『いとしのムーコ』1巻から8巻のネタバレ感想。作者はみずしな孝之。イブニング(講談社)で連載中の動物マンガ。面白いかつまらないか考察レビューを書いてみました。


あらすじ物語・ストーリー内容

主人公は犬のムーコ(名前からも分かるように一応メス)。だから漫画タイトルの『いとしのムーコ』は、そのまんまのタイトル。小松というガラス工芸家に飼われてる。

いとしのムーコ6巻 微笑ましい二人
(いとしのムーコ 6巻)
この一人と一匹の、ゆる~い日常が描かれてます。良い意味で内容はなく、当然あらすじとして仰々しくまとめるほどのものもありません。


犬がしゃべるという設定

このマンガの面白いところは、ムーコが喋るところ。動物マンガではありがちな設定や演出ですが、ムーコの感情を見事に代弁したかのようなセリフが面白い。実際に「ペットの動物がこんなこと言ってそう」という絶妙なリアリティがツボ。

いとしのムーコ4巻 待てで泣くムーコ 立ったままでもさせる
(いとしのムーコ 6巻)
小松に「待て」をさせられてる時の、ムーコの「これまだ食べちゃだめですか?…ムーコだんだんつらくなってきた」とヨダレと涙をポロポロ。

画像はムーコの鼻の上にビーフジャーキーみたいなんを乗せて、ひたすら待たせてる状態。犬の嗅覚はハンパないので、人間が思ってる以上に苦行でしょう。ちなみに、このあと小松はムーコを立たせたまま「待て」をさせる。地味に鬼畜な小松。

いとしのムーコ3巻 ミスマッチな会話
(いとしのムーコ 3巻)
もちろんムーコは一方的に喋ってるだけで、小松からしてみたら「ワンワン」と吠えてるようにしか聞こえない。だから会話は基本的に成立しないんですが、微妙に成立してるように見える奇妙な「すれ違い感」が笑えて、同時に微笑ましい

ただムーコは小松のことを同じ仲間(犬)だと思ってて、自分が何を喋ってるかが小松に伝わってると思ってる。むしろ自分も人間のように働けると思ってて、小松のためにお手伝いする気マンマンだったりもする。

いとしのムーコ1巻 小松は犬語が話せない1
(いとしのムーコ 1巻)
でも小松がある日、爆弾発言。「何を言ってるかさっぱり分からんが…オレは犬じゃないからなー」。

いとしのムーコ1巻 小松は犬語が話せない2
(いとしのムーコ 1巻)
思わずムーコは「えええっ!!?」。気付くん遅ッ!!


ムーコがアホ犬すぎて面白い

だからムーコはどちらかと言えばアホ犬。オツムの弱さが清々しい。だからといって痛々しさはない。

いとしのムーコ3巻 予防注射に愕然
(いとしのムーコ 3巻)
予防注射をしてくれる動物病院には、ちょいちょいダマサれて連れて行かれる。6巻だと喜び勇んでクルマに乗ったはいいものの、ふと外を見たら動物病院。無言の背中が切なすぎて笑えます。まさに犬猿の仲であり、因縁のライバルである二人。でも狂犬病対策には必要なので、全国の飼い主の皆さんはお忘れずに。

いとしのムーコ1巻 クルマの窓に挟まるムーコ
(いとしのムーコ 1巻)
自動車に乗ると、パワーウィンドウに挟まれるといったハプニングも序の口です。かなり笑える画像で、コチラをサムネイルの画像に使うか迷いました。ただ名前の通りパワーウィンドウは力があるので意外にヤバイ状態。もしこんな状況に陥ったら、すぐさま飼い主さんは助けてあげましょうw

いとしのムーコ6巻 アホ犬すぎる1
(いとしのムーコ 6巻)
例えば、雪が降り積もっても数日後ぐらいには雪が徐々に溶けていく。それを見てムーコは不思議がるんですが、その謎は既に解明済み。

いとしのムーコ6巻 アホ犬すぎる2
(いとしのムーコ 6巻)
きっと「ゆきたべ虫」が雪を食べているに違いない!隠れていてもムダだぞ!だってムーコは雪食べ虫の正体を知・っ・て・い・る・か・ら・な・ッ!!(ドヤァ

他にもテンションが上がると水の中に入ったり、ムーコはちょいちょい色んな場所を汚す。犬にありがちっちゃ、ありがち。そして小松にギュッと口を掴まれて怒られる。まあ、人間の大人でも給料日にはEXILEダンスを踊りたい気分に駆られるので、犬ごときテンションを抑えろというのも酷な話です。

いとしのムーコ6巻 能力が開花1
(いとしのムーコ 6巻)
ある夏、ムーコが案の定、水の中に入った直後、アスファルトを歩いていると足跡ができる。でも、その足跡は水なんで蒸発して消えちゃう。それを見てムーコは思った。

いとしのムーコ6巻 能力が開花2
(いとしのムーコ 6巻)
わて新しい能力に目覚めたやんかいさー!」とドヤ顔。仮にこんな能力に目覚めてたとしても、敢えて一回だけ汚す意味が分からない。どうせなら足跡を最初から付けない能力を開花させろよと。やっぱムーコはアホ(笑)

5巻だと雨が降ったあと、虹ができた。それを見てテンションが上がるムーコ。そして翌日、再び虹を見ようと思ったら「なくなってますよー」というクダリもなかなかアホ。


テンポ感が良い

一話あたりのボリュームも10ページ未満と短めで、テンポ感が良い。ムーコのセリフはほぼ平仮名なので一見すると読みづらいんですが、作者・みずしな孝之は地味にセリフを作る力があるので読み止まることは少ない。むしろムーコのキャラクターも相まって、ポンポン読めます。

あとは「吹き出しを使ってない」のもポイントかも。そのまま直接コマの中にセリフを手書きで書き込んでるので、文字が小さくならない。手書きであることでムーコのアホっぽさがより強調されてる感じ。

もし吹き出しの中にセリフを収めようとすると、どうしても文字が小さくなる。また吹き出しは人語(小松など)のセリフ、手書きはムーコという明確な違いが感覚的に一目で判別できるので、この分かりやすさがテンポ感の良さという点でも功を奏してる印象。


総合評価


『いとしのムーコ』の考察レビューをまとめると、誰でも読めるマンガで面白い。一応イブニングという青年誌で連載されてますが、絵本のようで子供でも素直に楽しめると思います。だからといって「幼稚さ」までは行かないので、内容的には絶妙。

基本的に動物に表情はありませんが、ムーコの表情が見事にアホ顔に描かれてる。またセリフやリアクションだけでシンプルに笑えるのが良い。単に「微笑ましい」だけで終わってる動物マンガも多いですが、しっかり笑いやボケとして成立してるのもポイントかも。

ただ小松以外の人間のキャラクターが増えだして、若干ビミョーと思える点でも。こういったジャンルや内容は「閉じた空間」だからこそ良いのであって世界観が変に広がっちゃうと…。決してキャラクター作りが下手ということはありませんが。