『いぬやしき』1巻のネタバレ感想。作者は奥浩哉。イブニング(講談社)で連載中のSFマンガ。作者・奥浩哉は『ガンツ-GANTZ-』で有名なマンガ家。


還暦サラリーマンの悲哀と覚醒

主人公は犬屋敷壱郎という58歳のサラリーマン。ただ見た目は想像以上にお爺ちゃん。

いぬやしき1巻 不憫なリーマン犬屋敷1
しかも背が小さいせいで、高校生ごときにも絡まれることもしばしば。犬屋敷の正義感は強い。だから不良にも立ち向かったりして、変に絡まれることが多い。ましてや、家族にも尊敬されることはない犬屋敷。息子には「うちの家族はホビット族…穴の中に隠れて怯えてやり過ごせばいいんだよ」と言われる始末。このセリフは地味にダメージ力がハンパない。

いぬやしき1巻 不憫なリーマン犬屋敷2
そんな中、唯一心を許したのが、動物愛護センターで見つけた飼い犬・はな子。目を潤ませながら「うん…うん…」と独りで勝手に会話が成立してるのが無性に切ない。

そんな犬屋敷が胃がんに罹ってしまう。家族にも愛されない犬屋敷は、もし自分がガンだと伝えたところで心配して泣いてくれるだろうかと溢れ出てくる涙。そして公園で飼い犬・はな子と途方に暮れる。そこへまさかのUFO墜落。
いぬやしき1巻 ロボ化する犬屋敷1
犬屋敷の体がロボット風に改造されてしまうというストーリー。だからマンガタイトルの『いぬやしき』は主人公の苗字。


ロボ化した犬屋敷が悪を退治!

犬屋敷がロボ化したと言っても、前述の画像からも分かるように、そんじょそこらのロボじゃない。
いぬやしき1巻 ロボ化する犬屋敷2
完全に頭がパッカー。ありとあらゆるところに兵器しかない。

いぬやしき1巻 ロボ化する犬屋敷3
しかも遠くからの人の話し声もそばだてるとクリアーに聞こえてしまう。うーん、これは嬉しいやら悲しいやら。

でも、この能力があるからこそ街中での悪事を発見しやすくなる。冒頭でも書いたように犬屋敷は正義感が強いので、どんどん不良や悪を退治していく。この展開に胸がすく。犬屋敷のキャラクター性も相まって、その勧善懲悪を素直に楽しめる。

いぬやしき1巻 正義感の塊 犬屋敷
犬屋敷は犬屋敷で人助けをすることで、ようやく「人生を生きてる実感」みたいなのを得る。これまで家族にも感謝されずにしゃにむに働いてきて、高校生のクソガキには絡まれる。まさに良いことなし。でもロボになったことで、これまで助けられなかった人々を助けられる。そこに生きがいを感じる様は、冴えない人生を歩んでる読者には強い共感を与えてくれそう。


総括

還暦近いオジサン…もとい見た目だけだったらお爺ちゃん・犬屋敷が主人公ということで、かなり奇をてらった設定。だから最初はギャグ漫画にでも転向したん?と思ったんですが、ストーリーは意外に王道派。シンプルな勧善懲悪で読ませてくれる。

少年マガジン15年21・22号
(少年マガジン21・22号)
ちなみに犬屋敷壱郎以外にも、獅子神ヒロという男子高校生もロボ化される。ただ犬屋敷と性格は真逆で、人の命を何とも思ってないヤツ。この「対照的な二人が相まみえてどうなる?!」的なマンガ。2巻では軽く衝突するものの、これからの展開に思わずワクテカ。

とりあえず「いぬやしきのどこが面白いか考察レビュー」を書いたのでおヒマなら。