校と違ったのが、ギャンブルの強さで生徒を評価すること。学園内では毎日ようにギャンブルが行われ、その全てを生徒会が一元で管轄していた。

掛け金は数百万円数千万円は当たり前。負けると多額の借金を背負うこともザラ。だからギャンブルが強ければ人望を集め、逆にギャンブルが弱い生徒はポチ or ミケとして家畜扱いされる。まさに階級制度がまかり通っていた。

賭ケグルイ1巻 蛇喰夢子
(賭ケグルイ 1巻)
そんな百花王学園に転校してきたのが、蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ)。一見すると清楚で大人しそうで、ギャンブルとは程遠い人生を送ってきたような清楚な美人…に見えてしまったお前らはとんだフシアナさん。

賭ケグルイ1巻 蛇喰夢子の不敵な笑み
(賭ケグルイ 1巻)
実は蛇喰夢子こそ大のギャンブルマニアだった。黒髪ぱっつんヘアーが清楚なんて、もはや時代遅れ。清楚系ビッチに貞操観念がないように、清楚系蛇喰夢子には金銭感覚なんて皆無だった。むしろ百花王学園にこれほど最適な生徒もいない。

この蛇喰夢子は一人暮らし。そして両親は他界済み。唯一の肉親である姉は、長期に渡って大学病院の特別病棟に入院中。もちろん入院費用は全て蛇喰夢子が負担してるわけですが、この資金の出処はどこなのか全く謎。そもそも姉が入院している中、何故ここまで好戦的なまでにギャンブルにのめり込むのか?

大金が舞い踊るギャンブル三昧の学園に蛇喰夢子という徒花が狂い咲く。果たして蛇喰夢子は百花王学園を食い潰すことはできるのか?全てを牛耳る生徒会たちは蛇喰夢子を止めることができるのか…みたいな内容のストーリー。


蛇喰夢子の恍惚がやばい

『賭ケグルイ』の面白さはギャンブルそのもののクオリティもありますが、やはり何といっても主人公・蛇喰夢子のキャラクター性。ギャンブル漫画としては有り得ない方向性をズンズンと突き進む。

普通の主人公は「勝つ」ためにギャンブルを行う。そこで勝利して大金をせしめることがゴール。でも蛇喰夢子の場合は「スリルそのものを楽しむ」ことが目的でありゴール。厳密には勝利に対しても執着してますが、運否天賦で結果が決まることに対して一種の喜びや快感を感じてる。

「うふふっ。ただの運でけっこうじゃないですか」「自分の意志ではどうすることもできない不条理。それこそがギャンブルの本質ですもの」といった蛇喰夢子のセリフからも、そういったことが読み取れるでしょう。

賭ケグルイ1巻 蛇喰夢子の恍惚
(賭ケグルイ 1巻)
だからリスクが高いギャンブルであればあるほど、蛇喰夢子の中ではどんどん快楽物質が解き放たれてゾクゾク感が止まらず、全身が色んな意味で滾って滾って滾ってしまう。

他にも股間がキュンキュンなる描写などもあって、蛇喰夢子は頭ではなく子宮で感じるようなギャンブラー。かつてブルース・リーは「頭で考えるな、感じろ」という言葉を遺したらしい。きっと蛇喰夢子のことを指していたと推察されます。

ただ途中からこういう場面に遭遇したら、『賭ケグルイ』は一体どういうマンガであるか読者の多くは皆目見当がつかないでしょう(笑)

賭ケグルイ2巻 蛇喰夢子の快感
(賭ケグルイ 2巻)
「ギャンブル中毒の負け猫だにゃん(ハート。うっかり生徒会に負けちゃって3億円も借金しちゃったニャン(ハート」とおどけてみせるものの、この時の蛇喰夢子の目玉が完全にイッてる。

女子中学生を風俗で雇った旦那を持つ、現在は自民党議員の今井絵理子さんが所属していた「SPEED」の名曲風に言うのであれば、「ゴーゴーヘブン♪どこまでも逝こう♪へーいいぇーい」といったところ。

賭ケグルイ5巻 蛇喰夢子の表情
(賭ケグルイ 5巻)
「行くところまで行きましょう」と掛け金をどんどん吊り上げていく場面も、きっと蛇喰夢子のオパンテーはズブズブの濡れ濡れでありましょう。この「イッた目」がステキで大好き。焦点が合ってるんだか合ってないんだか分からない、でも確実にコチラを見据える眼差しが不気味で不気味で仕方ない。

賭ケグルイ5巻 蛇喰夢子の恍惚
(賭ケグルイ 5巻)
蛇喰夢子にとってはお金を賭けるだけなんてつまらない。果てには「人生」を賭けることも厭わない。他にも実家の家業など賭け対象はとどまるところを知らない。

だから蛇喰夢子はギャンブルで負けても構わない。ただリスクを積極的に背負う姿勢があるからこそ、そのノンブレーキの暴走列車に対戦キャラが恐怖におののき、全ての運否天賦が蛇喰夢子に舞い降りる。

狂気をはらむ主人公らしからぬ暴走に思わずハラハラさせられるものの、この破綻しそうで破綻しない展開が、まさにギャンブルで感じる「それ」。底なし沼の愉悦に読者もいつの間にか入っている?


登場人物たちの極悪すぎる表情

もちろん狂気に満ちているのは主人公・蛇喰夢子だけではない。『賭ケグルイ』ではその他の登場人物もまさに極悪。その一端が垣間見えるのが、やはりキャラクターの表情であります。

賭ケグルイ3巻 桃喰綺羅莉 キラリ
(賭ケグルイ 3巻)
例えば、生徒会長の桃喰綺羅莉(ももばみきらり)。前述の学園内のシステムを完成させたのが、この桃喰。

画像は「月の裏側を見たことがある?地球からは絶対に月の裏側を観測することはできない。考えてみれば私…眼球の裏側って見たことがない。貴女の左目を3億で買うわ」と、ギャンブルで敗北した生志摩妄に対して片目を差し出すように迫ってる場面。まさに冷酷なまでの女王。

賭ケグルイ3巻 生志摩妄 いきしまみだり
(賭ケグルイ 3巻)
ただ生志摩妄(いきしまみだり)もギャンブル狂い。笑い方がヒドすぎますが、こう見えてドMちゃん。先程の桃喰との一件があって以降は、ギャンブルで自分が負け死ぬことを目標としてる。だからそこまで実際強くないんですが、舞台上で死ねたら本望的なノリ。落語家で言う桂歌丸みたいなものか。

賭ケグルイ5巻 豆生田 まにゅうだ
(賭ケグルイ 5巻)
豆生田(まにゅうだ)楓という生徒会会計はこんな表情。ただいかにも負け犬臭がぷんぷん漂います。そう予想できたアナタはなかなかの天才さんです。

賭ケグルイ5巻 皇伊月 極悪表情
(賭ケグルイ 5巻)
その後、皇伊月(すめらぎ・いづき)という元後輩の女生徒に寝首をかかれて惨敗を喫する。その時の皇の表情もまた極悪。先程の表情もフリとして生きてきて、まさにカウンターパンチ的にダメージ倍増。

「人のことを分不相応とかけなしておいて、挙句負けるって一体どんなお気持ちなんですかァァァ!?」というセリフを一言で集約すると「ザマァwww」といったところ。これほどザマァを的確に表現した表情もないでしょう。

賭ケグルイ1巻 蛇喰夢子の不敵な笑み
(賭ケグルイ 1巻)
もちろん主人公・蛇喰夢子も負けてない。画像の「だァって…面白いのはここからですもの」とニマァっと不敵な笑みを浮かべてる場面は、誰が見てもサタンあたりの悪魔が憑依しているようにしか思えない。

賭ケグルイ4巻 蛇喰夢子のホラーすぎる表情
(賭ケグルイ 4巻)
蛇喰夢子の目玉をひん剥いてる画像に至っては、単なるホラー漫画。白目部分の面積が多すぎて、まさに蛇そのもの。ややもすると画像のアヒル口は笑いに繋がってしまいますが、恐怖と笑いは表裏一体で共存してくれるので意外と問題ない。

この極悪すぎるキャラクターの表情が、場のボルテージをフルスロットルで引き上げて、その後に起きる展開の緊張感や期待感を煽ってくれる。ギャンブル漫画はどうしても「ゲームそのもの」のクオリティいかんで面白いさの評価が左右される傾向がありますが、こういった「攻め方もあり」なんだと『賭ケグルイ』は教えてくれている気がします。


総合評価 評判 口コミ


『賭ケグルイ』が面白いかつまらないかまとめると、まあまあ面白い。意外な角度から攻めてきたギャンブル漫画として初見の衝撃は大きかった。出オチっぽい設定ですが、それでも作品の完成度は全体的に高い。面白いか面白くないマンガかで言えば、基本的に面白い部類に入るはず。

賭ケグルイ2巻 二枚インディアンポーカー
(賭ケグルイ 2巻)
「二枚インディアンポーカー」などギャンブルゲームそのものはオリジナリティがあって、そこで展開される心理戦や頭脳戦も比較的クオリティーが高い部類に入ります。程よく難易度が高く、程よく頭を使うレベルで面白い。

福本伸行の『カイジ』ほど勝負がムダに長引くこともないので、全体的なテンポ感は◯。ただゲーム性の高さは早乙女芽亜里が主演のスピンオフ漫画『賭ケグルイ双』の方がレベルが高くて面白いかも知れない。

でも強いて『賭ケグルイ』を批判するのであれば、キャラクターの「表情」という強力な武器を持ってるが故に、そこに頼り切りになっている傾向も見られるのは残念。もっと言うと、蛇喰夢子のキャラクター頼み。

だから作品としての幅が狭まっていて、意外と展開やキャラ設定にややワンパターンさも感じる。「飽き」が来ないかと言えば嘘になる。キレイな絵柄的にブサキャラや三枚目キャラが作れないのもマンガとしては痛い。

ただそれでもゲーム性の高さなどを含めると、『賭ケグルイ』はギャンブル漫画好きならきっと食指が動くマンガだと思います。2016年9月現時点では5巻まで発売されていますが、10巻の大台に乗る可能性も十分あります。いずれ『賭ケグルイ』のアニメ化もありうるかも知れません。