『へび女』のネタバレ感想をレビュー。作者は楳図かずお(うめず・かずお)。掲載誌は少女フレンド。出版社は小学館。ジャンルは少女コミックのホラー漫画。Kindleでもダウンロード可能です。

『蛇女』や『ヘビ女』というタイトルの作品は多いですが、おそらく日本で一番最初に発売された『へび女』作品のはず。その点については追々後述しますが、作者・楳図かずおからも分かるように怖い話系のマンガです。


あらすじ物語 ストーリー内容 登場人物

主人公は弓子(ゆみこ)という小学生の女の子。お母さんが病気で入院していたものの、退院が決まった。その前日に弓子がお見舞いに行くと、お母さんから患者同士の中で話題になっていたウワサ話を聞かされる。

それが「北の病棟の奥に【へび女】がいる」らしいということ。口は耳元までざっくりと裂けて、すごい形相をしているとのこと。そこで明日以降はもう病院に来ることもなくなるので、弓子は好奇心から北の病棟へ足を運んでしまう。

へび女1
(へび女)
すると謎の女性から声をかけられる。その女性は見るからに健康そうで何より美人だったが、何でもハンカチを落としたので拾ってくれないか?とのこと。明らかに怪しかった。そして更に変なことを聞いてくる。

「教科書の中にカエルの絵が描いてない?見せて!お願い見せて!お医者様は思い出すから絵も見せてくれないの」と強引に理科の教科書からカエルの絵が載っているページを破いてしまう。

へび女3
(へび女)
明らかにコイツがヘビ女だった。絵のカエルですらテンションアップ。久しぶりにカエルを見たせいかパワーアップ。遂に閉じ込められていた部屋から出てしまう。そして向かった先が弓子の母親がいる病室。

へび女4
(へび女)
つまりは母親が蛇女になり変わってしまう。画像はお風呂に入ってる母親を覗くと、そこには背中がウロコだらけの女。見た目こそ母親だったが、中身はTHE蛇女。果たして少女・弓子の運命は?…みたいな内容のストーリー。

ちなみに掲載誌が少女漫画ということで、キャラクターの風貌はかわいい感じに仕上がってます。


ツッコミどころ満載

『へび女』は基本的にツッコミどころ満載。

例えば主人公の女の子が小学生のくせに、やたらと言い回しが固苦しい説明口調。序盤のへび女との遭遇前後だと「ウロウロしていると時間の損失だわ」「見おさめに病院の中を見て回ろう」など。

へび女が脱出する場面でも、牢屋のサクみたいなんもガタガタ動かしたらたまたま外れるなど、ご都合主義的な展開も目立ちます。長期間閉じ込められていたくせに、何故そんなタイミング良く壊れるんだと。

他にも弓子は最終的にへび女を追い詰めるものの、へび女は再び復活。弓子に対して復讐を果たそうと動く。

へび女 トランクケースに入る?
(へび女)
そこでヘビ女は弓子のスーツケースに潜り込む。ヘビだから狭い場所でも入り込めるって発想なんでしょうが、どこのエスパー伊藤だよ。さすがに限度があるだろ。

弓子は画像の叔父さんたちが住む田舎で、従姉妹の京子やマリ子たちも巻き込んで壮絶なバトルを繰り広げる。京子やマリ子、果てには叔父さんたちも蛇女の毒牙にかかって、ヘビ人間にされてしまう。ヘビ化した京子たちに埋められそうになる弓子。

へび女 オチが軽い
(へび女)
それだけ恐怖体験したはずなのに、最終的には弓子が遠足帰りのようなルンルン気分で東京へ戻る。読後感もヘッタクレもないほどアッサリ。効果音を付けるとしたら「チャンチャン(笑)」ってところか。。


50年以上前の漫画としては秀逸?

ただツッコミどころは満載だったり、違和感しかない部分も多いものの、この『へび女』が少女フレンドに掲載されたのは1965年。今からおよそ50年前。楳図かずおはどんだけ生きてんねんと思ったら、御年80歳だそう。

雑な展開や作りは目立つものの、1960年代に描かれた漫画として読み直してみるとクオリティーは高いと評価せざるを得ません。

へび女 京子の恐怖顔
(へび女)
ページいっぱいを使った恐怖の表情。シワの描き込みなど実に丁寧で緻密。歯と歯の間で伸びたヨダレの具合なども気持ち悪い。それ故に恐怖感が煽られて、まさにホラー漫画の原点とも言える演出。今現在でも十分「コワすぎ」と評価できるんじゃなかろうか。

また後半の「へび少女」というストーリーでは、実はこの主人公が最初に登場した監禁されていたへび女だった…というオチに繋がる。未だに使われているような巧みな演出を先駆けて楳図かずおは使っていた。

だから一概に「つまらない」「面白くない」と評価するのは難しく、「漫画の歴史」や「漫画の黎明期」を生で知れるという点では実に価値があると言えます。


総合評価 評判 口コミ


『へび女(楳図かずお)』の感想レビューをまとめると、純粋に「面白い漫画」を期待して買うと失敗します。ただ「50年以上前に発売された漫画を買う」という点では価値がある。

さすがに300ページ近くもボリュームがあるので冗長さは否めないですが、古い部分があるからこそ、得体の知れない恐怖に繋がっている。ホラー漫画としては未だに「アリ」と思わせる部分があります。

ちなみに芥川賞作家の金原ひとみがあとがき(寸評)を書いてるんですが、これが何故か「う◯こネタ」ばかりで笑いました。マジで「う◯こ」しか言ってない。お前迷走しすぎだろ。金原ひとみの次回作はきっと「蛇にウ◯コ」に違いない。