『いぬやしき』4巻のネタバレ感想。作者は奥浩哉。イブニング(講談社)で連載中のSFアクション漫画。

ヤクザをフルボッコ

いぬやしき4巻 犬屋敷1
(4巻)
主人公は犬屋敷壱郎。還暦間近のしがないサラリーマン。でも正義感だけは人一倍強かった。ある日、犬屋敷が公園にいると宇宙船が襲来。全身をロボットにされてしまう。そんな犬屋敷が世の中の悪を退治していくというストーリー。

いぬやしき4巻 講談組
(4巻)
ちなみに3巻の続きをネタバレしておくと、講談組のお歴々はこんな感じに(笑)

ただロボットにされたのは犬屋敷だけじゃなかった。その場には獅子神ヒロという男子高校生もいた。でも獅子神は犬屋敷と違って、悪意に満ちたタイプの人間だった。厳密には若者にありがちな「ちょっと悪いことをして自分の力を誇示したい」という幼稚な不良性といった感じ。


犬屋敷と獅子神ヒロの友達がタッグを組む

ストーリーのメインとしては、獅子神ヒロの暴走を止めるために獅子神の友達だった直行(チョッコー)が動く。そこで思案する過程で「もしかすると獅子神以外にも同じロボットが?」と気付く。

いぬやしき4巻 犬屋敷と直行
(4巻)
結果的に二人は運命的な出会いを果たす。ちなみに犬屋敷が裸なのは、服を着用しているとロケット噴射みたいなんを使って飛行できないから。地味に不便w

いぬやしき4巻 直行の涙1
(4巻)
とりあえず二人はタッグを組むんですが、犬屋敷がこれまでやってきた善行を知った時の、直行の表情とセリフに胸が詰まる。この直前には犬屋敷が「僕は機械の化け物だと認めたくないから、人助けをしているだけ…」という卑屈なセリフも色々と考えさせられて切ない。

いぬやしき4巻 直行の涙2
(4巻)
犬屋敷が難病患者の病気を治す場面を目の当たりにしたときの、直行の表情もヤバい。一コマだけですがインパクトが大。改めて画力は大事。

直行はPCやガジェット関係が得意ジャンル。だから犬屋敷を軽く改造。
いぬやしき4巻 犬屋敷の指がUSB1
(4巻)
まさか指先にUSBコネクタが装備されてた!宇宙にもいつの間にかUSBが普及してた事実に驚き。というか、指先はもっと武器的なものを装備した方がよくね?ちなみに直行は獅子神と関係性があったので、ある程度はロボットの構造をよく知ってる。

いぬやしき4巻 犬屋敷の指がUSB2
(4巻)
そんで犬屋敷が電話を使わなくても、二人が交信できるような設定を組み込む。この時の説明を受けてる犬屋敷がプルプル震えてて笑う。こういうときだけムダにお爺ちゃんっぷりを発揮。直行の説明を理解できてないのがバレバレw


母親が大好きな獅子神

一方、獅子神ヒロ。ボロアパートで母親と二人暮らし。4巻ではサツリクは行わないものの、母親を助けるためにATMを操作して大金を抜き出すといった行為を行う。ただ自分の凶行を報じたニュースを見た母親が、犯人を痛罵。それを聞いた獅子神は自分の軽はずみな行為を恥じて、金輪際誰も殺めないことを誓う。

いぬやしき4巻 獅子神
(4巻)
でも、その翌日に警察の捜査が自分に及ぶ。罪状は分かりませんが、おそらく一家サツリクに関すること。当然ロボットなんで、警察から逃げおおせる獅子神。ただ全国に指名手配されてしまう。もう母親と二人で穏やかに暮らすことは、状況的には戻れない。茫然自失となって何も考えられず、思わず涙を流す獅子神。

いぬやしき4巻 渡辺しおん
(4巻)
その前に現れたのが、獅子神が好きな渡辺しおんという同級生。獅子神をかくまってくれる。少し良心の呵責が芽生えた矢先、日本中から完全に追い詰められた状態になる獅子神。果たして出頭して懺悔するのか、はたまた更なる暴虐に走るのか?渡辺という冴えない女の子がどう作用するのか?

…というところで5巻へ。


総括

派手なバトルやアクション描写はないものの、展開的には引きつけられる部分も多かった。何故獅子神ヒロが犯人として浮上したのかは不明ですが(ATMの防犯カメラ映像?)、今後の動向は単にアクションものとして終わらない感じ。

獅子神に良心の呵責が芽生えたといっても、あくまで「母親を悲しませる」という一点のみ。被害者や遺族に対する感情はほとんどない。神戸の少年Aが書いた『絶火』という本もレビューしましたが、獅子神はそれに近い印象。自分の軽はずみな言動で家族に迷惑をかけた点では反省してるものの、肝心の被害を受けた側に対する贖罪は乏しい。

今後それがどうストーリーに絡んでくるのか?犬屋敷は犬屋敷でそんな獅子神とどう向き合うのか?注目したいと思います。ちなみにいぬやしきが面白いか考察した記事はレビュー済み。